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プロフィール

百海

Author:百海
百海(ももみ)と申します。ホミンペンです

カナヅチの島(8)




大きな音でバタンと木のドアが開き

寝ていたジョンはびっくりして顔をあげた

もつれ合うようにして入ってきたのは
ユノとチャンミンだった。

それを見たジョンは、安心したようにまた眠りに入った。

怖い思いをしたチャンミンに優しくしなければと
ユノは気遣いをしたいのに

ユノのシャツを引き裂きそうに脱がそうとするチャンミンに翻弄されている始末

くちづけて、唇を離して見つめ合い
そしてまた激しくくちづける…

さっきから何十回とそんなことを繰り返して

やっと家までたどりついた

もつれあって転がるようにベッドへと倒れこみそうになるのを

ユノがなんとか制した

「シャワー浴びよう、な?」

「じゃあ一緒に、ね?」


なんて可愛いことを言うんだろう

ユノの中に抑えようのない熱が生まれる

服を脱ぐ時間も惜しい

全裸でシャワー室に入っても
2人のくちづけはとまらない

チャンミンはすべてにおいてコントロール不能だった。

熱いくちづけ

滑らかな肌

巧みなユノの舌

唇を離せば、その切れ長の瞳に射るように見つめられる

なんてセクシーなユノ


その形のいい顎のラインから
長い首へとそっと指を這わしてみる

ユノの瞳は熱く、そして真剣だ。

シャワーから出て、体を拭くのもそこそこに
ベッドへともつれこんだ

お互いにこれ以上ないくらい
限界を迎えていた

荒い息づかいの中でなんとか声を出して見た

「ねぇ、ユノ…」

「なんだ…」

掠れた低い声がセクシーすぎてたまらない

「ユノ、大好き」

「……」

全ての動きが一瞬止まったかに思えて

そしてすべてにスイッチが入った

止まらないユノと
逃さないチャンミン

開けたバルコニーからいい風が入ってくる

聞こえるのは2人の艶かしい声と
波の音だけだった。



ぐっすりと眠るチャンミンにジョンが尻尾を振って近づく。

顔を舐め回して起こそうとするのだろう

「ジョン、だめ」

キッチンからユノが低く小さな声でジョンを制した。

ジョンはそれならばと、ユノに飛びかかる
ユノは舐められ、甘噛みされ、しかたなく構ってやる。

「今朝はチャンミンがいて、お前もうれしいか」

ハァハァと舌を伸ばしてユノに甘えるジョン

「俺もうれしいよ」


大きなベッドの上でチャンミンが寝返りを打った

そろそろ起きるだろうか。

ユノはパソコン机の上にコーヒーと簡単な朝食を用意した。

迷彩のトランクスを履いただけのユノが
ベッドに近づき、寝ているチャンミンを見下ろした

薄っすらと口を開けた、見ようによっては
マヌケな顔。

韓国人ばなれした彫りの深い顔立ち
長い睫毛が少しカールしている

丸くてピカピカしているその頬にそっと触れてみると、

「うーん…」

そう呻いて、チャンミンが目を開けた

「おはよ、チャンミン」

寝ぼけ眼でユノを見ながら、
チャンミンはクスクスと笑い始めた

「なんだよ」

「だって…こんな風に目が覚めたらユノがいるなんて」

「いたらなに?」

ユノはベッドに腰掛けて、チャンミンの柔らかい髪を撫でる

「へへっ」

くすぐったそうに笑うチャンミンが可愛い

ユノはその前髪をかきあげて
綺麗な額にキスをした。


「くすぐったいなぁ」

額から続いて、こめかみ、目尻とキスを落としていく

そのまま首筋までキスしていくと
チャンミンが熱く震えるため息をつく

また始まってしまう

あんなに求めあって

チャンミンは今日歩けるかどうかっていうのに。


「朝ごはんだよ、起きれるか?」

「うん」

2人でコーヒーを飲んでたわいない話をした。

「ユノはテレビを持ってないの?」

「ないよ、観ないから」

「ふぅん」

「新聞もない」


「今日は仕事?」

「ああ、仕事。適当に好きな時に帰ってて。
鍵はかけなくていいから」


「うん…」

「なに?どうした?」


「帰りたくないかなーなんてさ」


「……」

「なーんて」


「あのね、チャンミン」

「はい」

チャンミンは姿勢を正した。


「グイグイ来るね。
俺、お前が思ってるより真面目なんだよ」

「はい」

バツが悪そうに俯くチャンミン。

だから、弄ぶようなことはやめろ、と

ユノはそう言っているのだろうか。

きっとそう言っていたはずなのに
どうして僕はなんにもわかっていなかったんだろう

それまでの人生をいかに適当に過ごしていたか

僕はなんにもわかっていなかった。


「バルコニー行っていい?」

「ああ、いいよ。
良かったら水まいてくれよ」

「そんなことしていいの?」

「いいよ?どうして?」

「だって、ユノはプロだし。
あんなに綺麗に植物を植えてるのに僕なんてさ」

「誰でもできるよ、水まきくらい。
それにここの花は仕事のじゃないから」

「じゃあ、やってみる!」


ユノは水道にシャワーノズルのついたホースを持たせてくれた。

バルコニーには一面の色とりどりの花。

チャンミンはほとばしるシャワーの水に驚いて後ずさった。

空に飛び散った水滴が青空に光って
小さな虹を作る

「ユノ!みて!虹!」

「そんなに勢いつけたらダメだ」

シャワーをユノに奪われて
水のまき方を教わる。

「こうやって、根元に、葉にも少し。
あんまり花にかけないで」

「なんだ、やっぱり適当じゃダメじゃないか」

「すぐ覚えるよ、ほら」

シャワーをチャンミンに持たせて
ユノが後ろから抱きかかえるように
シャワーに手を添える

「こうやって」

「…」

ユノの目の前にあるチャンミンのうなじが
陽にあたって産毛が金色に輝いてる

そこにそっとキスをすると
チャンミンの肩がヒクッと震えた

「……」

そのまま動かないのをいいことに
ユノはうなじにキスをいくつも落とした

たまらなくなったチャンミンがホースを投げ捨て
いきなり振り向いてユノにくちづけた


可愛いのに大胆で、意地っ張りなのに素直

チャンミンのキスを受け止めながら

ユノは久しぶりに、心が捉われるのを感じた


くちづけあう2人の後ろで
ホースから飛び出す水が噴水のように輝き
夏の太陽に綺麗な虹を作っていた





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