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プロフィール

百海

Author:百海
百海(ももみ)と申します。ホミンペンです

約束 17




食事が終わって、ユノとチャンミンは部屋に入った

「うわぁ」

チャンミンの瞳が輝く

「スィートってわけにいかなくて、ごめんな」
ユノは後ろからチャンミンを抱きすくめた。

「何言ってるの!この景色!見て!」

チャンミンの笑顔に窓の外の灯りが映り込んで綺麗だ。

窓の外には煌めく夜景が
それこそ、宝石箱をひっくり返したように2人の目に飛び込んでくる。

「ユノ!こんな景色はじめてみた!」

その部屋はユノが予約できるギリギリの高層の部屋だった。

「俺がもっと金持ってたらなぁ、もっと高い部屋予約したんだけど」

ユノは独り言のように呟いていた

「ユノ、こんな景色を見せてくれて、ほんとにありがとう」

チャンミンは振り向いてユノの首に抱きついた

温かいユノ

「いいえ、どういたしまして。
オーディションがんばってな」

ユノはチャンミンの鼻先に小さくキスをした。

「がんばるよっ!」

チャンミンが子供のようにユノに抱きついてはしゃぐ。

「チャンミン、シャワー浴びて」

「もう?」

「俺、襲っちゃいそうだから早く浴びて」

チャンミンがおどけて笑う

「怖いよぉ〜早くシャワー浴びなきゃ」

チャンミンがシャワーに入ると
ユノは窓の外の景色を見た。


その漆黒の瞳が真剣だった


来年のチャンミンの誕生日も2人で祝いたい
その先もずっと2人で祝うんだ

それが叶わないような、そんな恐怖を払いのけるように
ユノは大きく伸びをした。

このところ、ほんとうに忙しかった

ユノはスーツを脱いで、シャツも脱ぎ裸になると
いきなりバスルームに入った

シャンプーをしようとしていたチャンミンが
驚いて振り向いた

「ちょっ!なんでユノ入ってくるの??」

「なんだよ、バスルーム広いからいいじゃん」

「そういう問題じゃないよ」


「シャンプーしてやるから」

「えー」
チャンミンが恥ずかしそうに笑う

「ほら、ちゃんと座り直して
俺の膝に頭あずけて」

「無理だよー」

「バスルームがこれだけ広いんだから大丈夫。
ウチではできないだろ?」

チャンミンは笑いながら、
不安定な格好でユノにひざ枕をしてもらう

ユノはシャワーの温度を確かめると
仰向けになったチャンミンの頭にシャワーをゆっくりとかけていく。

目を閉じているチャンミンが美しすぎる

綺麗な顔立ちに長い睫毛
ピンクの唇

ユノはその顔を眺めながら
チャンミンの髪に指を入れていく

髪の奥までお湯を入れると
チャンミンがニヤニヤしている

「なんか変な気分
ユノが髪を洗ってくれるなんて」

「今日は、バースデースペシャルです」

ユノは手のひらにシャンプーをとると
バスルームにいい香りが広がった。

両手で泡だててから、ゆっくりとチャンミンの髪を洗う

ユノはその可愛い耳元に唇を近づける

「カユイところはございませんかー」

チャンミンがおかしそうにクスクスと笑う。

「全部カユイのでキチンと洗ってください」

「かしこまりました」

ユノの長い指がチャンミンの頭をゆっくりとマッサージする。

「気持ちいいですか?」

「気持ちいいですよ」

チャンミンがふと目を開けた

「あっ!バカ!泡が…」

目に泡が入って
チャンミンはその痛さに起き上がってしまった

「うー痛い」

「当たり前だろ、急に目を開けるから。
見せてごらん」


ユノはチャンミンの顔についた泡をその綺麗な手で
取り除いた

「目を開けられるか?シャワーかけてやる」

チャンミンは涙目になった状態でユノにシャワーをかけてもらった。

「まだ痛いか?」

「うん、痛い」

そう言ってチャンミンは甘えてユノに抱きついた

ユノはシャワーを止めて、チャンミンを抱きしめた

そのお互いの濡れた髪に手をいれて
相手の顔を引き寄せる

自然と重なる唇


それは段々と饒舌になり
相手を貪るように食い尽くす

その心を

その魂を


大きく空いた心の闇に
2人の愛が流れ込むように相手を癒す


ずっと一緒にいるという約束を
決して忘れないで


僕はもうあなたと離れては生きていけない
俺はもうお前なしでは生きられない


貪欲に相手を求める2人の姿は
窓の外の煌めきより輝き
その濃い藍色の夜空より暗い



朝になって、ユノはカーテンを開けた
チョコレート色のフカフカのバスローブが
精悍なユノによく似合う

膝も踵も、骨が突き出ているような
骨太で贅肉の薄い脚

バスローブの下から綺麗に伸びている


ユノは眼下の景色が昨夜のそれとは違って
コンクリートの城壁がいくつも乱立しているように見えると思った。

あの夜景は幻だったのだろうか。


そしてそんなユノの後ろ姿を
同じチョコレート色のバスローブを着たチャンミンがベッドから眺めている

なんて凛々しく、そして切ない後ろ姿なんだろう


強くて、実は繊細なユノ

自分のことより、いつもだれかを優先してしまう。

だけど僕には
少しだけ、本当のユノを見せてくれる
ワガママを言ってくれる

それがたまらなく嬉しい

これからも僕をずっと離さないで
僕がいなければ生きられないようになってほしい

チャンミンはベッドから降りると
外の景色を見下ろすユノに近づく。

そして、その広い背中を後ろから抱きしめた。

ユノはふっと笑って
後ろを振り向いた

「おはようチャンミン」

同じチョコレート色のバスローブを纏った
それはまさに神話に出て来る主人公のように美しい2人

悲しいエンドを迎えるおとぎ話の神のような2人。


明るい朝の日差しが
そんな2人を眩しく照らした





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