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プロフィール

百海

Author:百海
百海(ももみ)と申します。ホミンペンです

ラグーパスタの夜



「アハハハ」

その独特な笑い声が部屋に響く

ユノはスマホを覗き込んで、楽しそうに笑っている


チャンミンは今食べ終わったばかりのパスタ皿を
キッチンに片付けている


「なにがそんなにおかしいんですか?」

片付けの手を休めることなく
チャンミンが問いかける


「インスタ見たヤツに、バレてる」

「なにが?」

「この位置からチャンミンを撮れるのは
180cm超えのヤツだってさ」

「なるほど」

「ノロけるなってさ」

「惚気てなんていませんと
伝えてください」

「オレが撮ったんじゃないとレスしたよ」

「バレます、そんなの」

「だよな」


ユノは嬉しそうにダイニングチェアから立ち上がり
チャンミンのいるキッチンに来た


「すごく美味かった。なんていうの、これ
ミートソースじゃないよね」

「ラグーパスタです」

「本当なら、ストーリーじゃなくてインスタで公開してくれたらいいのに」

「どうしてですか?」

「オレがご馳走さまってコメする」

「しないでしょ」

「バレた」


ユノはまた可笑しそうに笑った

けれど、その表情は少しだけ寂しげだったことを
チャンミンは見逃さなかった


「ストーリーであなたから拍手もらったから
それで十分」

「ほんとに美味かった」

「よかったです」

「チャンミンはすごいよ、ほんと。
なにやっても完璧」


ユノがチャンミンに背を向けて
棚をゴソゴソとしている

チャンミンは振り向いて
ユノの背中を見つめた

バランスのとれた身体のライン

広い肩から腰にかけてなだらかに締まっていくそれ。
そして、肩から丸く筋肉のついた二の腕

そのスタイルは、完璧だ


「なにを探しているんですか?」

「珈琲」

「たぶん下ですよ、上じゃなくて」

「あ、そう」

ユノはしゃがんで、下の引き出しを開けた

屈んだ後ろ姿
裸の背中が少し覗いている

「あった!」


チャンミンはクロスで手を拭いて

ソファへと歩いた


「片付けも完璧だね
オレはコーヒー淹れてやるくらいしかできないけど」

今夜のユノは饒舌だ

「きっとチャンミンが淹れたほうが
コーヒーも美味いんだろうね」

独り言にもとれるユノのつぶやき


やがて、コーヒーのいい香りがしてきて

チャンミンは再びキッチンに戻ってきた


そして、食器棚から
2つマグカップを出してカウンターに並べた


「このマグカップ、何年使ってるかな
これ見ると、日本に来たなって思いますね」

「なにかの番組でもらったんじゃなかった?」

「たしかそう」

「入隊前から使ってるよ」

「そろそろ別のにします?」

「なんで?」

「裏がちょっと欠けてるし」

「いいよ、それで」

「そう?」

「チャンミン、変えたいの?」

「いや、別に」

「じゃ、ペアのマグカップで
このままでいいじゃん」

チャンミンはじっとユノを見つめた


「僕も変えないで、これを使いたいです」


ユノはフッと微笑んで
マグカップにコーヒーを注いだ

ユノはそのマグカップのひとつをチャンミンに渡した

「ありがとうございます」

チャンミンは一口コーヒーを飲んだ

「美味しい!」

「そう?」

「いつのまに豆を挽いたの?」

「挽いてないよ、最初から挽いてあるやつで淹れた」


そして、ユノはマグを持ったまま、夜景の見渡せる
窓辺まで来た

チャンミンが後ろから近づいて来るのが
夜の窓ガラスに映る

ユノが振り返ると
チャンミンが優しい瞳でユノを見つめていた


「チャンミン」

「ん?」

「明日もパスタ作って」

「いいですよ
今度はカルボナーラにしますか」

「いいの?」

「もちろん」


チャンミンは目を細めて微笑んだ


「コーヒーはユノが淹れてくださいね」


そんなチャンミンの顔を
ユノはしみじみと見つめる


「可愛いくてカッコいいし
なんでもできて、ほんとにお前は完璧」


そう言って微笑むと
ユノはまたガラスに向き直った

そんなユノの肩に手をかけて
チャンミンはゆっくりと
ユノと窓ガラスの間に入ってきた


やっぱり

そんな顔してる


「ユノ」

「……」

「普通のドリップをこんな風に挽きたてみたいに
淹れるなんて」

「……」

「普通の人にはできませんよ
あなたこそ、完璧」

「…チャンミン」

「チーズがついてます」

チャンミンはユノの唇の端についた
チーズをそっと舐めとった


2人は…見つめあった


「美味しいパスタと挽きたてみたいなコーヒー」

「……」

「僕たちってすごいですよね?」

「……」


ユノが少し子供みたいな表情で
チャンミンを黙って見つめる

「僕たちはすごいんですよ
すごいことができるんです」

「チャンミン…」

「なにも心配することないと思います」

「……」


チャンミンの視線が
窓から見える夜景に移る



「僕たちがなにを見せてくれるのか」

「……」

「大勢の人が楽しみにしてると思います」

「……」


ユノがフッと微笑んだ


「そうだな」


「最高の僕たちを見せてあげますか?」


「度肝を抜いてやろうか」

「はい!」


2人の笑顔が

夜空に溶けていった




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こんばんは、百海です。

次のお話の前に
初の読み切りのお話です。

考えたら、リアルホミンを描いたのも
初めてでした!

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