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プロフィール

百海

Author:百海
百海(ももみ)と申します。ホミンペンです

死神の恋 10



「お前…この世のモノじゃないだろ…」


その瞳はとても落ち着いていて
優しくチャンミンを見つめている

びっくりしたチャンミンは
ユノの胸から思わず手を引っ込めようとしたけれど

逆にユノにがっしりと掴まれてしまった


「ユノ…な、なんてこと言うの…」


「俺さ…小さい頃から、たまにオバケが見えるんだよ」

「オバケって…」

「普通はわかるんだけどな、
そいつが死んでるのか、生きてるのか」

「………」

「チャンミンを初めて抱いた時、あまりに綺麗で人間じゃないかもしれないなんて思ったけど、死んでるって感じはなかった」

「……」

「だけど…スムージー食べに行った時
確信したんだ」

「あ…」

「あの店員はお前が見えてなかった」

「………」


チャンミンはこのまま、逃げ出したかった


「死んでるんだな、チャンミン」


そうじゃないんだ…


「………」

ユノはベッドに半身を起こして、チャンミンの両肩を掴んだ

「いいんだよ、俺、わかるから
お前の事怖くなんかない」

チャンミンは不安そうにユノを見上げた

「だけどね、チャンミン」

「……」

「俺が怖いのは、お前がこの世で彷徨うのをやめて
天国へ行ってしまうことだ」

「ユノ…」

「小さい頃教会で、死んだ人が光に包まれて空へ登っていくのをよく見た」

「……」

「お前もそうなるのが怖い
会えなくなるのはいやだ」

ユノの真剣な瞳に怯えが宿り始める


会えなくなるなんて…そんなの僕だっていやだ

だけどもっと嫌なのは、あなたが天国に行かれないことだ…


地獄への審判が下ったら
あなたはまた、そんな怯えた瞳をするんでしょう?

そんなの、僕は耐えられない


チャンミンは思わずユノを抱きしめた

「ユノ」

「チャンミン…」

「僕も…怖いんです…」


チャンミンがユノを掻き抱くように強く抱きしめると
ユノも強く抱き返した

「ずっと…一緒にいるわけにはいかないのか…」

「ユノ…僕は死んでるわけではないんです」

「え?」

「正直言って、僕も自分がよくわからないんです」

「もしかして、幼い頃に亡くなってるんじゃないか?」

「そんな風に言われたこともありますけど…」

「覚えてないんだろ?」

「生まれる前に亡くなった魂が僕のようになるって
聞いたことはあります…でも、本当のところはわからないんです」


ユノはチャンミンを体から離して
その頬を両手で優しく挟んだ

チャンミンがユノの顔を見ると

穏やかに微笑んでいる

「?」

「お前、もしかしたら天使だったりして」

「あ…」

「この世に生まれ出る事ができなかった魂が
天使になるって聞いたことあるぞ」

「そう…なのかな…」

「背中に羽は生えてないか」

ユノの目が優しく細められる

「へへっ…そんなことない
みたでしょ?」

チャンミンはなぜかくすぐったそうに笑った

「どこかへ行く必要ないんだろ?」

「どうなんだろ、たぶん無いと思い…ます…」


チャンミンはウソをつく

とても本当のことなんて言えなかったし
言いたくなかった

一緒にいたいのは本当の気持ち

このユノの優しい笑顔を
ずっと見ていたい


今は何も考えたくない

チャンミンは出来る限りの笑顔で
ユノに微笑んだ


「俺の天使か…」


とりあえず、ユノが嬉しそうだ

こういう存在には慣れていたのがよかったのかどうか
チャンミンはそのことについて考えるのはやめた




********



「今のチャンミ二ヒョンはとても危険だと思う」


テミンの言うことはいちいち正しかった

「テミンには僕の気持ちはわからないよ」

「それはそうだけど、ヒョンは自分でもわかってるはずだ」

「………」

「これじゃいけないって、ヒョンはわかってるんでしょ?でも見て見ないふりをしてる」

「お願いだから、もう何も言わないで」

「僕はね、ヒョンが傷ついたり、
罰を受けていなくなってしまったり
そんなのがいやなんだよ」

「テミン…」

「僕はチャンミ二ヒョンが心配なの」

「……少なくとも…僕もテミンみたいに
ユノを天国へ導けるなら…よかったのに」

「ヒョン…」

「………」

「ねぇ、ユノさんはヒョンが地獄への案内人だって
知ってるの?」

「知らない…幽霊でもなく、天使だと思ってる」

「こんな黒装束なのに?」

「そこは…特になにも…」

「恋は盲目だね」

「そうだね、僕もユノの本質はもうわからないよ」

「いい人が悪人か?」

「うん…」

「いい人なのかもしれないじゃないか
それをきちんとジャッジしてあげるのが
ヒョンがユノさんにできる大切なことだよ」

「うん…」

カン牧師からは、ユノを幸せにしてやれと言われた
そして、テミンは導けと

そのどれも…ユノにしてあげたいこと…


けれどそのどれも、自分には力がなさすぎると感じている…

まったくもって、なんの自信も持てずにいた


はじめて感じる気持ちと、コントロールできない自分の行動にチャンミンはフラフラと足元がおぼつかないような、そんな状態だった…






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