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プロフィール

百海

Author:百海
百海(ももみ)と申します。ホミンペンです

花をあげよう 1




花をもらって、喜ばない人はいないのよ

悲しい時も、嬉しい時も
花は喜びを与えて、そして癒しも与えてくれるの

……


亡き母はいつもそう言って、花を愛した

花を愛でる母はとても優しい表情で
チャンミンは母のそばにいることが大好きだった

そして、とても自然な流れで

チャンミンは花を売る仕事についた


母への思慕もあったけれど
自然と花への愛着も育っていたのだと思う


母が亡くなった後
福祉の世話になり学校を卒業すると
チャンミンはフラワーアレンジメントの教室に通いながら、花屋でバイトをした

いつか自分の店を持ちたいと
少しずつ貯金もしていた


なにを贅沢するでもなく
毎日規則正しく、キチンと生活を送るチャンミン


夜のバイトしかできないけれど
どうしても花屋で働きたかった


そんなチャンミンが選んだのは
ネオンが煌めく繁華街の花屋だった

この街の花屋は大忙しだ
夜中まで営業している


店に飾る花、客が店の女の子に渡す花
ホストが客のために用意する花

祝い事の花も毎日のように注文があった

小さなものから、かなり大掛かりなものまで、
この店が手がけるアレンジは多岐にわたり、
チャンミンにとっていい勉強になった。


教室のアレンジメントは品のいいデザインが多く、
派手さだけを求められる繁華街の花屋とはまた違って勉強になる

チャンミンの店に来る客は、
見た目を大事にする人が多い。

花屋の場所が
いわゆる華やかさを競うようなところだから
それは仕方ない


長身というだけで目立つチャンミン


はっきりした顔立ちやその佇まいは清潔感にあふれ、
その気になればいくらでも遊べそうなルックスである


それでも 


チャンミン自身はそう言った派手さとは無縁だった

その容貌なら付き合う女の子には不自由しないはずなのに、

チャンミンにはまったくそういう浮いた話はなかった


それは、まったくと言っていいほど女性に興味を持てなかったからだ

それは、チャンミンの「悩み」でもあった


そういう自分の趣向に気づいたのは
高校生になった頃だったろうか


少しは幸せな恋もしたけれど
そのほとんどは好きになっても、
つらい思いをするだけの恋だった


いつからか、もうその事で思い悩むことはやめにして
静かに人生を歩んで行こうと前向きになっている


もしかしたら、同じ気持ちの持ち主とうまくいって、
幸せになることがあるかもしれない

そんな淡い期待も少しは持ちながら
チャンミンは毎日を丁寧に生きていた


チャンミンが通う昼間のフラワーアレンジメントには
女性の生徒が多かった

割合としては、時間と金銭に余裕のある奥様、というタイプが多い


清潔感があって、ほぼ完璧なルックスのチャンミンは
それはみんなに可愛がられた


少し強引に迫られることもあって
チャンミンは、自分の趣向についてカミングアウトをした

勘違いをされるより、カミングアウトして
平和に暮らしたかった

フラワーアレンジメントを習うのに
ここで余計なトラブルを起こしたくもない



これほど美しいチャンミンが、
女性に興味がない、ということで
はじめは皆が驚いた


けれど次第にそれも受け入れられて
やがて、奥様たちはチャンミンに我が娘を見守るような気持ちを持つようになった

それはチャンミンにとって、とても心地よいものだった

アレンジメントの帰りに
今日はみんなでお茶を飲んだ

「ねぇ、チャンミン。
お相手が女性ではないことは残念だけど、
あなたは今いちばん綺麗な時なのよ?
恋愛はしてないの?」

チャンミンはちょうど口に運んだミルクティが思いのほか熱くてびっくりした

「恋?ですか?」


「そんなに驚くことないじゃない
好きな人くらいいないの?」


マダムたちが興味津々の眼差しでチャンミンを見つめ、
その答えを待っている


「恋…か」


チャンミンはミルクティのカップをそっと両手で持ち、
深いため息をついた

「あら、どなたか気なる方がいるのかしら」

マダムたちは少しどよめき
再び興味津々にチャンミンの答えを待つ


「好きな人は…います」

うわーっと、マダムたちは声を上げた
それはどよめきではなく、感嘆だった


僕の好きな人…


それは…



昨年は、たぶんその人はまだ新入りのホストで
店に飾る花の注文を頼まれて、よく来ていた

ただお使いをしている、

という感じで、花のデザインを聞いても
うーん、と困った顔をするだけだった

その困った顔がまた良かった

たぶん、店のインテリアなどあまり興味がないのだろう

きっと金のためにこの職業を選んだ
そんな軽い印象があった

背が高くて、その整った顔立ちは黙っていればクールでとてもカッコいい

きっと、見た目だけで合格したのだと思われた

カッコいいけれど中味がない
悪いけれどそんな印象だったからだ


正直、チャンミンは、そのお使いのホストを
最初は少し軽蔑していた


それなのに…

僕は…なぜか

そんなあなたに今は絶賛片思い中なのです

気付いたらこんなことになっていたんです
ほんとに、なんてこと…


チャンミンは再び大きなため息をついた




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百海です。
「花をあげよう 1」を消してしまい
アップし直しました💦
すみません💦
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