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プロフィール

百海

Author:百海
百海(ももみ)と申します。ホミンペンです

初恋26



ドンへが突然、朝迎えに来なくていい、と言い始めた

「なんでだよ、お前、また入院とか困るぜ」

「少し、運動始めたほうがいいってさ。
だから、朝は少し歩くよ」

「そうなのか?」

「お前さ、朝、チャンミンと登校しろよ
ユノもバイクばっかり乗ってないで、少しは歩け」

「……なんだよ、ドンへ」

「いいから、そうしろよ」


ドンへはきっと、
俺の気持ちに気付いてる

さりげない思いやりだった。


「ドンへは…さすがだな」

「……別に」

「バレるかやっぱり」

「仕方ないだろ、あんだけ可愛いきゃ」

「はぁ?」

「あれだけ可愛いかったら、惚れてもしかたないって言ってんだよ」

「まいったな」

「これから、チャンミン受験であまり会えないだろ?
朝の時間を大事にしろよ」

「ああ」

「そのかわり、放課後の勉強の邪魔すんなよ」

「そうさせてもらうよ、サンキュ、ドンへ」



朝、チャンミンが川沿いの道を登校していると
後ろからポンと肩を叩かれた。

振り向くとユノだった

「ユノ!!」

「おはよ」

「どうしたの?バイクは?」

「基本禁止だろ?」

「えー今更でしょう?」

「ドンへが歩いたほうが身体にいいらしい。
俺、元々こっちだからさ」

「そうなんだ、それって調子がいいってことだね」

「だから、朝だけでも一緒に行こうぜ」

「へへっ…うん」


そうやって、お互いの未来のために自分のことを頑張る二人

チャンミンはまずは大学受験、招待生を狙う
ユノはしっかりと就職をする

たった半年の我慢

そんなのあっという間だ。

でも…初めて好きな人と体をつなげる喜びを知ったチャンミンにとってその我慢はなかなか難しく

ユノにとっても、チャンミンから縋られたら
とてもじゃないけれど抗うことなんてできなかった


2人は若く、溢れる情熱に自分が負けてしまう


ユノもチャンミンも、自分の熱を持て余していた

会いたい

声が聴きたい

キスしたい

抱き合いたい

繋がりたい

結局、二人が朝の登校時間だけ会う、なんていうのが続いたのはほんの1週間くらいだった。


ユノはチャンミンの勉強の邪魔にならないよう気を使い
決して自分から会おうとは言わなかった

会いたくてたまらなくなったチャンミンから連絡があるまで耐えている。

そんな日々が続き

やがて、チャンミンは徐々に成績を取り戻しつつあって
2人は順調だった


その日は秋の深まりを感じる気持ちのいい日だった


2人は久しぶりに図書館がある公園を散歩していた。

チャンミンはその日の勉強が終わらなければ、
ユノには会わないと自分を律していたから
2人で会うときは気持ちよく過ごした

紅葉のキレイな公園で、ベンチを隠すように紅く色づいた枝がぶら下がっている

それを見つけたチャンミンが、少し恥ずかしそうに言う

「ユノ、このベンチならさ、キスしても外から見えないよ、きっと」

「えーそうかな」

「大丈夫、僕、昨日から気になっていたんだよ」

2人はベンチに腰かけてみた
なるほど、外からは見えないかもしれない

元々、遊具があるような公園ではないから
平日の夕方はあまり人も通らない

「どうだろうね、見えるかな」

チャンミンが楽しそうに笑う

ユノは愛しくてたまらない、という眼差しでチャンミンを見る

そして、一瞬の隙をついてチャンミンの頬にキスをした。

「あっ!ユノ、ほんとにキスしたね?」

「したよ、外から見えないって言ったのチャンミンだろ」

お返しにチャンミンも一瞬の隙をついてユノの頬にキスをした

二人は笑いあった
楽しくてしかたがない

「ユノ…」

チャンミンはユノに顔を近づけた

「もう一度、キスして」

「欲張りだね、チャンミンは」

おどけた顔をしてため息をついたユノが
顔を傾けて、チャンミンにくちづけた

長いキス

角度を変えてもういちど…


「早く、一緒に住みたいね」

「ああ、一緒に住みたいな」

「僕が一緒に住むと言ったら
テホくん、びっくりするかな」

「喜ぶんじゃないか?俺とチャンミンなら」

「うちのお母さんは無理だろうなあ」

「俺も、あのママは理解できねえだろうなあ」

「いつかさ、みんなに理解してもらおうね」

「ああ、みんなに祝福してもらえるように、俺たち
ちゃんとしないとな」

「まずは、僕は大学!」

「俺は就職だな」


二人は世間というものを
まったくわかっていなかった

ただ、お互いを心から好きで
一緒にいたいと思っているだけなのに

大人たちにとっては
危険な道に進んでいるだけの若い2人だった。


一本の電話がそんな2人の別れの序章だった


「我が校の生徒が不純な交友をしています。」

不純、とされた2人

「生徒同士が普通に男女交際しているのとワケが違う。
子供を同じ学校へ通わせている保護者として
無視できない事案です。
大至急、確認と対応をおねがいしたい」


2人に味方になってくれる大人は
誰一人としていない

2人だけで超えるには
その波は大きすぎた








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