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プロフィール

百海

Author:百海
百海(ももみ)と申します。ホミンペンです

そこに愛はあるか〜12〜



ぼっちゃま特有のワガママを振りかざし
強引に要求を通そうとする

チャンミンのやり方で

チャンミンはユノを愛した

チャンミンの精一杯はまったくユノに理解されず

それでもチャンミンはユノを責めなかった


ユノはすべての後悔を背中に背負って


黒い腕時計を抱きしめて泣き続けた


チャンミン…


信じてやれなくて…理解してやれなくて
本当にごめん

心の奥に隠していた孤独

ユノへの思い

未熟な俺たちは…強がりばかり

臆病な俺たちは自分が傷つくのを恐れて

だけどそれほど、愛していたんだ

そこには臆病モノと寂しがり屋の愛がちゃんとあったんだ

なんにも気づかず…チャンミンが先に気づいた。


だけど…きっと
このことに巻き込まないように…
強がって俺を引き離そうとしてる

お前ばっかりカッコいいじゃねぇかよ

そうは行くか!

ここに愛はあるんだ

今度は俺の愛し方でチャンミンを愛する

サロンでシャンパングラスを持ってくる俺は
本当の俺じゃないんだ

嫌がられようが、ウザがられようが
もう関係ない

ユノは、とりあえず涙を拭くと
腕時計を丁寧に箱に戻して

チャンミンからもらった書類をもういちど見直した

バスケチームのコーチへの辞令にサインをする。
マンションを引き払うための書類は保留にし
そのほかの書類をひとつひとつ丁寧に確認していった

ユノは集中した。

元々こういうことの処理能力は高く
そこがいくらコネとはいえ、課長を務めることができるユノだった。

チャンミンの父は出来る限りのことを
チャンミンにしてやりたかったのだろうけれど

それがいかに難しかったかが書類でわかる。

これからチャンミンの糧になりそうなものは
バスケチームくらいだった。
その運営で細々と食べて行く感じだ。

俺が立て直してやる

決めた

もう、ウザがられてもなんでもいい
好きなヤツに俺が良かれと思うことをしてやるんだ。

チャンミンが俺をどう思うかは、その後でいい


ユノは車に乗り込み、
昨日チャンミンと過ごした別荘へと急いだ

待ってろ

チャンミン


別荘に近づくにつれ
マスコミらしきバンがいくつか停まっているのが見える

チャンミン…

予想通り、チャンミンの別荘をマスコミが取り囲む

ユノは離れたところに車を停めて
様子を伺がった。

後ろから自転車を漕ぐ音がして振り返ると

1人の初老の男が自転車を漕いでくる

よくみると、その男はソクジンだった。

いつもビシッとしたスーツなのが、その辺のおじいちゃんといった雰囲気にすぐにはわからなかった。

ソクジンがユノを見てそっと人差し指を自分の口にあてた。

そして小さく手招きをする。

「ソクジンさん!」

「しっ!静かにしてください。
ここで野次馬のフリして話しましょう
ユンホ様を待ってました」

「チャンミンは?」

「中にいます。
もうどうにもなりませんで。
ユンホ様が中に入って、ぼっちゃまと一緒にいてあげてください」

「どうやって?」

「私が、おとりになります。
ぼっちゃまを乗せてるがごとく車を出しまして
マスコミの注意を引きます。」

「その隙に俺が家に入る」

「できますか?ユンホ様」

「元バスケ選手なんだけど。
人をかわすのは得意だよ」

ソクジンは安心したように微笑んだ

「では、頼みます。
これは鍵」

ユノは鍵を受け取った。

「で?その後はどうしたらいい?」

「旦那様の嫌疑は晴れます。
それまで一緒に。食料はある程度買ってあります」

「わかった」

ソクジンはそっと自転車を降りて
別荘の裏手に回った。

程なくして、黒塗りの車がスピードを出して
裏から走り出てきた

やるな、爺さん

別荘のドアに張り付いていたマスコミが
一斉に車を追った

「シム家の御曹司が別荘からでた!」

ユノはその人波をかき分け
ドアに向かった

ユノに気づいたマスコミがユノに摑みかかろうとしたけれど、ユノはそれを突き飛ばしながら、なんとか鍵を開け、急いで中に入った。

「チャンミン!」

ユノは玄関ホールで叫んだ

返事はない

誰もいないキッチンやリビングを抜けて
寝室に入ると

チャンミンがブランケットに包まって
泣いていた

「チャンミン!」

「ユノ?」

泣きはらしたチャンミンの瞳が
ユノを見上げる

「ユノ…」

ユノの顔を見て安心したのか
チャンミンの顔が大きく歪んで

ブランケットの中からユノに飛びついた

いつもなら、面食らったユノが受け止めてよろめくのに

今は、ユノから手を差し伸べて
そしてしっかりとチャンミンを抱きしめた





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