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プロフィール

百海

Author:百海
百海(ももみ)と申します。ホミンペンです

初恋22



毎朝、ホームルームでユノが寝ているのはいつものことで

だけど

この2、3日はユノは授業中も寝ている。
昼までほとんど起きない

チャンミンがいくらユノを揺り起こしても
全然ダメだった。

以前は店が空いた時間に電話をくれたりしていたし
たまに夜遅くに会えることもあったのに

このところまったくそれもない

どうしたんだろう

夜は連絡もとれない

チャンミンは自分が嫌われたのかもしれない
そう思うようになっていた。

所詮、男同士

最初は興味本位で自分とキスをしたり
それが物珍しかったのかもしれないけれど

もしかしたら飽きてきた…とか。

元々、ユノはだれかと付き合おうと思えば
そんなことは簡単で。

ほかにだれかいるとか?

2人で買おうといった「お揃いのもの」の話も
まったく出なくなってしまった


悶々としながら、チャンミンはクリスマスを迎え
そして約束をした2人のクリスマスの日になった。

その日は2学期の終業式で
珍しくユノがシャンとして朝から式に参列していた

帰る頃になって

「なぁ、チャンミン、何時頃来れる?」

「えっ?あ、あぁ、帰ったらすぐに行けるけど」


覚えていたんだ

よかった


チャンミンは胸を撫で下ろした

自分に飽きたのでは、と
こっちから話しかけることさえ、躊躇していたのだ

今日は予定通り、会えるのだ
2人きりで長い時間を過ごせるのだ

チャンミンは急いで家に帰り
着替えて、ユノのバイト先へと向かった

真冬の太陽が冷たい空気の中で明るかった


チャンミンはインターフォンを鳴らした

「はい、入って」

ユノがいつもと変わらない
爽やかな笑顔で迎えてくれた


「少し、掃除したんだぜ」

「今日は店じゃないの?」

「俺の部屋、掃除したから」


初めて入る、ユノの部屋

ドキドキする

階段を上がる音と、胸の鼓動の音が同じリズムを踏んでいた

部屋はどれだけ散らかってるかと思っていたら
案外スッキリと片付いていた

「意外ときれいだね!」

「だから、さっき掃除したんだよ」

「おつかれさま」

「座るとこないから、ベッドに座って」

「うん」

「ちょっとさ、ケーキとか食べる前に」

「なに?」


ユノは引き出しから、何か紙袋をグシャグシャと出していた

「?」

振り向いたユノの手のひらには
鈍く光るシルバーのネックレスがあった


「あ!これ!」

ほら、とユノは自分の首元を、シャツを引っ張ってみせた

ユノの長い首に、同じシルバーのチェーンが輝く

「え、でも、これ、あの時高くて…」

「なんてことねぇよ」

「どうしたの?だって、あの時、買えなかったじゃん
とてもじゃないけど高くて」

「高い、高いって、そんなこと気にすんなよ」

ユノは手のひらのチェーンを、チャンミンの首に付けようとした

「待って、ユノ」

「なんだよ」

「まさか、店員を脅すとか…」

「はぁ?」

「そんなこと、してないよね」

「するわけねぇよ、俺をどんなヤツだと思ってんだ」

「だって、あの時あきらめたじゃん」

「バイトしたんだよ、バイト!」

ユノが吐き捨てるように言った

「バイト?この店の?」

「バーカ、ちょっと他のバイトもしたんだよ」

「ほかの…」

「もう!言いたくなかったのに!」


ユノに他のバイトを入れる時間なんてないはずだった。

もし、もしそれをするならば、
この店が終わって夜中…

その時間のバイトなんて限られている

そんな思いをしてまで
このネックレスを2人のために

僕の、ほんの思いつきだったのに

「あの時は、店員に取り置きしてもらったんだよ
脅してなんかないから、心配すんな」

「ユノ…」

嫌われたのかと、我慢していた想いも溢れ
自分の為に、そんなことまでしてくれた嬉しさと

いろんな思いが高まってしまい

思わずチャンミンはユノに抱きついて
ベッドに押し倒してしまった

「おっと!お前あぶねぇよ」

ユノはチャンミンを抱きとめて
そして、起き上がった

「泣いてんのか?」

「だってさ…
嫌われたのかと思ったし…」

「あーうん、たしかに疲れてさ、それは悪かった」

「それに…」

「ん?」

「こんなうれしいこと、
生まれてはじめてだよ…」


そっとチャンミンが顔をあげた

つややかな頬に、きれいな涙が一筋こぼれる

涙で潤んだ大きな瞳はこの世の何よりも美しく
ユノの心を鷲掴みにするには十分だった。


「それをユノが僕に付けて」

ユノはそっとチェーンの留め具を外し
チャンミンの滑らかできれいな首にそれを回す

まだチャンミンはグスグスと泣いている

「ありがと、ユノ」

ユノはチェーンを付けると
そのままチャンミンを優しく抱きしめた

「チャンミン」

「ユノ…大好きだよ」

チャンミンもユノを抱きしめた

「俺なんか好きで、ほんとにいいのか」

「変だよね、こんなのおかしいってわかってるんだけど」

チャンミンが顔をあげると
ユノが優しくチャンミンを見つめている

「おかしくなんかないさ。」

「……」

「お前はなんにもわかってない。
自分がどれだけ可愛いか、わかってないよ」

不思議そうな顔をするチャンミンに
ユノはそっと口付けた

長い長いキス

それは次第に熱を帯び

キスは深くなっていく


だけど

どんなに深く口づけても
終わりが見えなかった

満足できない

気持ちを沈める術を知らない

わかってはいた
どうすればこの熱が落ち着くのか

でも、その一線を超えていいものかどうか
そこまでの決心はできなかった

それでも攻めるほうのユノが先に限界を迎えた

「チャンミンは、キスだけで落ち着けるのか?」

「落ち着けないよ、特に今日は」

「……」


2人は囁くように、お互いの耳元で話す

「触っていいか。」

「僕も触っていい?」


「恥じらう」という柵を2人で乗り越えた

自分の欲望に素直に従い
相手にもそうしてあげたいという想いを遂げた

2人で一緒に同じように天に昇ろう

お互いが男だからこそ
どうしてあげたらいいか、わかる

それはきっと、男女より分かり合えて
より思いやることができる愛の行為だ


想いを吐き出して
2人はユノのベッドで抱き合った

満足…だけれど

身体はそれなりに落ち着いたけれど

心は違った

もっとユノが欲しい

もっとチャンミンが欲しい

そんな気持ちは収まるどころか、更に強くなった


けれど


そこまではダメだと、心が警鐘を鳴らす


それから、2人はひっそりとシルバーのネックレスを
首に認めて、その秘密を楽しんだ

たとえ外で手を繋げなくても
おおっぴらに恋人同士だと宣言できなくても

この銀色に光る絆がすべてを物語る


やがてニュースでは、この冬一番の寒さ、というセリフが毎日聞かれるようになり

テホは受験の本番を迎えた





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