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プロフィール

百海

Author:百海
百海(ももみ)と申します。ホミンペンです

大好き 25



2人の吐息だけが響く
狭いユノの部屋

チャンミンは自分が宙に浮いてしまうのでは
という感覚に怯える

それをユノが組み敷いて押さえる

チャンミンが浮いてしまわないように

もうチャンミンが限界にきた頃
ユノが身体を反転させて、チャンミンを腹の上に乗せた。

違った刺激にチャンミンがユノの手を握る

その握る力がチャンミンの悦びを表す

ユノは全力でチャンミンを愛する
高みへ導き、開放してやるのだ
それがユノの悦びだった。

愛することに集中して
満たされた心と身体

「ユノ…」

「なに…」

まだ、ユノの上にいて、息も整わないのに
チャンミンが話しかける

「気持ち良くて死んじゃうかと思った」

ユノは参った、と言わんばかりに
片手で自分の目を覆い、盛大に笑った

「なんでそんなに笑うの…」

「チャンミン…正直だなぁ」

「だって、ほんとにそう思ったんだもん」

「はいはい、それは良かった。
喜んでもらえてなによりです」

ユノは口を尖らずチャンミンの頬をそっと撫でた。

優しく笑うユノをチャンミンはじっと見つめる

「ユノ、ほんとにカッコいいね」

「そう?チャンミンも綺麗だよ」

「そ?だったら他の人には目がいかないね?」

「そうだなぁ、チャンミンより綺麗だっていうやつは
なかなかいないなぁ」

「ダンス教室の生徒さんも?」

「チャンミンより綺麗な生徒はいないなぁ」

ユノは天井を眺めながら、面白がって答える

「そんなことないよ、僕より綺麗な人はたくさんいる」

そう言って、チャンミンはユノの腹から降りようとした
その手をユノが掴んで引き止める

「だけどね、チャンミン」

「?」

「こんなに可愛いやつは、どこにもいないよ」

チャンミンはニコッと嬉しそうに笑った。

「こんなにユノを好きなやつも、いないんだからね?」

「それはどうかなぁー」

「なんでだよっ!」

チャンミンがユノの首を絞めるような素振りをした。

ユノは苦しそうなフリをしながら
再び盛大に笑った


それからしばらくグダグタとしていた2人だったけれど
夕方になって、チャンミンの様子がおかしくなってきた

「顔色が悪いぞ、具合悪いんじゃないのか?」

「喉が痛いと思ってけど、声出しすぎたかなって」

「ちょっ////」

「でも、頭も痛いのと、寒くてしかたない」

「風邪ひいたんじゃないか?」

ユノがチャンミンのおでこに手を当てると
すごい熱だ。

「お前、熱あるよ。医者行ったほうがいい。
今日は休みだから、少し大きな病院に行こう」

病院?

どうしよう

僕の体って、お医者さんに見せてなにか不都合ないかな?

シウミン先生に聞かなきゃ

できたら、シウミン先生にみてもらいたいな
ダメかな

チャンミンはフラフラとしながら
玄関に出ようとした。

「チャンミン!どこに行くんだよ!」

「ちょっと、人に会いに…」

「人って?そんな身体で誰に会うんだよ!」

「お医者さんに…行く…」

「だから、今日はどこも休みだからさ…
大きな病院に今連れてってやるから。
車をここまで持ってくるから待ってて」

「いや、大丈夫だから…」

チャンミンはユノの制する手を押しのけて
靴を履こうとする

「チャンミン!」

ユノはチャンミンの両肩を掴んだ

「なんでそんな無茶言うんだよ、どうしたの?」

「これには事情があって…」

「事情?」

「うん…なんていうか…その…」

「記憶喪失の事を聞かれたりするのがいやなのか?」

「そうだね、そう、そういうことだから…」

チャンミンは適当にユノの話に乗って答えた

その言葉にユノがムッとした。

「いいから、ここに座ってて」

チャンミンは玄関からソファに引きずり戻されそうになる。

「あ、ユノ、違うんだって…行きたいところがあるから」

「行きたいところ?行きたい病院?」

「そう…」

ユノが怪訝な顔をした。

かかりつけだった病院か何かを覚えているのか?
どういうことだ。

チャンミンが自分に話してないことがある。

それはユノにとって、受け入れがたい事だ。

それでも辛そうなチャンミンの様子に
その頑なな意志に

とりあえず、楽にさせたいとユノは思い
チャンミンが行きたいところに連れて行こうとした。

それなのに…

「1人で行くから」

「は?そんなフラフラしてるのに?」

「…大丈夫…」

「なんなんだよ…いいから車に乗って、
行きたいところに連れて行ってやるから」

チャンミンはあまりに身体が辛くて
とりあえずユノに従うしかなかった


この時、そんなに心配せず
暖かくして寝ていればよかったのかもしれない

それで楽になれば、よかったのかもしれない

でも、人間になって初めての体調不良に
過度に不安になってしまったチャンミンは

この時、そうするしかなかった


ユノの車に乗ったチャンミンはグッタリとしていた。

ユノはチャンミンに対する疑念をなんとか押し殺した
今はそのことは考えまい
とりあえずチャンミンを楽にさせないと。

ユノは険しい顔をしていた

「で?どこに行きたいの?」

「シウミン先生のところ…」

「シウミン先生?どこ?」

「ペットの…」

「あ…」


そこで、ユノの記憶がひとつに繋がった…

前にチャンミンがカフェで一緒だった男

どこかで見たことがあると思ったけど
ペットクリニックの先生か。

前に一度だけ、仔猫のチャンミンを連れて行ったことがある…

料理の先生だと…チャンミンが嘘をついたのか…

「…あの先生に…会いたいの?」

「…あの先生?」

「カフェにいた料理の先生…」

「あ……」

しまった…

あの時、咄嗟に料理の先生だと言ってしまった…

ユノは仔猫だった僕とあのクリニックに行っていたから
シウミン先生を知っていたんだ…


「ごめん…ユノ…なにも聞かないで」

「………」

ユノは黙って車を出した

「チャンミン」

「…なに?」

「さっきの取り消し」

「さっきのって?」

「お前は正直だなって、話」

「ユノ…」

「………」

「ごめん…なにも聞かないで…」

「聞かないよ」

そう言うと、ユノの口元は真一文字に引き結ばれた

その冷たい横顔

その横顔を眺めながら

チャンミンの心には深い悲しみが広がっていった





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