プロフィール

百海

Author:百海
百海(ももみ)と申します。ホミンペンです

初恋 14




「は?」

ユノが驚いたようにチャンミンを見る

今日は1学期の終業式

ユノにとっては意味のない通知表を受け取って
今日はテホとチャンミンとゆっくりどこかでご飯でも食べようかとそんな呑気なことを考えていたけれど。


「スジンと今日会うことにした」


いきなりそんなことを口走ったチャンミンに
ユノは開いた口がふさがらない

「な、なんで?」

「この間、キュヒョンにスジンがどの子か教えてもらったら、結構可愛いコだった」

「………」

「会ってみてもいいかなって」


「へえ」

不機嫌そうなその低い声に
チャンミンがちらっとユノを見て、また視線を真っ直ぐに前に戻した。


「お前、女と付き合ったら、テホはどうするんだよ」

「ちゃんと勉強は見るよ」

「じゃあ今日は?今日の勉強は?」

「ユノ、何言ってるの。今日はテホくん、息抜きに友達と出かけるってそう言ってたでしょう」

「そ、そうだっけ?」

「だから、僕は今日スジンと会ってくる」

「……」


少し間をおいて
チャンミンは教室を出て行った。

ユノは黙ってじっとしていた


チャンミンが女の子を可愛いと言った。


それがどうした?
なにも不思議なことなんてない

チャンミンはふつうの高校生男子なんだ。

スジンを見たら可愛いと思うだろうし
そんなコにアプローチされたら、たまらないと思うのが普通の男だ。

だから…

いくらユノがチャンミンをきれいで可愛いと、そう思ってもどうにもならない…

わかっていたばずの、そんな当たり前なことが
自分はまったくわかっていなかったのだ

そのことに今気が付いて

ユノは愕然とした


自分はこんなにチャンミンが好きだったか

女に行かれたら、こんなにショックなほど
チャンミンに惚れてたか。

ユノは誰もいなくなった教室で一人笑った。


自分としたことが、なんてことだ

これじゃまるで失恋ってやつだ。

そんなことあるわけない

そんなバカな話

チャンミンは男なんだぞ?



チャンミンはスジンと向かい合ってカフェで紅茶を飲んでいた

「チャンミン、可愛い、紅茶とクッキーなんて。
キャラを裏切らないよねー」

「そう?どんなキャラ?」

「えーーなんていうかー
とにかくさわやかで可愛いくて、で、カッコイイって噂だよっ」

「ふうん」


ウワサで、僕をいいと思った?


「チャンミンは普段なにしてんの?
勉強たくさんしてんのは知ってるけど」

「うーん」

「女と遊んだりはしてないよね」

「強いて言えば…」

「なになに??」

「ユノの…世話…」

「は?」

「授業中寝てるの起こしたりとか」

「やだーーーウケるんだけどーー」


スジンの高い声が、チャンミンには遠くに聞こえる


可愛らしいスジンを目の前にして
チャンミンはユノのことを考えていた


今頃どうしているのかな…

もうバイトの時間だろうか…


「ねえ」

「え?」

「だからさ、どう?」

「なにが?」

「あたしと付き合うって話!聞いてなかったの?」

「ごめん、聞いてなかった」

「もう、いいわ。そんなとこも可愛いから」

「……」

「ね?付き合おうよ、あたしと」

「僕と付き合いたいの?」

「そうよ!もうメチャクチャ可愛いんだもん」


なんか、よくわからないけど


ユノのところへ戻っても
堂々巡りだ…また苦しくなるだけ

いっそのこと、女のコに溺れてしまうってのはどうだ?
溺れられるかは、なんとも言えないけど


「いいよ。付き合おう」

「ありがと♡」


いい返事がもらえることは予測済み、といった感じの
自信に溢れた笑顔だった


チャンミンはその日、ユノに電話をした。

「チャンミンが電話くれるって珍しいじゃねぇか。
スジンのことか?」

「うん」

「どうだった?可愛いけど中身のない女だろ」


「付き合うことにした」


「え?」


「付き合うことにしたんだ。」


チャンミンの、それはまるで決意表明のような言葉だった。

「………」

「いや、とりあえず、報告っていうか
心配してるかなって、思って…」

「心配なんか、何もしてねぇよ」

「……」

「女が出来たからって、わざわざ報告なんていらねぇよ」

「そう…だよね」

「ま、上手くやんな、おめでとう」

そのまま、チャンミンの返答を待たずに電話は切れた

チャンミンは何か言いかけたけれど
プッツリと切れたそれに

深いため息をついた


ユノにスジンと付き合うと言えば
反対されるとでも思ったのか?

僕は、何を期待していたんだろう






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