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プロフィール

百海

Author:百海
百海(ももみ)と申します。ホミンペンです

初恋 10



いつもの朝

いつものホームルーム

いつもなら、机に突っ伏して寝ているユノが

今日はちゃんと起きて椅子にまっすぐ座っている

キム先生も珍しそうにユノを見ている

「ユノ、お前って座高が高いね」

クラスがどっと笑う

「どういう意味だよっ」

「いや、いつも寝てるからさ、
座高がわかんなかった」

「ちっ」

隣のチャンミンは動じることなく
もちろん笑うことなく、黙って前を見つめていた

そんなチャンミンを横目で見るユノ

お昼頃になって、
ようやくユノはチャンミンに話しかけた

「なぁ」

「…なに」

「放課後、ちょっといいか?」

「なんで?」

「ちょっと話したいことがあって…」

「…少しなら」

俯いて小さな声で答えるチャンミン

ユノがホッとしてため息をついた


放課後、チャンミンはきちんとカバンを持って
下駄箱にいた

「わりぃな、勉強あんだろ?」

「だから手短に」

「あ、うん…」

ブレザーの袖を捲り上げ、手をポケットに突っ込んで
ユノはチャンミンを屋上に連れていった。

「屋上?入っちゃいけないんでしょ?」

「大丈夫、誰もこないから」

ユノは器用にクリップを解いたハリガネで鍵を開ける

「こんなところで、いつも何やってるの?」

「そりゃ女と…へへっ」

ユノがイタズラっぽく笑う

ふと見ると
チャンミンの顔がこわばっている

「なんか、ここで話すのいやだな」

「冗談だよっ!
あ、お前、そんな想像するなよ」

「し、してないよっ!!!」

「うそうそ、女連れ込んだなんてウソだから」

「どうだか。格好の場所だし」

ユノが鍵を完全に開け、鉄の扉を開けると

そこにはコンクリートの屋上が広がる

真っ青な初夏の空と、コンクリートのグレーが
きれいなコントラストを描いている

「うわー」

チャンミンが青空を見上げた

「いいだろ?ここさ…」

ユノがチャンミンを振り返って
思わず言葉に詰まった


チャンミンが青空に向かって綺麗な笑顔を見せていた

太陽が透き通るような白い肌を輝かせ
淡いクセ毛が風にそよいでいる

大きな瞳が優しく細められ

ユノは心臓が跳ね返るかと思うほど
鼓動が早まった

「………」

チャンミンに見惚れて視線を外せないユノ

それなのに、チャンミンはムッとしてユノを見る

「こんな爽やかな場所で女とって、ほんとに」

「だから!冗談だって!」

ユノは向き直って
チャンミンの正面に真っ直ぐ立った

「?」

「チャンミン」

「なに?」


「昨日は、ごめん」


そう言って、両手を真横に揃え
深く頭を下げた

真摯に詫びようとする気持ちが伝わってきた

「ユノ…」

ユノが顔をあげた

スッキリとした細い顔に、凛々しい顔立ち

その黒い瞳が真っ直ぐにチャンミンを見る


チャンミンは胸がドキリと音を立てた


「俺さ、お前が金持ちのボンボンだって思ってて
なんにも知らないのに酷いこと言って申し訳なかった」

「あ…」

「あんないい本を、テホに貸してくれて…
ありがたいと思ってる。あいつすごく喜んでて」

「それは…いいよ、ほんと」

ユノはもう一度深く頭を下げた

「許してくれ」

チャンミンはあまりに真摯な姿に少し動揺を見せた

「わかったよ…もういいから。
でも、どうして僕が金持ちだなんて」

「そういう風にしか見えないよ、お前。」

「は?」

「イイトコの坊ちゃんって感じだからさ」

「そ、そうかな?」

「それとさ、これからもテホの勉強みてやってくれないか?あいつ、俺と違って頭いいんだよ。
勉強も好きだしさ。アイツはちゃんと大学まで行かせてやりたいんだ。」

テホの事を熱く語るユノは、愛情溢れた兄の顔をしていた。

ほんとうに、テホが可愛くて仕方ないんだろうな。

「わかった。テホくんは頼まれなくても
勉強をみてあげるつもりだったよ」

「え?昨日のことがなくても?」

「テホくんは関係ないじゃないか。
ユノがひとりで興奮してただけ」

「ばっ…そ、そうかもしんないけど…」

「いい弟さんだよね、ほんとにテホ君は
素直でいい子だ」

その言葉にユノが顔を綻ばす

「そうなんだよ、アイツはほんとに可愛い」


2人は柵の淵に腰掛けた


「一緒に住まなくて寂しくないの
親戚と上手くいってないって聞いたけど」

「あーそうだな。
親戚に引き取られた時は、俺はもう反抗期真っ只中だったし、可愛くなんかないだろ。
でも、テホは可愛がられるヤツだから」

「さみしいでしょ?」

「中学ん時からバイトしてんだよ、俺。住み込みで。
高校行かずに稼いで、テホを大学やって、引き取ってって思ってさ。
親父が金少しは残してくれてるし」

「高校行かずに?」

「でも、バイト先のママがさ、あ、スナックの。
高校くらい出てないと、テホの兄として恥ずかしいだろって。たしかにそうかなって思ったんだ」

「そうなんだ…ユノ、いいお兄さんだね」

「俺にはテホしか家族がいないから」

「そうかーいいなぁ、僕は兄弟いないからな」

「チャンミンは親父のこと、覚えてんのか?」

「うん。ずっと入院してたの覚えてる」

「あ…ごめん」

「いいよ。」

「それで、医者になりたいのか?」

「うん…早死にする人がいなくなるように」

「え?」

「人間って、いつかは死ぬけどさ
やっぱり、早く死ぬのはダメだよ」

「そりゃ…そうかもしれないけど」

「残された人が悲しむし、亡くなった人もやりきれないでしょう、早く死ぬってダメだと思うんだ。」

「………」

「だから医者になるんだよ」

「チャンミン、よっぽどさみしい思いをしたんだな」

「そうだね、ユノみたいなヒョンでもいれば別だったかもね」

「チャンミン、俺は…早死になんか、しないぜ?」

「えっ?」


「ずっと生きてるから安心しろ」


「なにそれ、どういう意味?」

「ん…なんか、お前、寂しそうだからさ」

「僕は、べ、別に…」

「なんか、学校や外で困ったことがあったら言えよ」

「え?」

「怖い目にあったりしたら、すぐ俺が駆けつけてやるから」

「そんなこと、あるわけないよ」

「絡まれただろ、いつだったか」

「あ…」

「ああいうことが、あったらさ」

「うん、ありがと」

チャンミンがユノに笑いかけた

眩しそうにユノを見るその瞳

彫りの深い顔立ちが優しげだ


ユノはおもわず目を逸らした。

「ま、キュヒョンたちがいるから、
寂しくないだろうけど…」

「え?」

「いや、なんでもない!
とにかくテホを頼む。必要な物があったら
俺が用意するから」

「わかりました」

フフッとチャンミンが優しく微笑む







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