プロフィール

百海

Author:百海
百海(ももみ)と申します。ホミンペンです

初恋 17



7月の茹だるような暑さの中

チャンミンはひたすら規則正しい生活をして
自分を静かに整えた

煩わしい感情に左右されないよう
1日のやる事を忙しくなるように設定して
それを遂行した。


でも、それは夕方から崩れ始める

夕陽を見れば、なぜかユノに会いたくなり
夜になれば、ユノのことしか考えられなくなる

何も手につかない

夏の夜はどこかチャンミンを切なくさせた。


テホといると、まるで優しいユノといるような気がして
チャンミンは癒された

邪まな感情抜きでユノとこうやって
友達としていられたらいいのに。

そう思うと、チャンミンは泣きそうになる。


スジンとは、連絡がくれば会うという感じだった。
明らかにチャンミンとフィジカルにどうにかなりたい
雰囲気がありありで。

チャンミンは正直、辟易していた。

あのユノとのキスがトラウマで
もう誰ともキスなんて出来ないのではないかと思われた。

トラウマ?

トラウマだろうか。
忘れられない甘い想い出ではないのだろうか…



ユノはユノで、悶々とした気持ちを
ドンへや仲間たちと遊ぶことで紛らわしていた。

ある日、ゲームセンターで大して面白くもないスロットをダラダラとやりながら、ユノはドンヘと時間を持て余していた。

「チャンミン、スジンとうまく行ってんのか?」

「しらねぇ」

「毎日、ユノはチャンミンと会ってるんだろ?
図書館にテホを迎えに」

「行ってねぇよ。7時でも明るいんだ。
大丈夫だろ」

「まあな。オレの彼女から聞いた話だと
スジンは相当入れあげてるって話」

「ふぅん」

「お前も彼女作れ、ユノ」

「なんでそんなこと言うんだよ」

「チャンミンをスジンに取られて
面白くなさそーだからだよ」

「なっ!バカ言うんじゃねぇよ」

「そういえば、ミナがお前の事狙ってるらしいぜ?」

「ああ、何度も呼び出されてるよ」

「彼女にしちゃえば、可愛いじゃん」

「可愛いのは男の前だけだろ」

「みんなそうだよ。女ってそういうところが
可愛いだろ、お前に好かれようとしてるんだぜ」

「そんなもんかね…」


夕暮れのオレンジに染まったチャンミンを思い出す

柔らかくフワフワと笑う姿

そして、あの唇の感触


抑えられなかった自分
抱きしめてキスして、心の奥底からもっともっと…

湧き上がる熱を
抑えることができず、もうチャンミンと2度と一緒にいる事が出来なくなってしまったのではないか。

でも

もし、これで自分に彼女ができたら

チャンミンは安心して、今までのように接してくれるだろうか。

男同士、お互い彼女の相談事なんかに乗ったりして
って、それは正直キツイけれど…

あのキスはちょっとした出来心ってことで
後で笑い話にしてくれないだろうか。


「俺、彼女作るかな。ドンへの言う通り」

「おっ!その気?」

「ああ、今度ミナから連絡あったら遊んでみる」




チャンミンは定例と言えるようなスジンとのデート

映画を観に行った帰り、パスタを食べようという事になった。

「夏休み、みんな何してんだろうな…」

チャンミンはポツリと言った

「臨海学校でみんなに会えるわよ」

「うん」

「あ、そういえば、ユノとミナが付き合いだしたのは
知ってるでしょ?」

「えっ?!」

チャンミンはパスタを絡めたフォークを思わず落としてしまった。

「やだーそんなに動揺することないじゃない。」

「い、いつから付き合ってるの?!」

「先週あたりよ、きっと。
ミナ、ずっとユノのこと狙ってたんだけど
やっと願い叶ったみたい」

「そう…なんだ」

「臨海学校が楽しみだねー♬」

「うん…」


ユノが、誰かと付き合っている

なんにもおかしくない話だ

あれだけモテて、今まで特定の彼女がいなかったほうが
おかしい。

きっと、僕とのキスだって
ちょっとしたイタズラだったんだろう

それを本気にとって引っ叩いたりして、
なんてダサいヤツだと思われただろうか。

そして

ユノはあんなキスを、今度はそのミナって子とするのか

ああやって、きつく抱きしめて

何度も小さくキスをした後に
角度を変えて、襲いかかるようなキスを…

その後は…

ミナって子は、ユノの舌が入ってきたって
僕みたいに叩いたりしないよね

そのまま受け入れて…


そう思ったら、涙が出てきそうになった

「ちょっと、チャンミン、どうしたの?」

「何が?」

「泣いてんの?」

「あ、さっきの映画さ…なんか思い出して」

「やだーもう、ほんとに可愛いんだから」

「……」


そんな風にチャンミンを可愛いだなんだと
大騒ぎしていたスジンなのに…


気がつけば、ここ数日スジンから連絡がないことに気がついたチャンミン

数日たたないと気がつかないくらい
スジンに関心がなかったとも言えた。

僕から連絡するべきなのかな?

そんな風にのんびり考えていたら
それは突然だった


「ごめんねーなんかさー前のカレがさー」

「あのアメフトの?」

「あ、うんうん。なんかー復帰するらしくてさ」

「うん」

「アタシに側にいてほしいとか言うのよ」

「?」

「だから、悪いんだけどおしまいにしていい?」


「わかった、いいよ」

「あーほんと、チャンミンっていい人!
ちょっと惜しいけど、また遊んでね」

「……」


あっさりと、付き合いが終わった
ま、あきらかに、これは恋ではなかった


カンタンに終わって

そして、チャンミンはその事で傷ついたりなんてことは
まったくなかった。

だから、誰かに言うとか、相談するなんていうこともなく、またチャンミンは規則正しく毎日を過ごした。



やがて、臨海学校の日が来た。

同じクラスだから、ユノに会わないわけにはいかない。
彼女を連れたユノに…

それを思うと、正直行きたくなかった


重い足取りで家を出るチャンミンだった





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