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プロフィール

百海

Author:百海
百海(ももみ)と申します。ホミンペンです

初恋19



「ずいぶん卑怯じゃないか、ホドン」

チャンミンがホドンを睨みつける


「なんだよ、お前もやるか?」

「悪いけど、僕に付き合ってと言ってきたのはスジンだからね」

「うるせえよ」

「認めたくないだろうけどね、自分の好きな女の子が
転校生にちょっかいだしてたなんてさ」

「てめえ…」

ホドンが怒りに燃えてチャンミンに詰め寄った

海水でビッショリになったユノが、浅瀬から這い上がって、つんのめりながら、ホドンの足首をつかもうとしていた

「ねえ!もうやめてよ!」

スジンもホドンを止めにはいった

チャンミンはホドンにつかみ上げられながらも
スジンを見た

「スジンもさ、こんな風に無条件で好きになってくれる人がいるんだから、もう少し誠実になったら?」

「なっ!何言うのよ」

「それ以上言ってみろ!」

ホドンがチャンミンをさらにつかみ上げる

チャンミンはなぜか全然怖さを感じなかった

「キャプテンだかなんだか知らないけど
本当のこと言われて、言い返せなくて暴力だなんて最低だね」

チャンミンはホドンをにらみ返した

言い返せないホドンのこめかみがヒクヒクと震えている

やっと立ち上がったユノがまたホドンに向かっていった

「てめえ!チャンミンを放せ!」

ホドンがチャンミンを突き放し、今度はユノを両手でつかみ上げる

チャンミンがユノを助けようとホドンに向かっていった

「ユノを離せ!もう一回殴ったら許さない!」


ユノがホドンにつかまれながらも、
やり返そうともがいている


「もうユノを殴るな!!」

チャンミンがホドンの背中にしがみついた

「ユノを殴ったって、スジンはまた他の男とデートするさ。なんにも変わらない!」

「……」

ほんの一瞬、ホドンの動きが止まった


「 君が一番わかっているんでしょう?」


「……」

そして、ホドンは大きくため息をついた

急に態度が変わったホドンは突然ユノを放した


「みんなに何言われてるか…
俺だって知らないわけじゃない」

ホドンが低くつぶやく

「……」

ユノも動きを止めた

チャンミンもなにも言わなくなった

スジンだけがバツ悪そうにモジモジとしている


「それでも、俺にはスジンしかいないんだ」

身体の大きなホドンの苦しそうな声

スジンが上目遣いにホドンを見ている


「スジンが俺一筋でいられないのは
俺がつまらないからだと思う」

「……」

呆気にとられているユノとチャンミン


「ホドン…あたし…」

スジンがいたたまれないような顔で
ホドンを見つめた

「なんて言われても、俺はスジンがいいんだよ」

「ホドン…」


「行こう、花火がはじまるから」

ホドンがスジンの肩を抱いて、花火が上がる方へと歩いて行く

スジンは黙って、そんなホドンについていった
やがて、その大きな肩にコテンと頭を乗せるスジン


その後ろ姿を、ユノとチャンミンはマヌケな顔で見送っていた


「なんなんだよ、バカじゃねぇか、ホドン」

ユノがやっと発した言葉に
チャンミンはハッとした

「ユノ、大丈夫?」

チャンミンが暗闇でよく見えないユノの傷を見ようと
顔を近づけた

ユノの頬は腫れ、口元からは血が出ていた

「うわ、痛そう…」

「こんなのなんでもねぇよ」

ユノの頬に触れようとしたチャンミンの手は
払い除けられた。

「チキショウ!カッコ悪いったらありゃしねぇ」

チャンミンはフッと笑った

「そんなこと…ないよ
ユノ、メチャクチャかっこよかった」

「うそつけ!」

「ほんと」

「ふん」

ユノは口元の血をぬぐった

「僕のために…」

「俺のパンチより、お前の説教の方が効いたな」

ユノはパンチなんて、できてなかったけどね?

チャンミンは笑った


やっぱり

僕は

ユノが好きだ


誰になにを言われてもスジンが好きなホドン

普通じゃないとはわかっていても
やっぱりユノが好きな自分


「ユノ…傷見せて」

「大丈夫だよっ!」

「いいから、歯が折れてるかもしれないよ」


ユノは渋々、チャンミンに口元を見せた。
その視線は横に逸らされて、チャンミンと目を合わせない。

うっすらとした奥二重がとても綺麗なユノ

ユノ…

チャンミンは、その紅く腫れたキズにそっと触れた


まわりには誰もいなかった。

すぐ側で大きな花火が上がっている
地元の花火大会の打ち上げ花火だ


聞こえるのはそんな花火の音と
夜の黒い波が打ち寄せる音

足元では、砂が小さな音を立てて、引潮にのまれる


現実離れした情景だった

チャンミンはそっと、ユノに顔を近づけた

何も…考えたくない

ただ、ユノ、あなたがどうしても好きだ


チャンミンはユノの唇にそっと口づけた


ユノは動けなかった


まさか

チャンミンがまさか…自分から


チャンミンがハッとして、顔を離し
マジマジとユノの顔を見た

ユノもチャンミンを見つめた


「ごめん、なにやってんだろ、僕…」

「……」

チャンミンは慌てて立ち上がった


「花火が始まってるから、
ユノも彼女のところへ行かなきゃね」

チャンミンが寂しそうに微笑んだ

ユノも立ち上がり、真剣な顔でチャンミンを見つめた


遠くで花火があがって、パラパラと火の粉が落ちる音がする

ユノはいきなりチャンミンを抱きしめた

!!!


そして、この間のように襲うようにくちづけてきた


!!

「いってぇー」

ユノはすぐに離れて自分の口元をおさえた


ぷっ


「ユノ…フフッ…」

チャンミンが笑った

「チッキショウ!ホドンのやつ!」

チャンミンは笑いが止まらなかった


「そんなに笑うことねぇだろ」

「ごめん」

そう言いながらも、お腹を抱えて笑う


「チャンミン、おいで、こっち」


ユノが笑うチャンミンの手をとった。

「?」

「一緒に花火みよう」

「彼女は…いいの?」

「俺はチャンミンと花火が見たい」

「……」


2人は手を繋いで、側にあった流木の上に座った

まわりにあるのは海だけ

2人で夜空に上がる花火を見上げた


「俺…チャンミンが好きだ」


ユノが真剣な顔で隣に座るチャンミンを見つめた






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