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プロフィール

百海

Author:百海
百海(ももみ)と申します。ホミンペンです

蒼い観覧車 7



2人して店を出た

ユノはチャンミンの肩をしっかりと抱き
ほろ酔いのチャンミンは、ユノの肩に頭を預けながら
フラフラと歩いた

「ユノさんの肩って頑丈」

「………」

ユノの表情は真剣でどこか固い

何も言わないユノの頬に、いたずらっぽく
チャンミンがキスをした

「フフッ」

チャンミンがユノの顔を覗き込む

「今度はユノさんからキスして?」


ユノがチャンミンの後頭部に手を添えたかと思うと
いきなりチャンミンは激しく抱き込まれて口付けられた

「ん…」

ユノはチャンミンの頭を抱え込むようにして
その可愛い頬に手を添え口づける

舌を絡めた激しい口づけ

チャンミンは息が出来ない錯覚に陥ったけれど
それはユノがあまりに激しかったから

ちゃんと顔を傾けてユノは口付けてくれた

角度を変えて何度も何度も…


ああ、ユノさんて素敵だなぁ

そんな風にチャンミンは思った


しばらくキスは続き

チャンミンはこれから起こる
2人の行為にゾクゾクした


ユノは通りに出てタクシーを止める

「俺の部屋で…いいよな?」

ユノの瞳が色気を湛えてチャンミンを魅了する
チャンミンはこっくりと頷いた

タクシーの中でも、ユノはチャンミンにキスをやめなかった

余裕なく性急な感じが
チャンミンは初めて体験するそれだった

ユノのマンションに着くと
チャンミンはユノに腕を引っ張られるようにして
エントランスからエレベーターに乗る

乗り込むや否や

チャンミンはエレベーターの壁に押し付けられて
ユノに激しく口付けられる

エレベーターがその衝撃で揺れた

両手はユノの手に絡められ
頭上に持ち上げられている


はぁ…

チャンミンもすでにトロトロに溶けそうだ

やがて、エレベーターは止まり

ユノがカードキーで部屋のロックを外してドアを開けると、少し乱暴にチャンミンを中に入れた

既に我慢のできないユノが
再びチャンミンを玄関の壁に押し付けて口付けようとする

「痛っ」

押し付けられた衝撃で
チャンミンは壁に背中をしたたかに打った

「ごめん…チャンミン、ごめん…」

ユノが両手でチャンミンの頬を押さえて
しばし、見つめ合う

獰猛なユノの瞳と、可憐に溶けたチャンミンの視線が
ねっとりと絡み合う

静けさの後…
再びユノは荒ぶる

チャンミンのステンカラーコートをユノが性急に脱がそうとする

「ユノ…さん…」

ユノは返事をせず、チャンミンのジーンズのベルトに手をかける

「ね…ブーツだけ…脱がせて…」


チャンミンはなんとかブーツを脱ぐと
転げるようにして寝室へと連れていかれた


ユノは箍が外れた獣のように
チャンミンを激しく愛した

ユノはチャンミンの麻薬のような美しさに溺れた

責められて、薄く微笑む儚さがあるかと思えば
快感に嬌声をあげる激しさもあるチャンミン

ユノは我を忘れた


ずっと…チャンミンを…こうして自分のものにしたかった

興奮はユノの理性を遥かに超えた…


チャンミンは悦びに震える

雄神のような美しいユノが
これほどまでに余裕なく激しく自分を欲している

チャンミンの肩を掴むその手の強さが
首筋を這うその唇の熱さが…

チャンミンのいたるところを這い回るその舌の巧妙な動きが

スビンのそれとはまるで違う

スビンはいつもチャンミンの反応だけを冷静に楽しむ

こんな風に、激しく求められたことなんてない



チャンミン…チャンミン…

ユノに何度も名前を呼ばれる

甘く低く掠れた声…

切羽詰まったようなユノの呻き声

チャンミンを抱くその逞しい腕が律動と共に筋肉が盛り上がり、
快感を逃そうと喘ぐ顎から、汗が落ちる


普段スーツに身を固めた生真面目なあなたの
どこにこんな情熱が隠れていたの…


うっとりとユノを見つめるチャンミンは
熱を湛えた花のようだ


そんな夢にまで見たチャンミンの…甘く喘ぐ声
目の前にさらされた白い首にユノはたまらず噛み付いた

チャンミン…チャンミン…

好きだ…

好きで…頭がおかしくなりそうだ…

自分はこの妖精のような存在に
すべてを持っていかれてしまう…



やがて…狂宴の時は終わり…


外は白み始め…


現実という朝がやってくる



チャンミンはバッと起き上がった


ユノは先に起きてシャワーを浴びているようだ


どうしよう…


チャンミンの脳裏に浮かんだ言葉はまずそれだった


ユノさんと…寝てしまった…


どうしたらいいんだろう


やがて、腰にタオルを巻いただけのユノが寝室に入ってきた

ベッドの上に起き上がってるチャンミンを見て
ユノはギョッとした

「あ…おはよう…」

チャンミンは振り向いてペコリと頭を下げた
ユノとは視線を合わせなかった

「…おはようございます」


ユノはクローゼットから黒いトランクスとTシャツを取ると、急いで部屋から出て行った

あ…

まずいな…非常にまずい…

チャンミンはベッドから起き上がると
キッチンを覗いた

トランクスにTシャツ一枚のユノがミネラルウオーターのペットボトルを持って、シンクの中を眺めている
考えことをしているのだろうか…

「あの…」

「え…」

ユノが驚いてチャンミンを振り返った

「シャワーを…」

「あ、ああ、いいよ、シャワー使って」

「お借りします…」


陽が昇ったら、急によそよそしくなったチャンミンに
ユノは不安を覚えた

昨夜の事をどのように捉えたらいいのだろう

チャンミンはどう思っているのか…

ユノはチャンミンの気持ちを推し量る事ができず
困ってしまった…

とりあえず

ユノは簡単に朝食の用意をした

オレンジジュースに
シリアルとミルク

サラダを少し


シャワーから出てきたチャンミンが申し訳なさそうに
キッチンに入ってきた

タオルに包まれるその姿がたまらなく可愛い

「あ…」

「よかったら…食べて行って
大したものじゃなくて悪いけど」

「あ、いえ、あの…帰ります」

「え?」

プレートをテーブルに並べようとした
ユノの手が止まった

「帰るの?」

「はい…あの…」

チャンミンがユノに近づいてきた

ユノは再び、チャンミンにキスしたい衝動に駆られる

けれど

その可愛い唇が紡いだ言葉は
ユノを谷底へ突き落とすに十分な力があった


「昨夜は…あんなことになって…すみませんでした」


え…

すみません?


「あの…僕、酔ってたってことで…
そういうことで、お願いします…」

「………」


昨夜のことは…無しにしようというのか…


あんなに激しく

悦びの声を上げていたと思ったのは

俺の錯覚か…


ユノの心と身体に
鉛のように溶けた金属が流れ込むような

そんな重さを感じた…


「スビン…のことか…」

「あ、スビンは…こういうの気にしない…から」

「………こういうのって」

「浮気…」


浮気か…

ユノの中でストンと何かが落ちた…


「わかった…じゃ気をつけて帰って」

ユノは笑った

昨夜の獰猛な獣はどこに行ったのか

まるで同一人物とは思えないような爽やかな笑顔だった


申し訳なさそうに部屋を出て行くチャンミンを見送り

いつものようにユノは1人になった…


ユノは熱く燃え盛る炎が急速に冷えたような錯覚に陥いり、立ち尽くしたまま、目を閉じた


夢だ…


俺は夢を見ていたんだ…


チャンミンを抱く夢

夢だから…夢だからこそ

チャンミンは俺の想像通りに抱かれてくれた


なんだ


そういうことか


ユノはフッと微笑んだ






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