プロフィール

百海

Author:百海
百海(ももみ)と申します。ホミンペンです

初恋 12



教室では、ユノが時折じっとチャンミンを見つめて
ふとチャンミンが見ると、サッと視線を逸らすユノ

体育の時間では、ユノが面倒くさそうに、
その割には何をさせてもこなしてしまうその様子に
チャンミンが陰から見惚れている

そんな日々だった。

自分のこの気持ちはなんだろう

チャンミンはいくら自問自答しても
答えが出なくて、少し悩みはじめていた


テホとの図書館の帰り道

どうしてもユノの話が少しは出てしまう

「ヒョンが授業中寝てたら、起こしてほしいんです」

「朝はほとんど寝てるね」

「夜バイトしてるからですよね、困ったな」

「先生もたぶん大目にみてくれてると思う。
授業は僕がフォローしておくよ」

「なんか、兄弟2人、先生の世話になってて」

「いいんだ」

「だけど…」

「いいんだよ、なんか、楽しくて仕方ないんだ」

「先生…」

「気にしないで、どれも僕がやりたくてやってるんだ」

チャンミンは本当に嬉しそうに笑った



翌朝、授業が始まる直前に、ユノはチャンミンに起こされた

「なんだよ、人が気持ちよく寝てんのに」

寝起きのユノはとても機嫌が悪い

「テホくんに頼まれてるんだよ」

「え?」

「授業中、ユノが寝てたら起こしてほしいって」

「はぁ?」

ユノは頭をかいて、大きなあくびをした

「心配してるんだよ、バイトで疲れてるんじゃないかと思って」

「……」

「だから、僕がユノをフォローするって約束したの」

「なんだよ、それ」

「厳しくいくからね」

「心配すんなって言っとけよ」

そう言いながら、ユノはニヤニヤとして
機嫌がよかった。


それから、チャンミンに構われ、叱られながらも
ユノはいちいち嬉しそうだった。


「学食でラーメンばっかり食べてたらダメだよ。
野菜も食べてるかテホくんが心配してるから」

「バイクはヘルメット被らないと、乗っちゃダメだって
テホくんが…」


" テホくんが心配するから "

それはチャンミンにとってありがたい常套句。
これでユノを構うことが許されるのだ。

ユノにとっても、チャンミンが構ってくれる常套句
しかも、うるさがることが絵になる、というオマケつき
ユノの男としてのプライドが保たれる


そして、月曜日となると
ユノはテホを送って行くという名目で図書館に来た。

テホを送って、今度はユノがチャンミンを送るのが、
暗黙の了解になって、それは2人の少しドキドキする時間だった。

「俺たち夫婦みたいだって言われてんのな」

「それって僕が奥さんってこと?」

「そうだろ、どう見ても」

「なんだかなー」

ユノがチラッとチャンミンを盗み見て
その口を尖らせる横顔を可愛いと思った

「俺は…そう言われても、全然いいんだけどさ」

「………」

「夫婦…とか…」

「……」

「ま、チャンミンは、そりゃいやだろうけど…」

「いいよ、別に」

「え」

「夫婦とか、僕がユノの奥さんみたいだとか…
全然いやじゃないから…」


「チャンミン…」

「………」

「………」


「あ、じゃあ、僕はここで帰るね」

「家の前まで送ってくから」

「変なの、彼女じゃないんだから」


「チャンミンが彼女なら…それでもいいよ」


「変だよっ!!そんなの!」

チャンミンが真っ赤になって、
ユノの背中を後ろからバシッと叩いた


「そっか、変だよな、悪い」

ユノが、照れ隠しに咳払いをしてみせた。

「じゃ、俺、ここで帰る」

「う、うん…」


チャンミンを置いて、元来た道を帰って行くユノ

広い肩幅から細い腰に向かってなだらかな線を描いている。
それが長い脚へと続いて
そのバランスの良いスタイルをチャンミンはずっと見つめていた

夕陽がその後ろ姿を照らす

ふいにユノが振り返った


ユノの目に映ったのは
夕陽を背にして柔らかい表情をしているチャンミン

淡い色の髪も夕陽に透けているようだ

オレンジ色のチャンミンが
小さく手を振る

その可愛い口元がそっとバイバイ、と言っている

なぜかユノは泣きそうになって
チャンミンを無視して向き直って歩き出した

それでも、やっぱり振り返ると
オレンジ色のチャンミンは、まだユノを見ていた

ユノは両手で大きく手を振った


「また、明日なーーー!」

大きな声を出したので


側を散歩していた犬がびっくりしてユノを見た


チャンミンはふわりと笑って手を振った


また、明日ね

明日も…会えるね




にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村
検索フォーム
ブロとも申請フォーム