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プロフィール

百海

Author:百海
百海(ももみ)と申します。ホミンペンです

そこに愛はあるか〜完〜



あれだけクールに調査をかわしていたチャンミンが、
まるで子供にかえったように甘える姿

まわりの調査官はあっけにとられてその様子を見ていた

最初に対応した係の男が怪訝な顔をして部下に聞く

「なんでいきなりシム・チャンミンを解放したんだ?」

「だって…長官のことを…」

「ハッタリなんだよ」

「そんなぁ…言ってくださいよ。
あの長官のことだら、アリかと…私はマズイと思って…」


ユノがチャンミンの肩を抱きながら
まわりの調査官をにらみつけた

「随分と長いこと拘束してくれたな?」

すると、チャンミンをずっと尋問していた男が
ユノの前に出てきて正面から向き合った

「なんだよ」

ユノが臨戦態勢だ

その男はゆっくりと深呼吸をして
手元のバインダーにメモをとる。

「チョン・ユンホさん
あなたが身元引受人でいいですか?」

「ああ、いいよ」

「調査は終わりました。
というかとっくに終わってました」

「?」

「インサイダー取引の様子もなければ
詐欺も働いていない」

「当たり前だ」

「逆に…これから大変だと思います。」

「は?」

チャンミンがびっくりした顔をする

あれだけ悪態ついて対峙してきた調査官がどうしたのだろう

「彼は何も出来ませんし
待遇についても布団がどうとか文句ばかり」

チャンミンがキッと調査官をにらんだ

「ウラは完璧でした。たしかに。誰も陥れてない。
だけど多くの資産を失ったことに変わりはない」

「………」


「ま、大抵ここでヤケになって何かやらかすんです」

「お前…」

一歩前へ出ようとするユノをチャンミンが押さえた。

「ところがね…愛とかなんとか、そんなのがあるようで」

「?」

ユノが怪訝な顔をすると、チャンミンがクスッと笑った

調査官がそんなチャンミンをみて
やれやれという顔をした

「ユンホさん…
これからどうするんです?可愛いだけのこんなワガママな男を」

ユノがたまらず前へ出た

「は?!可愛い?!何言ってんだお前!」


「ユノ、いいからっ!」

「なんでこいつはお前のことを可愛いとかいうんだよ!」

「なんでもないから、ねっ?」

「なんでもないのに、可愛いとか言うか!
どんな取り調べだったんだよっ!」


ユノを押さえながら、チャンミンの心には温かい何かが溢れる

嫉妬に狂うユノがチャンミンはとても嬉しい

サロンに通っていたころ

ユノはそういう独占欲をまったく見せてくれなかった

チャンミンが誰と親しくしていようが
元カレや元カノといちゃついても我関せずで。

その度に、ユノが欲しいのは自分ではなく
その地位やコネなのだなと

そう気づかされては寂しい思いをしていた

そんな日々がもう遠くに感じる

今、この胸に溢れる温かい想い…
それはきっと愛だ

僕たちの間には愛がある

チャンミンは子供を嗜める母のような瞳で
ユノを愛おしそうに見つめた



ユノは頭に血が上ってしまい
調査官に摑みかかり、その勢いが止まらない


「ユノ、落ち着いて、ね?」

宥める言葉とは裏腹に
チャンミンがなぜか嬉しそうにユノに抱きつく

気づけば、ユノはチャンミンの前でこんな風に感情を露わにしたことはなかった

嫉妬なんて、バカにされ、呆れられ
ウザいと捨てられてしまうのでは、と。

それが怖くて、嫉妬する自分をクールに隠し通して来た

それが今はどうだ

我に返ると恥ずかしいほどの今の俺を
嬉しそうに見つめるチャンミン

こんなにも独占欲をあからまにしたって
ウザがるどころかニコニコと嬉しそうだ

俺の肩を優しくポンポンと叩いて笑っている

その笑顔を見ていると
心に温かい何かが湧き出てくる

これはきっと愛だ

もう隠さない

俺たちには愛がある
大好きな気持ちを隠すなんてしない


落ち着いたユノと、宥めるチャンミンは
いつかお互いを愛おしそうに見つめ合っていた


ソクジンが調査官に尋ねる

「なぜ取り調べが終わっているのに
解放してくださらなかったんでしょうか」

ユノたちの姿をみて、呆れたような調査官が
さっさと書類を片付け始める

「肝心なところは最後まで黙ってたんですよ、彼。
それで調査が終われるのに」

「なぜでしょう?」

「あのユンホさんが迎えにくるのを待つんだ、とね。
こちらから呼ぼうとしたのですが、彼から来てくれるのを待つと」

「あ…」

「だから、硬いベッドと不味い食事に耐えてました」

「そう…ですか」

「そんなの耐えるくらいなら迎えに来いと言えばいいのに、めんどくさいですね、彼は」

「ユンホ様はきっと…
そんなところを可愛いと思っていらっしゃるのだと思います」

「わかります」

「は?」

「あ、いや、なんでもありません」

調査官は持っていたバインダーで狼狽える自分の顔を隠した

ソクジンは穏やかに微笑んで調査官にお辞儀をした


外ではすでに
ユノは車にチャンミンのちょっとした荷物を積んでいた


「さあ、帰ろう」

「うん」


もう何にも持っていないけど

ここからもう一度はじめればいい

何もなくったってそこには愛があるから

大丈夫


「爺!早く乗ってー」

「はいはい、今参ります」


大旦那様…

周りの方に甘えながら助けられながら仕事をされていた大旦那様をなぜか思い出します

あなた様と同じ力をぼっちゃまは持っていらっしゃるようですね


わたくしは、ぼっちゃまの将来が楽しみです



************



「あ、コーチ!おはようございます!」

「なんでこんなに早く来てるんだ?」

ジャージ姿のユノが、タオルと飲み物を持って
体育館に現れた

選手たちがベンチを拭いたりしている

「掃除なんかして…もしや、お前ら」

ユノの顔が険しくなる


「だって、コーチ!
今日は王子…いや、オーナーが来るんでしょ?」

「だからなんだよ、家を掃除してから来るから
まだまだ来ないよ」

「コーチ!オーナーに掃除させてるんですか?!」

「悪いか?」

少し得意げな顔のユノ


「おはようございます」

そこへ、爽やかにチャンミンが現れた

ブルーと白の細いストライプのシャツに
白いコットンパンツ

どちらもスーパーで買ったものなのに
恐ろしく高級に見える

手にはたくさんの飲み物を抱えていた

チャンミンを見た選手たちの顔が上気する

「オーナーおはようございます!」

「おひさしぶりです!」


選手たちの瞳がハートだ


うーーーーー!

面白くない!


楽しげな空気の中、ユノだけが落ち着かない

ユノのイラだちなどお構いなしに
チャンミンがにこやかに微笑む

「差し入れ持ってきました
あとでみなさんで召し上がってください」

「はいっ!」

「シュート10本連続で決めれなかったやつは無しだから」

ユノが憮然とした表情で言い放つ

「えーーー」

すると、大勢の選手の中から
一番若手の選手が前に出て手を上げた

「僕、オーナーのために10本決めます!」

チャンミンが嬉しそうな顔をすると
ユノの怒りも倍増する

「お前は100本決めても無し!!」

「ユノ、そんな…」

前のめりになるユノをチャンミンが笑いながら
宥める

ユノの嫉妬に狂う姿は、選手たちの大好物だ

みんなが笑いをこらえて2人を見守る

ユノのことが選手たちは大好きで

綺麗なオーナーのことはもっと大好きで

自分のために、そして大好きな人のために頑張る

そんなだから

このバスケチームはどんどん成績をあげていった



みんなの笑い声が…青い空に響き渡る


なんにもなくったって
愛に溢れた毎日があれば人生は十分

チャンミンは青空を見上げてそう思った



end




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百海です。

今回も最後まで読んでいただいて
本当にありがとうございました。

最初は10話程度の起承転結のない軽いお話を描こうと
思っていたのですが、なぜか15話に膨らんでしまいました。

強がりで、思い込みの激しい2人でしたw

前回のお話から間が空いたので
もう忘れられているかと思っていました。
でも、みなさんがすぐに戻ってきてくださって
ほんとに嬉しかったです

次のお話はもう筋書きはできているのでそんなに開かないとは思いますが、またぜひ遊びにきてくださいね

今夜からSMTOWNですね
私はライブビューの参加ですが
台風に負けずに応援しましょう!

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