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プロフィール

百海

Author:百海
百海(ももみ)と申します。ホミンペンです

続・ひだまりの匂い(10)

〜〜ホジンside〜〜




誰もいない閉店した店内

ユノさんは上得意のお客さんのところへ
頼まれて直接チキンを届けにいっている


客は、完全にユノさん目当てだろう


あんなにカッコいいユノさんが
自分の為にチキンを届けてくれるなら
誰だって余計にお金を払うに決まってる


僕はフロアのモップ掛けをする。


昨夜は大変だった

あのスヒョクさんとチャンミンさんが
キスしていた

あれは事故だったんだろう

チャンミンさんに後ろめたさは
感じられなかったし


でも、ユノさんは怒った
ジイちゃんのところに来て、脅しをかけていた
あのユノさんとは全然違った

本気のユノさんだった…


ユノさんが、チャンミンさんを見つめるのを
僕はいつも横から見ていた

ユノさんは愛おしそうに
可愛くてたまらないといった風に、チャンミンさんを優しく見つめる


チャンミンさんが入院している間
施設でリハビリをしている間

ユノさんはすべての思いを封じ込めて
仕事をがんばっていた。

僕はそんなユノさんをずっと見てきた


チャンミンさんが施設に入った晩のこと

僕は事務所に携帯を忘れたことに気づいて
店に戻ると

事務所のドアが開いていて

中から低い嗚咽のような声が聞こえた

なんだろう?
少し怖くなって中を覗くと


ユノさんが壁にもたれかかってひとり泣いていた

その大きくて綺麗な手で顔を覆うと
小さなユノさんの顔は片手だけでほとんど
隠れてしまう

もう片方の手には、なにやらノートの切れ端のようなものを持っていた。

なにが書いてあるのかはわからないけれど

ユノさんはそれを見つめて、また泣いてしまう


僕は衝撃だった。


あの強いユノさんが
どうしようもなく泣いている

駆け寄って、抱きしめてあげたかった

でも


僕はチャンミンさんではなかった


ユノさんは僕に抱きしめられても
嬉しくなんかない

ユノさんを心底笑顔にできるのは
あのヒトだけなんだ…

気づいてるのだろうか
自分がどれだけ稀有な存在なのか

ユノさんから本気で愛されるなんて
そんな奇跡…

僕だったら…
僕がそんな存在だったら

他のヤツにキスされるなんて
そんな隙をみせたりしない


ユノさんの表情を曇らせるなんて
そんなこと絶対にしない…



ドアの鍵をガタガタと開ける音がして
ユノさんがトレイや他の荷物を持って帰ってきた


「ホジンまだいたのか?もう帰っていいのに」

優しさから言ってくれるその言葉が
なぜか悲しい

帰っていいのに…って。

「大丈夫ですよ」

「今度こそ大学受からないとな
俺、お前のジイさんに顔向けできないよ」

「あのギャンブル爺ちゃんこそ
ユノさんに顔向けできませんよ」

アハハハ…
とユノさんは可笑しそうに笑った


「ホジン、それでもさ…」

「はい?」

「今度はマジで合格しろ、な?」

ユノさん…

ユノさんは僕に背を向ける格好で
持ってきたものを棚にひとつずつ収めていた

動くたびに盛り上がる筋肉

広い背中…

ガッシリとしたその後ろ姿が
ユノさんの「男」を物語っている


僕は本当に衝動的に


その背中に抱きついてしまった


後先なんて…考えなかった…


「おっと…」
不意打ちをくらって少しよろめくユノさん


「ホジン?」

作業をしていたユノさんがその動きを止めた


「ユノさん…」

「ん?」

「ちょっとだけでいいから
こうしてていいですか?
ほんの少しだけ…」


ユノさんはフッと微笑んで
その腰に回した僕の腕を優しく解き
僕の方へ向き直った


やっぱり抱きつくなんて
許されないんだ

そう思った僕の身体を

ユノさんがぎゅーっと抱きしめた

僕は突然のことに
すべての思考回路がストップした


「ホジン…つらいのか?」

「………」

つらいですよ…つらすぎて、もう泣きそう…


「大変かもしれないけどさ
今やってることはお前の未来のためだ」

「………」

「金稼ぎながら勉強するなんて
誰もができることじゃない。つらくて当然だ。」


「………」


「誰も見てないから、少し泣いていいぞ」

ユノさんは僕の頭をなで

もう片方の手で背中をトントンとしてくれている


温かい胸…夢にまでみたユノさんのハグ

それはほんの弟に対する行動だけれども

もう少しだけ…このままで



翌朝、出勤すると
すぐ後にユノさんとチャンミンさんが出勤してきた

一緒に住んでいる2人
そんなのわかってる…でも、やっぱり胸が痛い


ユノさんが事務所に入ると、

僕はチャンミンさんのところに言って挨拶した。


「おはようございます」

「あ、ホジン君おはようございます」


「昨夜は遅くなっちゃって
ユノさんに送ってもらっちゃったので
帰りが遅かったでしょう。すみませんでした」

「ああ、聞いてます、大丈夫ですよ」

「なんで遅くなったかは聞いてます?」

僕は意地悪だ…

「え?」

「あ、聞いてなければいいんです…すみません」

意地悪がとまらない….

こんなこと言いたくないのに…


チャンミンさんは一瞬怪訝な表情になったけれど
すぐに破顔して、独特の可愛い笑顔になった

「ユノさん、心配してましたよ
ホジン君のこと」


「えっ?!」

ドキッとした


「受験勉強と仕事の両立が上手くいってるのかどうか、心配してました」

あ…

「応援してますよ、大変だろうけれど。
僕たちはホジン君を応援してます」

心が痛かった

なんでも話すんだね…
当たり前か

それとも

これはチャンミンさんの牽制?

あくまでも「僕たち」という名の一人称


その言葉は僕を打ちのめすには
十分な破壊力があった…



いつもの店の、いつもの忙しさがあって

午後になり、チャンミンさんは帰って行った


途中まで送りたがるユノさんと
それをなんとか制するチャンミンさん

そんな2人の攻防戦はよく考えればいつものこと。


夕方前の少し空いた時間


「ホジン、出来たぞ、食べちゃえ」

ユノさんが賄い飯を作ってくれて
僕は厨房へ行った


作業台に向かうユノさんの背中

昨夜は思わずこの背中に抱きついてしまった


ふと厨房を見渡すと

シンクには、チャンミンさんがユノさんの為に作ったお弁当の空容器

その隣にキレイに畳まれたギンガムチェックのナプキン

僕の足元には、たくさんの有機野菜がダンボールに入っている

これはユノさんがチャンミンさんのために
特別に仕入れてるもの。

コンロの側には
配達されたばかりの新しいガスバーナー

「超軽量」と書かれているそれは
ブリュレの焼き付けをはじめたチャンミンさんのために
ユノさんが質の良いものに買い換えたのだろう


気づけばどこもかしこも

ユノさんとチャンミンさんの愛で溢れていて

息苦しいくらいだ。


僕は…自分で自分のことが
可笑しくなった

なにやってんだか、僕は…


こんなにも、2人は愛し合ってるのだ


僕の意地悪なんて
チャンミンさんには、蚊に刺されたほどでもない

僕の入る隙間なんて1mmもないじゃないか


抱きついたら、思わず抱きしめ返してもらえて

僕はなにか勘違いをしてしまったのかな



そこへスヒョクさんが書類を届けに来た

僕は軽く睨む

スヒョクさんはそんな事、お構い無しで
ユノさんもこの間のことは忘れたようで
2人で談笑している


なんだよ、スヒョクさん…

ユノさんのことが好きなくせに

そんなスヒョクさんも、僕と同じように胸が苦しいのかもしれない


スヒョクさんが僕に気づいてやってきた

「せっかくの賄い食べないのか?」

「あ…食べます…」

スヒョクさんは優しい瞳で僕を見つめた


「大丈夫?」

「なにがですか?」

「1日中、ユンホの側にいて大丈夫?」

「言ってる意味がよくわからないです」


「俺はたまにどうしようもなくなる」

「………」

「自分で自分の気持ちを認めるんだよ」

スヒョクさんの言葉に涙がでそうだった

「そして耐えてる自分を褒めてやれ」




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COMMENT

ああああヽ(´o`;

あんにょん。
切ないですね〜。ボジン君やスヒョクさんの想いの深さにため息ですね。そして、なによりユノさんがチャミを心から大切にしているのが沁みます。

No title

ホジン君が何者だか忘れていました(^_^)a
あのギャンブル爺さんの孫でしたね〜

ホジン君の目に映るユノのチャミへの心配り。。。彼には切ないけど、私にはウハウハです(≧∇≦)
ユノの心の風邪を早めに治して頂き、ユノとチャミに幸せ輝くピンク色を纏って欲しいな〜〜(^.^)です。

3文字、、、

ここ数日、読者が強く思っているユノさんに関する3文字。それは甘塩っぱいタレの団子の名前の様な…。◯ラ○ (not アラシ)www. あぁ〜喉渇くわ〜(爆)))‼︎

なんか切ないですねっ……。゚(゚´Д`゚)゚。

なんかねっ……
なんか ホジン君もスヒョクさんも
報われない恋をして 切ないですねっ。゚(゚´Д`゚)゚。
最初はスヒョクさんもホジン君も
ユノさん狙ってて ほんとに
嫌いで……((ノ`Д´)ノ<嫌

何なんですか?ユノさんって?
女意外に男まで惑わす天然たらしって??( ̄□ ̄;)!!
モテモテじゃあないですか!!( ✧Д✧) カッ!!
本人は無自覚だから困ったちゃんですよね( ̄∀ ̄;)

でもふたりが横から入って来ようとしても
あたしが 邪魔するからねっ( ✧Д✧) カッ!!( ✧Д✧) カッ!!
ユノとチャンミンの中に
入ってくる奴は許さーん(#゚Д゚)ゴルァ!!(ะ`♔´ะ) ガルルル

百海さん やっとやっと
スタポのユノさんのレシピゲットしました(๑•̀ㅂ•́)و✧
もぉ〜ユノとチャンミンのレシピに
20ジェム位費やしましたよ(´;ω;`)ウッ…
東方神起恐るべし!!((ノ`Д´)ノ<嫌ぁぁぁぁぁ

こんにちは(*^^*)

一気に読んできましたo(`・ω´・+o) ドヤァ…!

あー…ボジン君とスヒョクさん、2人は意地悪したりするけど、どっちもユノのこと好きで堪らない2人なんですよね(´•̥̥̥ω•̥̥̥`)。辛いわぁ〜…あたしも辛いわぁ〜( ´༎ຶㅂ༎ຶ`)

あのね、あのね、百海さん、チャンミンとスヒョクさんの事故キスの時、ユノが怒りを爆発させる前…ユノの妙〜な冷静さにあお〜い炎が見えたんですよ( ゚д゚) こわっ∑(゚Д゚)て思いました…( ̄▽ ̄)

と、キュヒョン映画観てきました〜(♡ >ω< ♡)
キュヒョン演技上手でした〜(๑′ᴗ‵๑)
何回かうるっ(இoஇ; ) ときたんですけど、友達は「えっ?そんな場面あった?」って…おかしいなぁーー(−_−;)あったんですよ!ほんとに!

ic@@さま

あーー💦

そうなんです💦

誰も悪くないんです

ユノさんを好きなだけ

michiponさま

コメントありがとうございます

2人ともガツガツいかないところが
なんとも悲しいというか

いじらしいというか。

ユノさんは何も考えず
スキンシップしてきそうですよね
リアルでも。

それってとっても罪だと思うのです

taitaipさま

コメントありがとうございます

ウハウハでしたか?💕

チャンミン愛されすぎですね
溺愛、なんてものじゃありません

だからこそ
心に風邪ひいてしまったのだと思います(T ^ T)

ジェイソンさま

コメントありがとうございます

そうなんです。
◯ら◯ですね

それって無意識にやるほど
罪深くないでしょうか(~_~;)

くみちゃんさま

コメントありがとうございます

ほんとに困ったユノさんですね

無自覚ほど罪深いのに

そんなユノさんに溺愛される
ミンも無自覚っぼくて

レシピじぇんぶ揃いましたか?!

腸とかってなんなのでしょうー
やっぱりもつ鍋???

ゆ@さま

コメントありがとうございます

こちらこそいつも読んでいただいて
コメントくださって

ほんとにありがとうです✨

ユノさんのチャンミンを思う気持ちは
少しパパが入ってますけど

とにかく、
もうチャンミンを失いそうな
あんな状況はイヤなのですね(T ^ T)

@@大好きさま

コメントありがとうございます

キャラがどんどん変わる@@大好きさま
楽しすぎる

ブチョーっぽいかと思えば
セレブオクサマだったり
最後は年貢を納める農家のヒト笑

ユノさんの溺愛ぶりを
これだけ見せられたら
フツーはあきらめます

カプリコさま

コメントありがとうございます

一気に読んでいただいたのですね♫

ギュって演技上手そう

前にバラエティでも上手だったし

でも映画切なそうですね
恋をすると死んじゃうの?!

好みな展開かもしれません^ ^

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