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プロフィール

百海

Author:百海
百海(ももみ)と申します。ホミンペンです

そこに愛はあるか〜9〜



ユノはしぶしぶサングラスをかけて、
運転席に乗り込んだ

チャンミンだけがニコニコとしている

「海沿いにね、叔母さまの別荘があるんだ
そこへ行こう」

チャンミンはナビを操作して、別荘の番地を入力した

「別荘って、今夜泊まりってこと?」

ユノが戸惑ったような声をだす

「うーん、いや、申し訳ないけどユノは帰って。
僕はしばらく別荘にいようかと思って」

「あのさ、チャンミン」

「?」

「俺、今日お前といろいろ話つけて帰ったら
もう車で迎えに来たりしないけどいいの?」

「………」

「俺たち、そういう話をしに来たんだから」

「…うん、この車で今日は帰って。
迎えに来なくても大丈夫だから」

「あっそ。誰か迎えに来るんだ?」

「うーん、そうなるかな」

「へぇー」


ユノは僕に新しい恋人ができたと勘違いしてるのかな。

そう思っててくれたほうが幸せなのかな

「そういえば、チャンミン」

「なに?」

「さっき、トートバッグみたいなの持って来てただろ?
あれなに?」

「あれはサンドウィッチ」

「え?!食べ物なの?!具は?!」

「卵とサーモンと…」

「ちょっ!」

ユノはハンドルを切り替えて
慌てて車を沿道に停めた

「どうしたの?!」

「言えよ!クーラーボックスに入れなきゃ腐るだろ!」

「そ、そうかな」

「おぼっちゃんはこれだから…」

ユノはトランクに入れたトートバッグをクーラーボックスに詰め替えた。

「ユノ、クーラーボックスなんて持って来てたの」

チャンミンが覗くと、ボックスの中には
飲みものがいくつか入っていた。

その中にはチャンミンが好きなオレンジの炭酸水が入っている

「あ、これ僕の好きなオランジーナ!」

ユノはそれを隠すように急いで蓋を閉めようとした。

「今、飲みたいよ、なんで隠すの」

「か、隠そうとしたわけじゃないよ」

「僕がこれ好きなの知ってて持って来くれたんでしょ?」

「違うよ!」

慌てるユノの姿を見て、チャンミンは胸がキュンとした

なんだかんだ言っても…
いつもユノは、僕の側にいてくれて僕のことを考えてくれていた…

こんな小さなこと、例えば飲み物を何にするかなんて
財産目当てだけで出来るのだろうか。

もしそれ目当てでするなら、こんな風に隠さず、どんどんアピールするはずなのに。

ユノがサンドウィッチをクーラーボックスにしまい、トランクを閉めようとした時だった。

チャンミンはたまらずユノに抱きついた

「ちょっ!」

朝の挨拶に続いてまた抱きつかれたユノはよろめいた

「なんだよ!今朝からお前変だよ」

チャンミンは抱きついたユノの肩に顔を埋めて
大きな声で言った

「ユノ!大好き!」

「………」


ユノは固まった

はじめて…チャンミンから好きだと言われた。


「………」


今日が最後なのに、今更どうして…

「さ、行こうユノ!」

パッとユノから離れたチャンミンはクーラーボックスを開けると好きな飲み物を取って蓋を閉めた

「あー!もう」

ユノはトランクを閉めて、運転席に乗った


夏の真っ青な空に白い雲がゆっくりと流れている

「天井オープンにしてくださーい」

チャンミンがトントンと天井を叩く

「はいはい」

サーッとオープンにすると
爽やかな風が舞い込む

チャンミンのクセ毛が風にそよいで
空を見上げたチャンミンが可愛すぎて

ユノは泣きそうになった

俺だって、お前が大好きなんだよ

サングラスの中で少しだけユノの睫毛が濡れた


ほどなくして、別荘についた。

白い木造の古いけれど温かい印象の建物

よく手入れがされていて気持ちよい


チャンミンは海が一望できるバルコニーのテーブルに
赤いギンガムチェックのテーブルクロスを広げた


「ユノ!サンドウィッチ、ここに並べるから」


ニコニコと楽しそうなチャンミンにくらべて
ユノはだんだんと笑うことができなくなっていた

この状況はなんだ

終わりにするんだろ、俺たち

こんなピクニックみたいな真似…

「なぁ、チャンミン」

「ん?」

「できたら、さっさと済ませたい」

「え?何を?」

「あのさ…俺たち今日は…」


急にチャンミンが不安そうな顔になり
ユノの元へ走って来た

そして、ユノの口をキスで塞ぐ

「………」


長いキス


やっと唇が離れると、何か言いたそうなユノの口を
チャンミンが手のひらで押さえた

「何にも言わないで」

ユノの綺麗な瞳がチャンミンを見つめるけれど
チャンミンは視線を逸らして下を向いた

「今日は…お願いがあって」

「………」

「なんていうか…本当に僕が好きだって態度で過ごすことはできる?」

チャンミンがそっと手を離しユノを見つめた

「お前も今日は本当に俺が好きって態度で過ごそうとしてたの?」

「………」

「だから、あんなこと言ったんだ
大好きとか、そんなこと」

「………」

「今更…」

「ユノ!お願い!最後のお願いだから
今日はそうやって過ごしてくれないかな?
あとはもう何も望まないよ」

チャンミンの瞳は真剣だった

「………」

「お願い…」

「いいよ…」

ユノはチャンミンを優しく抱きしめた






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