FC2ブログ
プロフィール

百海

Author:百海
百海(ももみ)と申します。ホミンペンです

籠の鳥(37)

〜〜ユノside〜〜



俺はそれから、
3回ほどチャンミンに会えた

チャンミンはいつでも会えるわけではなく

俺はいろいろあるからカン刑事が一緒じゃないと
面会に行かれない

結果、俺が都合をつけないと
チャンミンに会いに行かれない


俺は皿洗いの仕事をサボるようになり
店長から呼ばれて説教をされたりしていた

俺みたいにワケありの人間ばかりが
働くこの店で

店長は割とよくしてくれていたのに
俺はその信用もなくしそうだった。

金がないワケではない。

ただすでに死亡したことになっている俺は
もうこれ以上稼ぐことができない。

できれば、生活する金くらいは
稼ぎたかった

今のところ、唯一稼げる場所だった。


3度目の面会にもなると

チャンミンはもう泣くようなこともなくなり

面会室に入ってくると
ニッコリと笑うようになって

たった10分ほどだと言っても

こんなにしょっ中会えるなら
満足だと思うようになった。


それにチャンミンも笑顔を見せてくれるようになった


その帰り、俺はカン刑事と飯を食っていた


「お前、仕事はいいのか?」

「いいんだよ、俺1人いなくったって
どうにでもなるさ」

「店にはなんて言って出てきてるんだ?」

「腹が痛ぇって言ってる」

「サボりじゃないか」

「いいんだって」


親父気分か?

でも、それがそんなに悪い気分ではないことに
自分でも軽く驚く


「………チャンミンはどうだった?」


「字も勉強してるし
何か習い事みたいのがはじまったらしい。
なんだかんだ言って結構楽しそうだ」


「楽しそう?」


「テレビも見れるし
慰問が来たりするらしい」


「それは…チャンミンが言ったのか?」


「いや、テレビが見れるのはネットで見た。
さっき、掲示板みたいなのがあって
そこに慰問がどうとかって書いてあった」

「…………」


「楽しそうだよな。
俺なんて、朝から晩まで皿洗いでさ
こっちの方がムショみたい………」

突然


俺は前が見えなくなった


目の前のカン刑事に
水をぶっかけられたことに

すぐには気づかなかった


「なっ…」

「バカ野郎!」


まわりの客が一斉にこっちをみた。


「なんだよ!」


カン刑事は姿勢を低くして
絞り出すように声をだした


「チャンミンが楽しそうだと?」

「…………」

「チャンミンは今、独房だ」

「………」

「テレビや慰問なんて見られない」

「あ…」


「危険なんだよ、パク・ギョンスを殺ったんだから
いろんな意味でムショでは注目の的なんだ」

「そんな危険はないって言ったろ?!」

「最善を尽くしてるだろ
その為の独房だ」

「そんな…話がちがうじゃねぇか」

「じゃあお前はチャンミンを守りきれるか?このシャバで。
自首の前にあんなことがあったばかりじゃないか」


「…………」


「チャンミンは無理して笑ってんだ
そんなこともわからないのか」

「無理して?」

「寂しくて怖くて…最初の頃に言ってたのが
本音だよ。
教育がはじまったら、自分の罪と真っ向から立ち向かわなきゃなんない

精神的にもきついはずだ。

それを楽しそうだなんて、
お前の皿洗いとは比べものになんないんだよ。

お前、初めの頃の、自分もチャンミンと懲役くらうぐらいの勢いはどうした?

事態はなんにも変わっちゃいないんだ」


「…………」


「チャンミンの胸に貼ってはる札を見たか?」

「囚人番号か?」


「お前のいないところで
チャンミンは番号で呼ばれてるんだ」

「………」


「それなのに、お前はなんだ
こんなのはおかしいっていってたくせに
仕事サボりやがって」

「そうしないと、会えない…」


俺の前髪から、ぶっかけられた水が水滴になって
テーブルに落ちていく


「お前、チャンミンが出所したらどうするんだ?
チャンミンにおんぶに抱っこか?
チャンミンに生活させてもらうんでいいのか」

「そりゃ、俺だって…」


「今は仕事サボって頻繁に会いに行くことより、
やらなきゃいけないことがあるだろ?」

「………」


「お前、ちょっとこれから付き合え」


俺はカン刑事に車に乗せられた。


どこへ行くか聞かされなかったけれど
その場所へ近づくにつれて、俺はなんとも言えない気持ちになった

そこは俺の両親の墓だ

カン刑事は花を買うと、慣れた足取りで墓のある場所へ歩く。


しょっ中来てくれてるんだ


俺なんか、何回かしか来てない

とてもじゃないけど、父親に合わせる顔がなかった

警官の息子なのに、殺し屋なんて…

この今も、できれば墓前には行きたくない


「ユンホは来れないよな、とてもじゃないけど」

「ああ…」

「だけどな、これがチャンミンと同じように
お前も自分に向き合うことなんだぞ。」

「………」


カン刑事は墓前に花を手向けると

俺の父親に報告するように言った

「私は刑事を辞める」

「え?」

「そして、ユンホを私の養子にしようと思う」

「は?」

「私の…罪滅ぼしだ…」


このオヤジは…なんの罪もないっていうのに
なんでそんなに背負いこもうとするんだよ

俺は胸が熱くなった

養子にすると言われて

俺はこのオヤジが仮にも父親になることが
まったく嫌ではないことに気づく

むしろ嬉しかった

叱って小言を言ってもらえるのが
心地よかった。


「今日は署長にそれを報告にきた」

「だけど…そんなことできんのか?
俺、死んでるんだぜ?」


「ああ、刑事として最後の職権乱用だ。」

「どんな?」

「この間、違法賭博の疑いがあるやつがいて
そいつが児童院の施設長でな。
賭博では上げない代わりに、児童の書類保管不備で
起訴させてもらう。
世間の目が全然違うからな。喜んでたよ」

「その児童が俺か…」

「ああ、これでお前は身分が保証される」

「…………」


「チャンミンの為に、家も買ってやって
そして出所の時はそれなりの車で迎えに行ってやれ」

俺は胸に何か熱くて大きな塊が
詰まったような感覚になり

言葉が出てこない…


「俺は刑事をやめたら、こじんまりと
探偵事務所でもやろうと思ってる」

「探偵?」


「ああ、浮気調査とか家出人捜索とか
そんな程度だ。
今から、部下が情報たかられるんじゃないかと
ビクビクしてるよ」


カン刑事は笑った


「でな、お前も手伝え」

「え?俺?」

「皿洗いをいつまでやってんだよ
チャンミンを守っていくんだろ?」


「………」


うれしいくせに
俺は反抗期のガキみたいに、礼のひとつも言えない

そんな俺の肩をたたいて

「署長、こいつは任せてください。
俺が署長の代わりにしっかり監視してますから」

そう墓前に言って笑った


「なんだよ、ガキ扱いしやがって」

「お前もお父親さんとお袋さんに誓え」

「もうさっき誓ったよ」

「そうか?ふん」

「なぁ」

「あ?」


「ありがとな…」



「何言ってんだ…」

カン刑事は俺のアタマをクシャクシャにして
墓前から去っていった


そして、しばらくして俺がカンのオヤジの息子になって

俺はチャンミンに会いに行った


いろいろ報告もしなければ
いけなかったけれど

何しろ、10分の面会時間だ。

その日はチャンミンの話を聞くので精一杯だった。

最後に一言だけ。


「ちょっと俺、これから忙しくなるんだよ」

「え?そうなの…」

「手紙に詳しく書くよ。
実は今まで仕事サボって会いに来てた」

「そうなんだ…」


チャンミンは途端に悲しい顔になった
その頬を撫でてやりたい

いろんな話はいつか出所してから
サプライズ、ということにしよう


今の監視状態ではできる話と出来ない話があるし

それまでは面会の時は
チャンミンの話をたくさん聞いてやろう


俺はそう思って、その日の面会を終えた


しばらくしてチャンミンから手紙が来た

一生懸命に書いたであろうその手紙に
胸が熱くなった


「ユノの生活がんばって。
あんまり会えなくても、僕は自分の事を
がんばるよ」


チャンミン…

お前、頑張り屋になったな

俺もお前に負けないように、頑張らないとな





にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村

「籠の鳥」いつも読んでいただいてありがとうございます。
このお話は明日が最終回となります。

COMMENT

No title

無理に笑ってみせるチャンミンが、健気でいじらしくて愛おしい…
そんなのも、わからないおバカユノを養子になんて…地に足のついた人が周りに居て良かった…
明日でおしまいなんて寂しい…切なくなりながらも毎晩楽しみにしているので…
でも、次回作も楽しみですε-(´∀`; )

ふぇ〜〜ん。・゜・(ノД`)・゜・。

ユノー、なにしてんだよーヾ(。`Д´。)と、読んでいったら…カン刑事〜(´•̥̥̥ω•̥̥̥`)
ユノ、チャンミン、カン刑事に会えてよかった〜。・゜・(ノД`)・゜・。
チャンミンも独房でがんばるって(இoஇ; ) 未来は明るいね‼︎

明日、最終回ですか…毎回ですが終わるのが寂しいですT^T でも、ハッピーエンドな2人にも会いたいし…ふくざーつ…ですね〜(^_^;)
明日、楽しみにしていますね(๑′ᴗ‵๑)

工エエェェ(´д`)ェェエエ工明日最終回!!▄█▀█●

工エエェェ(´д`)ェェエエ工明日最終回
ですって工エエェェ(´д`)ェェエエ工▄█▀█●
百海さん 明日最終回
最終回!最終回ですってー工エエェェ(´д`)ェェエエ工
→→ってくどいよ(笑)

でも こんなに可哀想なチャンミンと
離れ離れのユノさん 最後は
ハッピーエンドですよねぇ??
百海さんのお話だから
最後は絶対ハッピーエンド♥だから
大丈夫ですよね…(; • ̀д•́) 川;゚;Д;゚;川心配だわぁ〜
今日ちょっと遅れて見に来たら
拍手ポチッ👏333でした(๑•̀ㅂ•́)و✧
なんかゾロ目って٩(๑>∀<๑)و♡嬉しい💕💕
明日の最終回工エエェェ(´д`)ェェエエ工→→くどいよ(笑)♡
楽しみに待ってまーす(๑•̀ㅂ•́)و✧

No title

ゆのー、どうしちゃったのー。
最初悪い方に変わってしまったユノにどうしよう(;_;)とドキドキしちゃいました。
でもカン刑事が目を覚まさせてくれましたね。
ユノも八方ふさがりだったんだよね。
そしてカン刑事の親のような愛情を受けて本来のユノに戻ったのですね。
チャンミンも頑張ってるね。
そして・・・悲しい事に次回最終回なのですかー!!?
大好きで毎日8時の更新を待ってた そんなお話が終わってしまうのはとっても寂しいですが、最終回の二人がどんな情景を紡ぎ出してくれるのか、楽しみにしています!
それと以前ユノの記憶が戻った写真のシーン、二番目に好きなシーンとおっしゃってましたが、百海さんの一番好きなシーン、どこなのでしょうか(*´ω`*)最終回にあるのかな(*´ω`*)教えてくださいませ♪

ふわぁ〜〜(T . T)

あんにょん。
自分のおかした罪と対峙しながら、孤独に耐えている健気なチャミ。あーん、可哀想。でも、ユノさんもカン刑事のお陰でご両親に禊をする事が出来ましたね。今は辛いけど、お二人とも明るく希望が持てる未来が待ってますね。カン刑事は、チャミも養子にするのかな?そしたら義兄弟かな?なんだか、楽しい家族になりそう🎶明日が最終話なんて寂しいです。momominさんのお話は、ハピエンだから安心して読めます。

はじめまして

こんばんは。
ずっとコメント書こうと思っていながら、読み逃げでした。すみません。

切なくて、切なくて、チャンミンは、ユノは幸せになれますか?って聞きたくなっちゃって、最後まで我慢しようと今日まで来ました。が、結局、聞いてるしw

だって、カン刑事のチャンミンが楽しそうだと思うか!って辺りが、グっと来てしまい、独房の中も危険だから、お話の中だけど心配になってました。

チャンミンとユノが笑顔で再会出来たらいいなー。
明日も楽しみにしております。(﹡ˆˆ﹡)

なんと⁈

百海さま

明日(正確には今日)で最終回∑(゚Д゚)ですと!
20時間になったら、正座して読みます!
今日のユノさんなら、ちょっと厳しくしてもいいかなと思いました笑。

明日(今日)は自分の誕生日なんです。
最終回の2人の幸せな姿を、プレゼントとして(勝手に)いただきますね(*^^*)

実は自分、昨年秋に東方神起のファンになり、リアルの二人は知らないことだらけで、ネットで色々検索していた時に怒涛のような激流にあっと言う間に流されて、ホミンさんの世界に運ばれてきました。
いかんせんコンサートにも一度も行っていないので、皆さんのように漏れてる2人のポイントもわからず、今必死に学習?しているところです。
百海さん始め素敵な作家さんの作品で目を肥やして、リアルな2人の漏れポイントが瞬時にわかるよう頑張りたいです。
最終回、楽しみにしています!

ha@@@tさま

コメントありがとうございます!

胸熱していただけましたか?

こんな映画が観たい、と思っていただけると
うれしいです✨

ne@@さま

コメントありがとうございます

ひだまりからいらっしゃいませ♫

いろいろとキナ臭い場面も多いですが
楽しんでいただけましたか?

次回はひだまりの続編になります。

遊びに来ていただけるとうれしいです✨

のこさま

コメントありがとうございます

カン刑事は足が地に着いたオトナですね

状況に慣れて少し調子に乗ってしまったユノさんを
戒めてくれました。

2人のいい味方ですね✨

外見にはまったく触れませんでしたが💦
2人の恋心はくすぐらなかったようで笑

カプリコさま

コメントありがとうございます

チャンミンが楽しそうだなんて
そして仕事をサボるダメンズユノさん💦

ダメンズでも許せちゃいそうだけど
やっぱり男は仕事ですよねー

次回も楽しんでもらえるとうれしいです

くみちゃんさま

コメントありがとうございます!

えぇっゾロ目の333ですかっ!

賭博っぽいセリフですいません💦

なんだかラッキーなことが起こりそうですね♫

chika♫さま

コメントありがとうございます!

一番好きなシーンは
最終回のユノが腕を広げ、拗ねたチャンミンが
飛び込むシーンです(≧∇≦)

王道ですが、やっぱりユノの胸は
飛び込みたくなる衝動にかられます💦

チャンミンは拗ねてるから
たぶん突進したのではないかなー
なんて思ってひとり萌てます💦

michiponさま

コメントありがとうございます

カン刑事が親代わり

ユノもなんだかんだと嬉しそうな。

このお話の2人は
世の中をナナメに見ているようなところが
共通していたので

そこを正してくれたのが
カンさんでしょうか。

me@@@@@@@@itさま

コメントありがとうございます!

覚悟させてしまってすみません💦

ハラハラしてもらうシーンで
本当にハラハラしてもらえるか
かなり心配してしましたけれど

大丈夫だったでしょうか?

ハピエンにならないと
書いてる自分がつらくって💦

最後はすくわれないと^ ^なのです

ゆーじろーさま

はじめまして!
コメントありがとうございます

読み逃げなんて、そんなそんなー💦

好きなように読んでいただいて
楽しんでいただければ、それで。

でも、お話の先を聞くのを我慢してくださったのですね

たしかにそこは聞かれてもお答えできないから💦
ありがたいですww

らっ@さま

ギリギリ間に合ったー

らっ@さん、センイルチュッカハムニダ〜
お誕生日おめでとうございます✨

とびきり素敵な一年を過ごしてくださいね

このお話は終わってしまうのですが
また、遊びにきてくださいね

@@大好きさま

コメントありがとうございます!

他のお話も読みはじめていらっしゃる?!
うれしいですよぉ

@@大好きさま独特の切り口での感想
楽しみにしています(≧∇≦)

EDIT COMMENT

非公開コメント

検索フォーム
ブロとも申請フォーム