プロフィール

百海

Author:百海
百海(ももみ)と申します。ホミンペンです

初恋25



そして9月


高校3年生は卒業後の進路について
いろいろと忙しくなる季節だった

大学を受けるものは模試が続き
就職の者は面談などがはじまっていた


その頃、チャンミンの成績はガタ落ちだった
少し焦っていたけれど

ユノのせいにはできないし、したくない

ユノに会いたいのは自分だ

時間をみつけては、ユノに会いに行き
ユノの声を聞くために、夜中まで電話で話す

そんな生活をしていたら
当たり前といえば当たり前

けれど、それが母に負担をかけることになるとは
チャンミンはそこまで気づけなかった。

すぐに挽回できると思っていたし
その自信もあった。

面談で、キム教諭が首をかしげた

「あんなに成績の良かったシムくんが。
特に学校ではどうということはないのですが
この模試の結果では、招待生で大学に行くのは難しいです」

チャンミンの母にとってそれは
大きな不安となったようだった。

ここまでハッキリ言われるとチャンミンはさすがにうろたえた。

学校の勉強は問題ない

でも、大学受験となるとそうではなかった
しかも、経済状態から招待生を目指さしていたチャンミン。

母が大きくため息をつきながら
それでもニッコリとチャンミンに微笑んだ

「お金のことは気にしなくていいの。
招待生じゃなくたって、国立じゃなくたっていいのよ。
死に物狂いで働くわ」

母さんに負担をかけている

このままじゃいけない

「予備校にも行かせてやれないんだから
仕方ないわ、チャンミンのせいじゃないの」

そうじゃないんだ、母さん

僕は…母さんに言えないような事に
夢中になっているんだ


チャンミンはユノとのことが
次第に後ろめたく思えてきた

元々おおっぴらに付き合えるわけではなかったけれど
チャンミンにはユノに夢中だった。

そして


不安なチャンミンはユノに確実な未来を求めるようになった

「前にさ、先のことを考えようって言ったよね」

「ああ」

「僕は大学へ行かなきゃならない
ユノはどうするの?」

「うん、就職するよ、昼間きちんと働く」

「そうしたら、僕達はどうなるの?」

腕の中で不安気にユノを見上げるチャンミンに
ユノは優しくキスをした

「なにか不安になった?」

「うん…」

「お前、成績が落ちたんだろ」

「………」

「このままじゃ、招待生で医大に行くのはダメか?」

「そう…言われた…」

「それは困るな」

「……」

ユノはチャンミンを抱きしめながら
その首元に輝くシルバーのチェーンを指で弄ぶ

でもその視線は遠くをみつめていた

「チャンミン」

「ん?」

「受験が終わるまで、会うのやめよう」

やっぱり…そういう話になるか

それが一番いいって
そうしなきゃっていけないってわかってる

「チャンミン、たった半年だよ」

「間に合うかな…」

「追い込めば大丈夫さ。」

「うん…」

「……」

「……」

「学校でも、会えるしな」

「うん…」

「……」

ユノが小さくため息をついた

「ユノ」

「ん」

「全然会わないっていうのは…ダメかも」

ユノがプッと吹き出した

「アハハハ…俺も」

ユノの小さなベッドの中で
2人は身をよじって笑いあった


ユノは思う

今まで何人となく、乞われるがままに女の子と付き合ってきたけれど
こんなに可愛くて手放せないと思える恋人が
今までいただろうか。


チャンミンにとってはもちろんのこと
ユノにとっても、チャンミンは初恋だった

友情とは明らかに違う、同性への耐え難い想い

だからこそ
守ろうと思った

チャンミンを…そして、2人を

真剣だからこそ

ずっと一緒にいたいからこそ
しっかりしなきゃいけない。

それでも、会うことを我慢できない、というチャンミンは、ユノにとってかけがえのない愛しい存在だった



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