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プロフィール

百海

Author:百海
百海(ももみ)と申します。ホミンペンです

そこに愛はあるか〜14〜



正々堂々と、それはやってきた

書類を持参し、正当な理由を持っていた

やっとユノと素直に愛を語れるようになり
甘い時間を過ごしていたチャンミンを外に引っ張り出す力を持っていた。

「事情聴取」だった

「逮捕じゃないんだから、な?チャンミン」

「うん…」

「悪いことなんてなんにもしてないって
身の潔白を証明するいい機会なんだぞ?」

「……」

不安そうなチャンミン

一緒にいてやりたい…

ユノは切なくて、チャンミンがいじらしくて
耐えられなかった

それでもここを切り抜ければ、光は見えてくるはずだ。

「話すべきことと、黙っているべきことは…」

「それは…うん…大丈夫」

準備は整えた

明日は、調査官がチャンミンを連れに来る日だ

二人はやっと構築した日常生活をいつものように過ごした

甘く、優しく信頼に満ちた時間。
まさに「蜜月」だった

明るく楽しく昼間を過ごすことができたのに

夜になえば…つい本音が出た

先に崩れたのはユノだった

チャンミンを抱こうとして、いつもの余裕が持てず
チャンミンがむせ返るほど強く抱きしめてしまったり

暴走する気持ちを抑えられず
思わずチャンミンの服を裂こうとしてしまったり

そんないつもと違うユノがチャンミンの決心を揺るがす

離れるのはいやだ…
やっぱりこのまま…一緒にいたい

とうとうユノは行為を中断した

「ごめん…抱けない…チャンミン」

「ユノ…」

「明日から、お前がいないなんて…考えられない」

ユノの苦悩に満ちた横顔に汗が光る

チャンミンはユノの体の下で、ユノを見上げて優しく微笑んだ
そしてそっと手を伸ばし、ユノの唇をそっと指で撫でた

「僕ね…ユノ」

「……」

「こんな事になって…よかったと思ってるんだ」

「チャンミン…」

「明日から…ちょっとユノと会えないかもしれないけど
そんなにさみしくないよ?」

「そう?」

「何もわからず、ユノと付き合ってた頃のほうが
もっとさみしい思いをしていた気がする」

「会えなくても…ユノはずっと僕を思ってくれてるはずだし」

ユノは自分の唇に触れるチャンミンの指を甘噛みした

「思ってるよ…いつだって…」

「だから…大丈夫」

「ほんとに大丈夫か?」

チャンミンの目が潤んで泳ぐ

「たぶん…」

そう言ってチャンミンはユノの首に抱き着いた

「抱いてユノ…僕が大丈夫って思えるように…」

ユノは切なくて…
チャンミンと離れることを思うと
こんなに密に過ごしてしまってよかったのかと
後悔しはじめていた。

でも…

ありったけの想いを
お前に残してやるから

胸をはって、明日は堂々と行け

ユノはチャンミンを丁寧に抱いた
ユノの唇は雄弁にチャンミンへの思いを表す

チャンミンの肌を優しくついばみ、噛みつくように吸った

二人の唇はキスをしているか「愛している」と語るかのどっちかだった。

休むことのない愛の表現

外は桃色に白み始めていた




今朝は半端ないマスコミの数だった

チャンミンは落ち着いてシャツのボタンを閉めると
手慣れた手つきで首にアスコットタイを巻いた

髪を整え身支度を済ませたその姿はまさに貴公子

チャンミンは鏡の中の自分を見つめた

以前の自分とは違う

チャンミンは自分の胸をトントンと叩いた
だってここには愛があるから

ユノとの愛に包まれているんだ

チャンミンは鏡の中に自分に向かって微笑んだ


ユノはテレビを見ていた

外の様子を中からうかがえず、こうやってテレビ中継を見るのが一番わかりやすい

カメラは外からこの別荘をとらえていた

やがて、スーツを着た数人の男たちがこの別荘に近づいて来るのが見えた

ユノは思わず、チャンミンの傍へ行く

「来たぞ…チャンミン…」

「うん」

こういう時にびしっとした装いをするのは、とてもチャンミンらしいと思った

「かっこいいよ、チャンミン」

「ユノはテレビを見て、僕を見送ってね」

「…ああ、しっかり見届けてやる」

「……」

「……」

「ユノ…」

チャンミンはユノに抱き着き
ユノの頭を抱えてキスをした

「愛してる。ユノ」
「俺も愛しているよ」

「早く帰るからね」
「すぐ帰ってこい」

玄関のチャイムが鳴り、二人はもう一度キスをした

「行ってくるね」
「行っておいで、負けるなよ」
「うん!」

チャンミンがドアを開けると外のマスコミの声が轟音のように部屋になだれ込んできた

テレビ画面のそれとうまくリンクして
立体で映画を見ているようだとユノは思った

画面に凛々しい若き皇太子のようなチャンミンが映る

自信がみなぎり、堂々として
押し寄せるマスコミにびくともせず
悠然と階段を下りていく

下で待ち構えていたカメラに向かって
いきなりチャンミンがニコリと微笑んでガッツポーズを取った。

テレビ画面にカメラ目線で映るチャンミンの笑顔
ユノはそれを見て泣きそうになったけれど

テレビに向かってガッツポーズを取った

がんばれ!チャンミン


階段を降りるチャンミンの腕を調査官が掴もうとする

「触るな」

チャンミンが低く囁いて、調査官を睨みつけた

「ここから逃げようなんて
思ってません」

少し若めの調査官が捨てゼリフを吐く

「今まで隠れてたくせに」

チャンミンが横目で睨む

「あなた方がなかなか迎えに来なかっただけです」

調査官が悔しそうな顔をすると

チャンミンは微笑んだ

胸を張って堂々と



チャンミンがマスコミの波に飲まれて行くのを
ユノはテレビ画面で見送った





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