プロフィール

百海

Author:百海
百海(ももみ)と申します。ホミンペンです

初恋21



臨海学校が終わり、バスが学校に戻る頃には
ユノはミナと別れていた

「なんなのよ、あいつ」

プライドを傷つけられたミナはユノを罵倒していたけれど、ユノは気にも留めなかった

チャンミンと想いを確認しあったのに
ダラダラとミナと付き合うほうがどうなんだ、
というのがユノの言い分だ。

その辺りはとてもユノらしかった。


2学期がはじまるまで、チャンミンはテホの面倒をよくみてやり、ユノのバイト時間の合間を縫って、2人で会った。

普通のカップルと違って、堂々と手を繋いで歩くわけにもいかず

暗い映画館で手を繋ぎあったり
母が仕事に出ている間、チャンミンの部屋でキスをしたりした。

お互いを掻き抱きあい
ユノはチャンミンの髪をなで、それこそ貪るようにキスをした。

それがお互いの想いを伝え合う、最上級の行為だった。

さすがにそれ以上はどうすることもできず
2人は唇が痛くなるほどキスをした。

自分たちが背徳であることを楽しみ
外を歩く時手を繋げない分
2人きりになった時のキスは日に日に濃厚になっていった。


そして2学期

クラスではユノはドンヘたちとツルみ
チャンミンはキュヒョンたちと一緒にいることが多く

2人だけの秘密は誰にも知られることもなく
次第に熱を帯びていった。

2学期になれば、今までのように2人きりでいられる時間をとることができず

月曜日にテホを送った帰り道しか
2人で話す時間がない

チャンミンが甘えたようにユノに言う

「最近、キスしてないね」

そんなチャンミンを可愛くてたまらない、というように
ユノが見つめる

「キスしたいか」

「ユノは、したくないの?」

「したいよ、授業中だってお前を机に押し倒してキスしたいって思う。」

チャンミンは恥ずかしそうに、でも嬉しそうに笑った

ユノはあたりを見回して
一瞬でチャンミンの頬にいきなりキスをした

「びっくりした!」

「へへッ、お前可愛く笑うからだよ」

「もう」

青い情熱を持て余す2人に
今日も夕陽が優しい


秋が深まり、テホは受験勉強が大詰めを迎えていた

ユノもチャンミンも少しずつ、そのことに意識が向き
テホの受験は3人の共同作業のようになっていった。


「ユノ、テホが行きたいって言ってる高校を調べたけど」

「おぅ、ありがとな」

「招待生になれなかったら、かなりの授業料がかかるよ」

「入学金はどうにかなる。親父が残してくれてる金があるから。授業料が困ったな」

「招待生を受けるには、先に他の学校が受けられないんだ」

「えっ?」

「だから、招待生がダメだった時に受ける学校をもう決めないと」

そんな事を3人でも話し合った

テホはいろんな事情を踏まえ
チャンミンのアドバイスをよく聞いて志望校を決めた

「先が見えてきたね、テホくん」

「あの」

「?」

「どうした、テホ」

「えっと…」

ユノがテホの両肩をがっしりと掴んだ

「招待生がダメでも、その学校に行きたいなら
それでもいいんだぞ?」


「僕は本当に…幸せだよ」

「テホ…」

「なんか、ヒョンも先生も…本当にありがとう」

テホは涙ぐんでいる

「え?そ、そんな泣かないでよテホくん
まだどこも受かっていないんだからね」

「そうだよ、お前、なんだよ」

そう言いながら、ユノの声も少し鼻にかかるように聞こえている

「ヒョン、僕、ちゃんと勉強して、いい会社に入って
ヒョンに孝行するからね」

「な、なに言ってんだよ、俺をオヤジ扱いすんな!」

「だから長生きしてよ?」

「だから!オヤジ扱いすんなって!」

ユノはチャンミンとテホから離れてしまった。

「感動して泣いてるよ、きっと」

チャンミンがニヤニヤした。


「もっとオヤジくさいよねー」

「ほんとだね」

「早く受験終わらないかなー」

「後もう一息だから、がんばろうね」

「先生も、ほんとにありがとう」

「テホくん…」

「こんな大変な兄弟をお世話してくれて」

チャンミンの鼻の奥がツンと痛くなる

「まだまだ油断したら、ダメだよ」

チャンミンは上を向いた


ほんとに

大変な兄弟だよ

だってさ

僕は2人がいて、生きていてよかったとさえ思えるんだ

そんな気持ちにさせるなんて
なんて大変な兄弟なんだ



秋は深まり、あっという間に冬になった。


街はクリスマス

残念ながら、テホにとっては追い込みでそれどころではなかったけれど

ユノとチャンミンは綿密にクリスマスの計画をして
その日を楽しみにしていた

「あのさ、チャンミン」

「ん?」

「クリスマスイブは店が忙しくて
とてもじゃないけど、会えない」

「うん、知ってるよ、だからその後にって計画してるでしょう?」

「うん、なんかさ、クリスマスが終わったら
バイト先のママ、少し休みとるんだって」

「そうなんだ」

「実家に帰るんだよ。
亡くなった息子さんの命日もあって」

「ふぅん」

「だから、レストランだと高くつくし
俺が何か作ってやるのはどう?」

「え?いいよ!!それがいい!」

「ケーキだけ買ってきてさ」


チャンミンは喜んだ

なかなか2人っきりになる機会がないから
閉めた店内なら、ユノと2人で何も気にせず過ごせる

「そうか?レストランとかの方がいいならそれでもいいけどさ」

「2人っきりになれるほうがいい」

「そう…だよな?」

「ね!じゃあさ、レストランの浮いたお金で
何かお揃いの物を買わない?」

「お揃い?」

「なんでもいいんだけど」

「いいよ、いつも身につけていられるものがいいな」


2人はクリスマスを前に
街へ出て、お揃いで持てるものを探した。

「キーホルダーじゃ、なんかイマイチだなー」

「なぁ、ネックレスとかダメか?」

「え?」

「学校だって、つけてるやつたくさんいるし
シャワー浴びる時も、寝るときもつけられるしさ」

「いいね!」

「それがお揃いだったからって、目立たないだろうし
チャンミンは制服きっちり着てるからわからないだろ」

「うん!それがいい!」


2人で選んだそれは、シンプルなデザインで
でも良くみると繊細な造りのいいものだった。

でも

レストランの浮いたお金じゃ、とても買えない金額だった。

他を探してみたけれど、
やっぱりこのネックレスがいい、という話に落ち着く。

結局、この店に戻ってきてしまった。

「これ、いいのにね」

「ちょっと待ってろ」

ユノが、店員と交渉している

値切れるわけないのに

チャンミンは不安になった

マケてくれない店員に、ユノが怒るのではとハラハラした。

ユノは店員と笑いあって
チャンミンの元へ帰ってきた


「値切ってたの?」

「バーカ、そんな恥ずかしいことするかよ」

「買えないよね、とてもじゃないけど」

「あー、ま、ほかのこと考えよ。
まだクリスマスには少し日があるしさ」

「そうだね」


それから、しばらくして
チャンミンはユノと放課後、なかなか連絡がとれなくなった。

ユノは店が忙しいとしか言ってくれなかった

まさかユノが

あのネックレスの為に

バイトを掛け持ちしてくれてたのを知ったのは
2人のクリスマスだった






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