fc2ブログ
プロフィール

百海

Author:百海
百海(ももみ)と申します。ホミンペンです

僕の太陽(1)

〜〜チャンミンside〜〜




ひまわり学園高校の放課後

授業の終わった生徒達が、それぞれの部活動へと勤む時間

どのクラブも新入学生を迎えて、始動したばかり。

僕が顧問をする英会話クラブも
今日が初日だった。

「このクラブの趣旨は今説明した通りです。
これから1年間、授業とは違う感覚で
楽しく英会話を身につけていきましょう」

やたらと盛大な拍手の後、
僕と入れ替わって
部長のミンジが挨拶をした。

「今回の入部にあたり、実はこのクラブは定員の5倍の入部希望者がありました。」

え?そうなのか?

「なので、こちらで英語力などのテストをさせていただき、ある程度人数を絞らせていただきました。

こんなに入部希望者が多いのは、
ひとえに、シム先生との接触を希望する生徒が多いからだと思われます」

「ちょ、ちょっとミンジ…
そんな憶測だけで決めつけるのは間違っています」

「は?シム先生?
このひまわり学園は共学なのに、このクラブ
9割女子じゃないですか。
そこのところは認めていただかないと
話が前に進みません」

「話が前にって…何の話ですか」

「抜けがけしないためのいろいろなルールの話ですよ」

僕はため息をついた。。。

「部長の君からそんなくだらない話が出るのは
どうかと思いますよ。
ほら、男子部員が恐縮しているじゃないですか」

「男子なんて、ミノ君とスホ君の2人だけですよ?」

「2人もいるじゃないですか。
話題を変えて、このクラブに入った動機と
抱負をひとりずつ話してみてください。ね?」


僕が「動機と抱負」なんて言ったから…いけなかったのか。

「シム先生といろんなおしゃべりがしたいです!」

「シム先生から手取り足取り、教えていただきたいです!」

「私はシム先生から名前を覚えてもらいたくって
このクラブに入りましたっ♫」

なにかこう、恥ずかしいとか、そういう感情を持ち合わせていないんだな、女子高生って。。

残念ながら、女子高生には…
いや、ひいては女性全般に興味がないんだ。

僕はそう、女性を愛せない性癖の持ち主。
もちろん、生徒たちは知らない。

そんな僕は…

「きゃー!みてみて!窓の外!」

あ…

この教室の窓の下は水道が5つほどならぶ手洗い場になっている

だいたいこの時間になると、校庭で練習しているサッカー部が休憩で水を飲みに来る

ワイワイガヤガヤと、かなりうるさい。

「キャ〜!チョン先生よ」


そう、保健体育のチョン・ユンホ先生
サッカー部の顧問

180を越える長身とバランスのいい筋肉質な体、男らしくて端正な顔立ち
リーダーシップのあるサッパリとした性格で
男女問わず大人気の先生だ

今日もサッカー部員達とひとしきりゲームをして、
顔を洗いに水道までみんなで来たようだ。

チョン先生はいきなり、トレーニングシャツを脱いで上半身ハダカになって、シャツを水道で洗い出した。

そこに部員たちが水をかけあって、ふざけあっている。


「きゃー!カッコいい!鍛えられた胸筋がたまんない!」
女子生徒たちが騒ぎ出した

「シム先生に教えてもらいながら、チョン先生の肉体美を堪能できるなんて!
やっぱりこのクラブ最高!」

はあ・・・

僕は窓を開けて、サッカー部員達を一瞥した後

「すいません、チョン先生」

「ふえ?」

シャツに続いて顔を洗っていたチョン先生が間抜けな声を出した

「今、この時間、この教室にはたくさんの女子生徒が勉強しているんです
そういう風に、裸になったりすることは慎んでいただけませんか?」

「あ、すみません・・・」

「昨年度の活動から言ってますよね、僕。
あれですか?ご自分の自慢の裸を披露なさりたいとか?」

「いや、自慢というほどではないですよ」

そこ?

「いや~自慢自慢♪」
ゲラゲラとサッカー部員達が笑った

「君たちももっと考えて行動できませんか?
ここで騒いだら、この教室に響くかどうかくらいわかりませんか?」

僕のイライラが止まらない・・・

「あ、ほんとにすみませんでした。
もう僕も脱ぎませんし、こいつらも静かにさせます」

すっきりとしたきれいな顎のラインと、すっと通った鼻筋、切れ長の黒い瞳に男らしくバランスの良い眉

真面目に答えるチョン先生のイケメンぶりに
女子生徒達のため息が聞こえる

「はあ~ほんっとカッコイイ、チョン先生・・・」

「ジャージ着てるのに、エロいってどういうことなの・・・」

「二の腕見た?すごい筋肉」

「あの胸に抱きしめられたい!」


そうそう・・・ジャージなのにあんなにエロくって

本当にカッコイイ、チョン先生・・・


ひそかに僕が思いを寄せる・・チョン先生


「でもさ~婚約者いるんだよね~~」
「そうそう・・・残念だなあ」

残念ですよね、本当に・・・

どのみち僕は片想いだから、いいんだけど・・・ 


心の中ではユノ先生と呼んでいる
仲の良い教師たちはユノ、と呼んでいるから。

僕は一生呼べないだろうけどね

そんなユノ先生への思いが溢れると
かなりキツイ態度をとってしまうという、天の邪鬼で最悪な自分。

たぶん自己防衛ってやつなのかな?

これ以上好きにならないようにするための
僕の制御システムなんだろうな。


僕が新任教師として3年前にここに赴任してきた時
その上半身裸でシャツをじゃぶじゃぶと洗う姿に心惹かれ、

PTA総会でビシッとスーツを着ている姿に完落ちしてしまった

そのギャップが凄すぎて・・・

完全なノンケであるユノ先生を好きになるのはツライとわかっていても
心はそう簡単にコントロールできるものでもない

僕は付き合っていた彼ともうまくいかなくなってしまい
この片想い生活が続いている

ただこの気持ちを抑えようとすればするほど
キツイ態度にでてしまい、

ため息の毎日が続いている







にほんブログ村

COMMENT

ノ@@@@マさま

ご訪問とコメントありがとうございます。
泣いていただいたなんて、感無量です。
ブログにしてよかったです。
今度のお話は少しラブコメチックで、雰囲気変えてみました。
楽しんでいただけると嬉しいです。
また遊びにきてくださいね、


No title

ニヤニヤしながらじっくり再読しています!あああ面白い!!!

EDIT COMMENT

非公開コメント

検索フォーム
ブロとも申請フォーム