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プロフィール

百海

Author:百海
百海(ももみ)と申します。ホミンペンです

僕の太陽(1)

〜〜チャンミンside〜〜




ひまわり学園高校の放課後

授業の終わった生徒達が、それぞれの部活動へと勤む時間

どのクラブも新入学生を迎えて、始動したばかり。

僕が顧問をする英会話クラブも
今日が初日だった。

「このクラブの趣旨は今説明した通りです。
これから1年間、授業とは違う感覚で
楽しく英会話を身につけていきましょう」

やたらと盛大な拍手の後、
僕と入れ替わって
部長のミンジが挨拶をした。

「今回の入部にあたり、実はこのクラブは定員の5倍の入部希望者がありました。」

え?そうなのか?

「なので、こちらで英語力などのテストをさせていただき、ある程度人数を絞らせていただきました。

こんなに入部希望者が多いのは、
ひとえに、シム先生との接触を希望する生徒が多いからだと思われます」

「ちょ、ちょっとミンジ…
そんな憶測だけで決めつけるのは間違っています」

「は?シム先生?
このひまわり学園は共学なのに、このクラブ
9割女子じゃないですか。
そこのところは認めていただかないと
話が前に進みません」

「話が前にって…何の話ですか」

「抜けがけしないためのいろいろなルールの話ですよ」

僕はため息をついた。。。

「部長の君からそんなくだらない話が出るのは
どうかと思いますよ。
ほら、男子部員が恐縮しているじゃないですか」

「男子なんて、ミノ君とスホ君の2人だけですよ?」

「2人もいるじゃないですか。
話題を変えて、このクラブに入った動機と
抱負をひとりずつ話してみてください。ね?」


僕が「動機と抱負」なんて言ったから…いけなかったのか。

「シム先生といろんなおしゃべりがしたいです!」

「シム先生から手取り足取り、教えていただきたいです!」

「私はシム先生から名前を覚えてもらいたくって
このクラブに入りましたっ♫」

なにかこう、恥ずかしいとか、そういう感情を持ち合わせていないんだな、女子高生って。。

残念ながら、女子高生には…
いや、ひいては女性全般に興味がないんだ。

僕はそう、女性を愛せない性癖の持ち主。
もちろん、生徒たちは知らない。

そんな僕は…

「きゃー!みてみて!窓の外!」

あ…

この教室の窓の下は水道が5つほどならぶ手洗い場になっている

だいたいこの時間になると、校庭で練習しているサッカー部が休憩で水を飲みに来る

ワイワイガヤガヤと、かなりうるさい。

「キャ〜!チョン先生よ」


そう、保健体育のチョン・ユンホ先生
サッカー部の顧問

180を越える長身とバランスのいい筋肉質な体、男らしくて端正な顔立ち
リーダーシップのあるサッパリとした性格で
男女問わず大人気の先生だ

今日もサッカー部員達とひとしきりゲームをして、
顔を洗いに水道までみんなで来たようだ。

チョン先生はいきなり、トレーニングシャツを脱いで上半身ハダカになって、シャツを水道で洗い出した。

そこに部員たちが水をかけあって、ふざけあっている。


「きゃー!カッコいい!鍛えられた胸筋がたまんない!」
女子生徒たちが騒ぎ出した

「シム先生に教えてもらいながら、チョン先生の肉体美を堪能できるなんて!
やっぱりこのクラブ最高!」

はあ・・・

僕は窓を開けて、サッカー部員達を一瞥した後

「すいません、チョン先生」

「ふえ?」

シャツに続いて顔を洗っていたチョン先生が間抜けな声を出した

「今、この時間、この教室にはたくさんの女子生徒が勉強しているんです
そういう風に、裸になったりすることは慎んでいただけませんか?」

「あ、すみません・・・」

「昨年度の活動から言ってますよね、僕。
あれですか?ご自分の自慢の裸を披露なさりたいとか?」

「いや、自慢というほどではないですよ」

そこ?

「いや~自慢自慢♪」
ゲラゲラとサッカー部員達が笑った

「君たちももっと考えて行動できませんか?
ここで騒いだら、この教室に響くかどうかくらいわかりませんか?」

僕のイライラが止まらない・・・

「あ、ほんとにすみませんでした。
もう僕も脱ぎませんし、こいつらも静かにさせます」

すっきりとしたきれいな顎のラインと、すっと通った鼻筋、切れ長の黒い瞳に男らしくバランスの良い眉

真面目に答えるチョン先生のイケメンぶりに
女子生徒達のため息が聞こえる

「はあ~ほんっとカッコイイ、チョン先生・・・」

「ジャージ着てるのに、エロいってどういうことなの・・・」

「二の腕見た?すごい筋肉」

「あの胸に抱きしめられたい!」


そうそう・・・ジャージなのにあんなにエロくって

本当にカッコイイ、チョン先生・・・


ひそかに僕が思いを寄せる・・チョン先生


「でもさ~婚約者いるんだよね~~」
「そうそう・・・残念だなあ」

残念ですよね、本当に・・・

どのみち僕は片想いだから、いいんだけど・・・ 


心の中ではユノ先生と呼んでいる
仲の良い教師たちはユノ、と呼んでいるから。

僕は一生呼べないだろうけどね

そんなユノ先生への思いが溢れると
かなりキツイ態度をとってしまうという、天の邪鬼で最悪な自分。

たぶん自己防衛ってやつなのかな?

これ以上好きにならないようにするための
僕の制御システムなんだろうな。


僕が新任教師として3年前にここに赴任してきた時
その上半身裸でシャツをじゃぶじゃぶと洗う姿に心惹かれ、

PTA総会でビシッとスーツを着ている姿に完落ちしてしまった

そのギャップが凄すぎて・・・

完全なノンケであるユノ先生を好きになるのはツライとわかっていても
心はそう簡単にコントロールできるものでもない

僕は付き合っていた彼ともうまくいかなくなってしまい
この片想い生活が続いている

ただこの気持ちを抑えようとすればするほど
キツイ態度にでてしまい、

ため息の毎日が続いている







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あとがき




~~みなさまへ~~




最後まで「夜香花」にお付き合いいただき、ありがとうございました。

ここまで読んでいただいて、心より感謝しております


文章を書くことに少しブランクがありましたが

妄想の赴くまま、完全に自己満足の世界で、ここまで書いてしまいました。

実はこのお話は、自分の中でかなり細かく壮大になっておりまして(笑)
ユノに輸血をしたのは誰かとか、ミノのチャンミンに対する思いなどいろいろとありました。

全部書かせていただら
倍くらいになってしまったかもしれません

しかしながら
稚拙な文章や乏しい表現力
物語の背景や話の流れなど、ツッコミどころも満載だったかと思いますが
みなさまの思いやりに感謝しています

ブログという形にしてみたところ、拍手やコメントなど、皆さまから反応があることに
びっくりやら、うれしいやら。

そして、それらがお話を続けていく事に
大変励みとなりました。

皆さまの拍手とコメントがなかったら
最後まで形にできなかったかもしれません。
本当にありがとうございましたm(_ _)m

これからも、自分の頭に浮かんだ妄想を、うまくお話というカタチにしていけたらいいなと思っています。

もし興味を持たれましたら、またお付き合いいただけるとうれしいです


「夜香花」は少し大がかりな舞台設定でしたが
次のお題は地味に、学園モノになります(笑)

とある高校の英語教師シム先生と、同僚の保健体育教師のチョン先生の物語です

ぜひまた遊びにきてくださいね。お待ちしております


百海








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夜香花(完)

〜〜チャンミンside〜〜




ユノの退院パーティの日


僕はユノと2人で連れ立った。

僕たちはタキシードなんか着せられて、かなり大げさな感じだ
内輪のパーティなのに


場所はユノが知ってるらしく、タクシーに乗ると
結局はいつもの銀色のビルの前で降りた

なんだ、結局店でやるのか・・・


と、その時僕の目に映ったのは

あの工事していた1階の店の看板だった



「Changmin’s Cafe」



え?

これは…どういうこと?

夢を見ているのかと思った…


木と漆喰でデザインされたナチュラルでしゃれた外装

木に白いペンキで手描き風に描かれた看板


それはいつだったか、
ユノに自分の話をした時に

夢として語った、僕のカフェ…そのまんまだった



「お前の店だ、チャンミン」

「・・・・ユノ」

「俺からのプレゼント」

「そんな・・・」

言葉が出ないよ…



「正直、おまえがクラブイーストで客といちゃつくのを見たくない」

ユノ独特の口角を片側だけあげる、ニヤリとした笑み

「でも…」

「それは冗談だけどさ、
この店繁盛させて借金きれいにしちまえ。
そういう事だよ

あと俺らの店が忙しいときは、手伝えよ」


僕は思わず、ユノの首に腕を回して抱き着いた
そして勢いよくユノを振り回した

もう、嬉しくて幸せで
また涙がでてきちゃったのを
ユノの肩に顔を押し付けて誤魔化した

「おいおい・・・傷口が開くよ」

「嘘ばっかり・・・毎晩あんなにシてんのに大丈夫じゃん」

「言うねえ、チャンミン」
後ろからヒチョル店長が声をかけた

「俺は反対したんだぜ、
チャンミンがホストやめんのもったいねぇ
でも、こいつ、ナンバーワンの座をおめえにとられんのが悔しくてな」

「なんだよ、ヒョンが客をカフェにとられんのが悔しいからだろうが」

「ばーか。このカフェは同伴出勤の待ち合わせに存分に使わせてもらうんだよ」


カフェの中から、テミンが顔を出した

「なにやってんですか?みんな待ってますよー」


店内に入ると


その内装も僕の理想通りだった

明るくて、すっきりしていて
自然の素材を取り入れたインテリア

厨房も最新の設備が入ってる

ユノは僕が夢を語ったとき、興味なさそうだったけど
まるでメモしていたとしか、思えない。

涙が出てきた。。

諦めていた、僕の夢が叶うなんて

しかも愛するユノが、僕に与えてくれたなんて

僕はどれだけユノに愛されてるんだろう

そして、なんで僕なんか、それほどまでに愛してくれるんだろう

「ユノ…僕、なんて言ったらいいか」

「正式なオープンは来月だから、
それまでにレシピ揃えておくんだぞ」

「ユノ、どうして…」

「あ?」

「ここまで僕に…」

「買っておいたのは去年だよ、お前の話聞いてすぐ」

「ユノ…」

「俺…さ…」

「お前が笑うと可愛くて、どうしようもない。
だから、笑顔が見たかった。
ただそれだけ。。」

「あの時マカロンも?」

「ああ、笑顔がみたかっただけ」



だったら、僕はこれから毎日笑おう

ユノのために…

笑顔であなたの心を掴んでいられるなら。

僕は心から幸せを感じて、ユノに微笑んだ

ユノは少し真剣な顔で僕を見つめ、微笑んだ

「その笑顔がみれて、よかったよ」

あなたの笑顔だって、とびきりステキで
僕をこんなに幸せにするんだよ


ずっと、一緒にいようね、僕たち



みんなが僕らを待っていて、拍手で迎えてくれた。

店内は風船のデコレーションで飾られていて

ユノたちが育った施設の子供たちもたくさんのお菓子に喜んでいた


みんなが見ていたけど、僕は構わずユノの頬にキスをした

「ユノ、愛してる」

「知ってる」
ニヤリと笑うユノ

「もう・・そういう時は僕も愛してるって言うんだよ!」


そんな僕のタキシードの裾を引っ張る小さな手


「今、ユノオッパにキスした?」

振り向くと小さな女の子


「もしかして君がソヨン?」

僕は中腰になって、ソヨンと視線を合わせた

「そうよ。」

「ユノのお嫁さんになるって?」

「うん、10年後にね。悪いけど約束してるの」

「そう。きっと君は10年後にステキな女性になっているだろうね
でもね、僕も日々努力してるんだよ」

「努力?」

10年後の僕は、10年後の君には負けないからさ



だってユノを思う気持ちは、世界で僕が一番なんだから

「ソヨンもがんばってね」



そんな僕とソヨンのやりとりを

ユノがいつもの優しい笑顔で見守っていた


遊んでいた子供たちが風船をひとつ、
入り口から外に出してしまった


僕はとってあげようと外に出たけれど

赤い風船は気持ちよさそうに空高く飛んで行った


ユノが僕を追って店から出てきて空を見上げ「あ・・・」と声をあげた


僕たちは寄り添って、青い空に飛んでいく赤い風船をいつまでも見上げていた








<完>







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夜香花(29)

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夜香花(28)

〜〜チャンミンside〜〜



僕はその後どう行動したのか
正直よく覚えていない


気がついたら、夜の空港にいて
カウンターでソウル行きのチケットをとろうと
大騒ぎをしていた


もう、今夜は飛行機がないこと
明日は満席であること、
そんな説明を受けていたようで、
でも中国語がわからない僕は

とにかくソウルに帰るんだ、と騒いでいた


後を追っかけてきた弁護士の方が
どうにかその場を収めてくれて

僕は泊まっていたホテルにとりあえず戻った


ユノが…ユノが目を覚ましたというのに

側に僕がいないなんて


詳しいことは何もわからない

店長に電話しても病院内にいるからだろうか
全然繋がらないし

明日一日動けないなんて
そんなことガマンできないよ

今すぐ、ソウルに、ユノの元へ飛んでいきたい!


ユノの携帯に連絡してみるけど
電源入ってない状態みたいで

当たり前か…



翌朝になったら、僕は少し落ち着いたけれど
観光なんて気分になれず、
ユノへのお土産をやたら買ってしまった




その夜は興奮でよく眠れないままに朝を迎え、

早くから空港に向かった


やっとユノに会える


ソウルに着くと、僕は空港からそのまま病院に向かった

もう待てない

大荷物を抱えたまま、何人もの人とぶつかりそうになりながら、空港の中を走り抜け、タクシーに飛び乗った


病院の入口で出迎えてくれたヒチョル店長が笑った

「馬鹿か、おめえ・・・スーツケース持って病室行く気かよ」

「店長、早く!ユノに合わせて!」

「ああ、やっと一般病棟に移れたところだからな。
あんまり無理させんなよ

それとな、まだ油断できねえから」


わかってる、うん。


ユノの病室の前まで案内されて、僕はドキドキした

そのドアを開けると、部屋一面にお見舞いの花束やお菓子

さすが、ユノ・・・・

シウォンやミノたちも部屋にいた

なんだか賑やかだ


「おい、ユノ
おまちかねの、お前のチャンミナだぞ」

みんなの間を抜けると、僕の視界にベッドのユノが・・・


ユノは少し枕を上げた状態で、横たわっていた

片方だけ眉をあげてニヤッと微笑んで僕を見た


ユノ・・・・会いたかった・・・・・

ユノの顔が涙でにじんでよく見えなくなってしまった


「チャンミン、遅かったな」

掠れた声のユノ・・・


「おめえら、店に戻ろうぜ
チャンミンは今日は出勤しなくていいからな、ユノを頼む」


店長は僕たちを2人だけにしてくれた


僕は泣きながら、立ちすくんでいた


「チャンミナ、そんなとこに突っ立てないで
顔見せろ」

しばらく声を出していなかったせいか、
掠れた声だけど、それがすごくセクシーだ


僕は泣くのをこらえようと、
歯を食いしばってユノに近づいた


「お前、なんて顔してんだよ」

ユノは笑った

「ユノ、会いたかった・・・」

僕はそれを言うのがやっとだった



「お前があんまり泣いてるから、戻ってきた」

「僕が?泣いてるの知ってたの?」

「俺の名前を泣きながら叫んでただろ・・・・
気になって天国へ行けなかったよ」


「ユノ・・・僕ね・・・僕ね・・・・」


あまりに話すことがありすぎて、逆に言葉が何も出てこない

出てくるのは涙だけ


「会いたかったよ、チャンミン」


ユノはその大きな手を僕にのばして、僕の頬をなでた


僕は頬をなでられながら、ユノの顔を見つめた

やつれてはいたけど、それがかえって色っぽいと思った


結局、どんな時でもユノはカッコいいな・・・・

病院のダサいパジャマ着てたって、こんなにセクシーだ



優しく細められていた、その切れ長の目に真剣な光が宿る


「お前に言いいたいことがあるんだ」

「なに?」



「チャンミン、お前を愛してる」



「ユノ・・・」

「遊びじゃない・・・本気だ。
俺が臆病だったから、今まで言えなかった。

不安にさせて、ごめんな、チャンミン」

「ううっ・・・・ユノ・・・

違うんだ…

僕ね、わかってたのに、ユノが僕のこと
本当に考えていてくれたって

なのに、僕はワガママばかり言って
ユノを困らせてた」


僕はユノの大きな手に顔を埋めてまた泣いた

フッと、ユノが笑った

「そんなかわいい顔すんな・・・・さすがにまだ抱きしめられない」

「ユノが起きたら、謝りたかったの
ほんとにごめんなさい。

僕も愛してる…

ユノがこのまま起きなかったら、どうしようかって
すごく不安だった

でも戻ってきてくれて、ほんとうに良かった」

ユノの大きな手は僕の涙でぐっしょりだった

「ねえ、ユノ…」

「ん?」

「ちょっとなら抱きついてもいい?」

「チャンミン…」

「少しだけ、ユノの体温感じたいの」

「ああ、いいよ、ほら」

僕の腰に手を回そうと
少し起き上がったユノが、一瞬顔をしかめた

僕はあわてて、ユノから離れた

「ごめん!大丈夫?」

「あー!もう!」
と髪を掻き毟るユノ

「ユノ?」

「お前、可愛すぎる
いつになったらセックスしていいか、
担当医に聞いてきてくれ」

「僕が聞くの?!やだよぉ、そんなの恥ずかしいじゃん」

「バカだなぁ、もう聞いたよ」

「うそ?!」

「ウソだよ」

「なんだよぉ、ユノぉー」

僕たちはほんとうに久しぶりに笑った









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夜香花(27)

~~チャンミンside~~




年も明け、一見普通の毎日が戻ってきた。


ユノが目覚めない、という唯一の事を除いては・・・


僕は謝金返済のために働かなければならず
ユノのそばにずっとついてるわけにもいかなかった。

昼間は、ユノの身の回りのことをしながら病院で過ごしていたけど
集中治療室でユノの顔を見れるのはほんの短い時間だった

その短い時間の中で、僕は昨日あったことや、
考えたことなどを、眠るユノに話しかけていた・・

その端正な顔立ちは、目覚める気配はなく、ただ美しくそこにあるだけだった。

そうして僕はため息をついて、店に向かう、という毎日だった


それでも僕はホストとして、指名もつくようになっていた。


「チャンミン、あなたにお土産よ。この時計、ミラノ本店の限定モデルなんだから」

「もしかして、ミラノに行っても、僕のこと考えてくれてたんですか?
この時計を見て、僕の顔を思い出してくれた?」

「ええ!そうよ、チャンミン!
どんなにあなたをミラノに連れて行きたかったか」

「何日もミラノに行ってしまうって聞いて、寂しかったんです。
でも、あなたは仕事だって聞いて。。

あなたががんばっているから、その間僕も仕事をがんばったんです。
これはそのご褒美と思っていい?」

上目使いで客に微笑む僕

「もちろんよ、チャンミン」客の目が輝く

「じゃあ、お仕事がんばったあなたへ、僕からもご褒美をあげますね
このフルーツは全部ぼくが食べさせてあげるから、手を出さないでくださいね」

僕は小さく切ったフルーツを、ひとつずつ客の口元へ運ぶ。

そして、上機嫌で帰る客を見送る深夜



今夜も、店の掃除をして売り上げの計算を手伝う

ユノが倒れて血まみれだった床はきれいに清掃され、
ユノの私物が入ってた一番大きなロッカーは、空っぽになった。

時は確実に過ぎていき、ユノの時間だけが止まっていた。


でも、ユノのマンションに帰れば
そこはユノと僕が暮らしていた時のままに、時間は止まっている。

ユノのクローゼットの引き出しには
客からプレゼントされたたくさんの時計がきれいに並べられ、
誰からもらったのかわかるように、箱にシールが貼ってある

僕もユノのマネをして、今夜もらった時計を客の名前を書いて仕舞った

ユノが目覚めるまでに、この時計を増やして驚いてもらうんだ。

ユノから褒めてもらおう・・

頭をなでてもらって、抱きしめてもらって・・・

優しくキスをしてもらおう

「頑張ったね、チャンミナ」


そんなことを思いシャワーを浴びながら、僕はひとしきり、泣く・・・

ユノ・・・

この部屋は・・・このベッドは・・・ユノの香りが強くして
僕がどんなにあなたを愛しているか、自分でも可笑しくなるくらいわかっちゃうんだ

でも、現実をちゃんと見なきゃね・・・

ユノは目覚めないかもしれない、でも、それでもいいんだ



僕はずっとユノの側にいる・・・・ユノと僕が生きている限りね




それから1週間ほどたった後、
パク夫人から連絡が入った

僕になんの用?

聞けば、僕の育ての両親が、なんと中国の深圳で見つかったという知らせだった。

夫人は借金の肩代わりをする代わりに
両親を探してくれていたってことか。


パスポート取得の手続きが終わると、僕はヒチョル店長にユノの世話を頼み中国へ行った

僕を裏切り、こんな目に合わせた両親・・・
2人は泣き崩れて僕に謝った・・・

知人から持ち掛けられた商売の話に乗って、
失敗をしたという、よくある話だった。

知り合いのツテを頼って、ここまで流れ着いた、というわけだ

2人は深圳の工場で地道に働き、少しづつお金を貯めているとのことで
僕を早く借金から解放しようとしていたという。

それが嘘か本心か、僕はどうでもよかった。
実の子ではないのに、ここまで育ててくれたのは事実だし。


パク夫人が用意してくれていた弁護士と話しをつけて、
家屋の売却金を僕の借金に充当してもらうことにした。

これで、借金が少しは減るはずだ


明日は一日観光でもして、ユノへのお土産でも買って
明後日の飛行機で帰ろう

チケットはもうとってある


と、そんな予定を考えながら、寝ようとしていた時だった。


携帯が鳴った



画面を見たら、ヒチョル店長の名前・・・

ユノになにかあったに違いない

僕は慌てて、通話をタップした


神様!どうか・・・


「もしもし!」



「チャンミンか?・・・ユノが目覚ましたぞ」








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夜香花(26)

~~ユノside~~




けむるようなジャスミンの香りで目が覚めた・・・

真っ暗な闇の中・・・あたり一面に白く光る小さな花が咲き誇っていた

ああ、これは夜香花だな・・・

ふと気づくと

どこからか、子供の声が聞こえる

施設の子供たちかな


花をかき分けて、声のするほうへ行ってみると


そこだけ、ぼうっと明るくなっていて


咲き誇る夜香花のなかで、数人の子供たちが遊んでいる


その中の一人、小さな男の子が赤い風船を腕に抱えていた

男の子を見ると、それはチャンミンだった

今とは全然違う小さなチャンミンだけど、

間違いない、面影がある

チャンミンは小さい時から、あまり顔が変わっていないんだな
童顔だもんな

そう思うと頬が緩む・・・かわいいチャンミン


仲良く遊んでいるように見えた子供たちだったのに

いつしか諍いがはじまってしまった

みんながチャンミンの持っている赤い風船を欲しがっているようだ


「ダメっ!僕のユノだよっ!」

小さなチャンミンは風船を抱えて、とられまいと必死だ


え?
風船に俺の名前?


まわりの子が赤い風船をチャンミンから奪おうとする


「ダメ!触らないで僕のユノなんだから!」

とうとう泣き出してしまったチャンミン・・・

かわいそうに・・・でも、俺はここにいるんだよ

「チャンミナ!」

声をかけてみたが、チャンミンたちに俺の声は聞こえないようだ


子供たちが風船を取り合ってるうちに

その風船はふとした拍子にチャンミンの手を離れてしまった


あっ


暗い空にフワフワと舞い上がっていく赤い風船


「ユノオオオオオオオッ!」

泣き叫ぶチャンミン・・

大丈夫、俺はここにいるよ

泣かないでチャンミン・・・お願いだから


そのうち子供たちも消えてしまい

俺はひとりになってしまった


そのうち、花が大きく波のように動いたかと思うと
古い汽車が現れた



その汽車に乗ると、それは夜香花に見送られ空高く出発した


幼いころ、施設でこんな汽車の話を読んでもらったような気がするな



下を見下ろすと、白い夜香花の中に小さくチャンミン達の姿が見えた

ああ、あんなところにいたんだ

何をしているかまではわからない


風船はどうしたかな・・・チャンミンはまだ泣いているんだろうか

どうしても気になって、列車の窓から身を乗り出してチャンミンを見ようとした


列車の乗務員らしき人達が慌てて俺を止めにきた


身を乗り出しすぎたのだろうか・・・・

でもチャンミンが気になって仕方がない


チャンミンはまだ泣いているのだろうか


不安な時は、俺が手を握っててやるんだ

大きく手を伸ばしてみるけど
到底届くわけがない


それでも俺は地上に向かって手を伸ばした









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夜香花(25)

~~チャンミンside~~



「縫合と止血はしました。
傷は動脈までいっていたので、かなりの出血になってしまったのが問題です。
血液は酸素を各器官に運ぶ役目をしています
その血液が足りなくなってしまったのですから、各器官に酸素がいかず
その悪影響がどのように出るかわかりません
このまま意識が戻らないかもしれませんし、
心臓が止まってしまう可能性もまだまだある、という状態です」

「この件は・・・」と店長が言いにくそうに言った

「パク代表から承っております
警察には連絡していませんので」



ユノは手術が終わり、集中治療室に移った

主治医の先生がユノの状態をわかりやすく説明してくれた


ガラスの壁の向こう

たくさんの管で機械に繋がれているユノが見える


寝顔が凛々しくてきれいなはずなのに

ここから見えないのが残念だ


ユノ・・・・

僕は集中治療室のガラスにおでこをつけたまま、ユノが目を覚ますのを待っている
もう何時間こうしているのだろう


ヒチョル店長が心配している

「何か食べろ。ユノが起きた時にげっそりした顔みせるつもりかよ」

「うん・・・・」

「今、応接にパク夫人が来ている
お前と俺に話があるって
落ち着いて聞く自信がないなら、俺だけで聞くぞ」

「いや、行くよ。話聞く」

「そうか・・・俺はもう言いたいことは言ったから
後はチャンミンが話せ。お前が夫人を刺さないように見ててやる」


品のいい家具でしつらえた応接に入った

パク夫人はすっかり憔悴しきった様子だった


「今回のことは・・・ほんとうにごめんなさい

ユノの立場を邪魔に思っていた役員の仕業でした

すべては私のせい・・・」


「そう思うなら、ユノを助けて」

「私にできることなら何でもするわ」

「今までだって、なんでも可能だったんでしょ?
ユノを自分の意のままにしてきたじゃないか」

「意のままに・・・したくてもできなかったわ」

「今さら・・そんなこと言うの?」

「私は今まで、なんでもやりたいようにしてきた。
この世に私のできないことなんてないと思ってた

施設でまだ少年のユノを見たとき、
あまりの美しさに、絶対手に入れたい、と思ったの

でも、何を与えても、
私の思うようにならなくて・・・

私はこれでもかと、ユノを締め上げていったの

ユノの大切なものを人質にしてたから
ユノは反撃してこなかったけど、でも決して靡いてこなかった

ユノは自分の尊厳は大切にしていたわ。
そこは私も踏み込めなかった

なんて愚かだったのかしらね

でも、これだけはわかる
ユノはあなたへの思いは特別だったわ
それが私はとても怖かった

ユノはあなたのためなら、何をするかわからなかった

あなたを危険な目に合わせると脅したら
遊びだから手をだすな、とユノは言ったわ

でも、そう話すユノの目がね
もうあなたを愛していて、絶対に守るって
そんな決意の目だったの


刺されて店に入ってきた時
ユノはあなたしか見てなかった
しかも微笑んで、あなたに会えて嬉しそうに

きっとあなたに会いたくて
あんな状態でもあそこまで歩いてきたんだわ

もうユノをどんなに縛っても
心は絶対手に入らないって、あの時わかった」

「やめて…」

店に入ってきた時のユノの笑顔…

僕だけのユノ…

こらえていた涙がまた
堰を切ったように溢れ出した


「お金を積んでも、締め上げて脅しても
手に入らないものがあるって・・・今更気づいたのよ、私。

見返りなんて期待せず、
施設を助けたり、いい客でいてあげれば、
ユノはきっと違う意味で私を好きになってくれたでしょうね

もう遅いけど、今からでもユノが私を少しでも好きになってくれたら・・・」

そう言って、いくつかの書類を僕に渡した


それはユノとの離婚届けと
土地の権利書とそれをユノとヒチョルに譲るという書類

「大きな団体を施設の寄付支援するようにしておいたから
もう心配いらないわ

それと、チャンミン、あなたの借金を私に肩代わりさせてくれないかしら」

「それは結構です」

「ヒチョルから聞いたけど、それ普通に返せる額ではないわ」


「それでも・・・

ユノが起きたときに、あなたに借金立て替えてもらったと知ったら
きっとユノは僕を軽蔑する

がんばれ、とユノに言われたんです。

ユノに誇れる自分でいたい

だから・・・」


「そう・・・わかったわ
そんなあなただから、ユノは本気になったのかもしれないわね

私はもうあなた方の前には現れません

たとえ、ユノが目を覚まそうと、もしくはそうでなかったとしても」

「ユノは目を覚ましますよ」

「そう願います・・・チャンミン、あなたの思いが通じるといいわね」


夫人は静かに帰っていった


「愚かなオンナだ
何不自由のないお嬢様育ちっていうのは本当にタチが悪い」

「みんながユノを欲しがったんですね」

「欲しがる?」

「夫人もテミンも常連客も・・・そして僕も
ユノを自分のものにしたかった

あの優しい眼差しを、愛を独り占めしたかった

そんなユノは縛られて苦しかっただろうな・・・」

「そんなことねえよ
ユノはお前だけにはワガママだったぜ」

「え?」

「ユノと一緒にいたら、お前が危ないってわかるのに・・・
普通なら、そういうときはお前を突き放して別れるのがユノなんだよ

でも、それができないってため息ついてた・・・

だから、まわりを警戒しながらも
結局はお前を手放さなかったじゃねえか」

「・・・・そうですね・・・・それなのに僕は・・・」

「おいおい、泣き言はユノが起きたらユノに言えよ、な?」

「うん・・・・ユノが起きたら」

自分でそう言っておきながら
それはとても現実的じゃない、と僕は思っていた

みんなが欲しがった、魅力的なユノ
神様も欲しがっているんだ

もう、枯れ果てたと思っていた涙が
また溢れてきた








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夜香花(24)

~~チャンミンside~~



真っ白い砂浜と青い海・・・

僕とユノは、砂浜で城を作っていた


ユノは白いハーフパンツと白いシャツ

長めの前髪が風に靡いて、それが頬をくすぐるのだろうか
少し煩わしそうにする顔が、相変わらずカッコイイ


僕たちは子供のようにはしゃいで・・ユノの笑顔がまぶしかった

こんなユノの笑顔を見たのは久しぶりだな・・・


弓なりに細められた優しい目と、白い歯がこぼれる笑顔

僕はその笑顔に見とれていた・・・




砂の城は気づけば波にさらわれて、崩れてしまった

寂しそうな顔のユノ・・・

「ユノ、ごめんね・・・もう少しで完成だったのにね
僕がよそ見をしていたから」

「いいよ、チャンミナのせいじゃない」

「え?」

さみしそうなユノ

「俺が悪いんだよ・・・俺がもっと・・・」

寂しく口角をあげて微笑むユノが遠ざかる

「ユノ?・・・どこへ行くの?」

気づけば、ユノは海の中で立っていた

もう胸のあたりまで海に浸かって、僕に微笑んでいる


「危ないよ、ユノ・・・」

僕はユノに近づこうとしたけれど、砂にとられて足がまったく動かない


「ユノ!行かないで!危ないよ!」

悲しそうに微笑むユノ

「行かないで!僕ね・・僕ね・・・

ユノに話したいことがあるんだよ」


僕は涙が止まらなかった


最近、冷たくしてごめんね

ユノは、押さえつけられてるこの状況に、なにもしないって思ってたんだ

でもね、あんなことになって初めてわかった

ユノは僕を守ろうとしてくれたんだね

愛してるって僕に言ったら、僕はきっと浮かれて暴走して

パク夫人に立ち向かってしまったと思う

ユノはわかってたんだよね


「愛している」って言葉に出してくれないからって

そんなの言葉だけのことなのに

僕は子供みたいに拗ねて、欲しがってさ・・・


だけど、少し考えればわかったんだ

僕を見る優しい目

包み込むような笑顔

僕を抱く腕の熱さ

抱きしめてくれるその強さ

「チャンミナ、おいで」と呼ぶその甘い声


そのすべてが僕を愛してると、本気で愛してると

ユノは全身で言ってくれてたじゃないか・・・

それなのに・・・それなのに・・・

僕は子供で・・・僕は大バカ野郎で・・・

そんな大切なことに気づくことができなかったんだ


ごめんなさい・・・ユノ、ほんとうにごめんなさい・・・・


だから、行かないで・・お願い




ユノはそれでも、僕からどんどん遠ざかり

とうとうその頭も波間に消えて見えなくなってしまった



神様、お願い・・・・ユノを連れていかないで










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夜香花(23)

~~ヒチョルside~~


クラブイーストは今夜のパーティの準備でクソ忙しい

オープン前だっていうのに、パク夫人が我が物顔でパーティに口出ししているから
その相手までするというめんどくさいオマケ付き

早く来いよ、ユノ

パク夫人の相手だけでもしてくれ



と、その時だった



ドスン!

とドアが激しい音をたてた



みんなびっくりして、一斉にドアを見て静まり返った


なんだ?!


もう一度、大きな音を立てたドアがいきなり開いた



「ユノ?」



「ユノ・・・」
クリスマスカードを封筒に入れていたチャンミンが立ち上がった



そこには、真っ白な唇をした、真っ青なユノが立っていた


血の気を失った整った顔は、薄く微笑み、眼光だけが異常に鋭かった


その視線はまっすぐにチャンミンだけを見ていた


様子が変だ


チャンミンも異変に気づき
「ユノ・・・・どうしたの?」と不安そうに尋ねた



ユノはふらふらとチャンミンに近寄ってきた
何か紙袋をチャンミンに向かってつきだしている


「お前・・・これ・・・・好きな・・・」

「え?」

「メリー・・・クリス・・・」


と言ったかと思うと、
ユノはそばにあったスツールに縋ろうとして
その頭を大きく翻し、派手に転倒した

「ユノっ!!!!!」


ホールに身体を一回転させ、仰向けに倒れたユノ

コートがはだけ、そこから血の海が広がった



「ユノオオオオオオオッ!」

チャンミンが叫んだ



ユノ



ああ…ヤバイな



すぐに救急車を呼ぶシウォン

厨房へ走ったテミン


こういう場面が初めてではない何人かのホストが迅速に動いた



「ユノオオオオオオオッ!

やだっ!やだああああああ!」



泣き叫び、ユノに走り寄るチャンミンを数人がかりで押さえつけた



俺は恐れていたんだ


いつかこんなことになるんじゃねえかって



駆けつける救急隊・・・・

切り裂かれるユノの真っ赤なシャツ

眠っているようなユノ・・・そのきれいな顔には酸素マスクが取り付けられた


「触るな!ユノに触るなあああっ!

うっうっ・・・・僕のユノ・・・僕のユノに触るな・・ああ・・」


押さえつけられても尚、ユノに縋ろうとする、チャンミンの叫びだけが俺の耳に届いていた



取り乱しているチャンミンはとても連れていけない・・・
ミノにチャンミンを託して、俺は救急車へ向かった


絶句しているパク夫人を見やると

「私は・・・・なにも・・・・」

その目には涙があふれていた


「てめえ、一生許さねえ!」

どうにもならない、俺の足掻き・・・


夜のソウルの街を俺たちを乗せた救急車がサイレンを鳴らして飛ばしていく

意識のないユノにいろいろな手当が施されていく


ああ、こいつ・・・いいカラダしてんな・・・
モテるわけだ・・・・

そんなどうでもいいことを、俺は考えていた


さっき、救急車が出るとき見たのは・・・チャンミンだな


あの銀色のビルのエントランスから
転げ落ちるようにして飛び出してきた

泣きながら・・・ガキのように泣きじゃくりながら・・・・

何人もの従業員が追っかけてきて、抑え込んでた


チャンミン・・・かわいそうにな・・・・・


眼がよく見えないのは・・・この俺が涙か?

まさかな



病院に着くと、ユノはすぐ手術になった



救急隊員が同僚にボソッと言っているのが聞こえた 「出血多すぎますね・・・」


手術室の前にほどなくして、パク夫人が来た

「何しに来た?」

「最善を尽くすように・・・院長に話しておいたわ・・・」

「へえ~すげえな・・金でどうにかなるなら、てめえの財産つぎ込んで
ユノを助けろ」

「反発勢力を抑え切れなかった・・・私のせい・・・
ユノを邪魔だと思ってる輩はたくさんいたのに・・・」


「反省する時間があったら、ユノを助けろ
じゃなかったら、ここから立ち去れ
てめえの顔が今一番みたくねえんだよ」

「ごめんなさい・・・・ヒチョル・・・」

誰に謝ってるんだか、こいつは・・・

泣きながら、立ち去ったその背中は、いつもより儚げにみえた



しばらくして、ミノがチャンミンを連れてきた

手術中のランプを見て、また泣きだしたチャンミン

「ミノ、まだこいつ連れてくんなよ」

「あ・・でも・・・」
「大丈夫です・・・僕、もう騒ぎませんから・・・」


「はあ・・・わかった・・・ミノ、サンキュ。お前は帰って寝な」

ミノはもじもじしていたから

「何かあったら、すぐに・・・連絡する」

「シウォンさんたちと・・・店にいますから」

みんな、店にいるのか・・・・

「ああ、わかった」



チャンミンはじっと床を見つめていた

「僕・・・このところ・・・イライラしてて・・・・悲しくて
ユノに冷たかったんです

ユノが・・・この状況をどうにかしようとしないから

僕を・・・・愛してるって・・・・言わないから・・・・


でも・・・でも・・・・」

チャンミンはユノが手渡そうとしていた紙袋を大事に抱えていた

「その袋はなんだ?」
俺はチャンミンの話をさえぎった・・またここで興奮されると困る

チャンミンはハッと気づき、袋から中身を取り出した

綺麗にクリスマスのデコレーションが施された、菓子の包みが出てきた

明らかに手作りだとわかる飾りもついていた

「すげえな・・・ここまでやってくれんのか、最近の店は」

「きっと・・・ユノが頼んだからでしょ
ユノに頼まれたら、店員さんは張り切りますよ・・・・

だって・・・ユノ・・・カッコイイもん・・・・」

うつむいてまた泣き出した

「そうだな・・・こいつ、カッコイイもんな」

「っ・・・ユノ・・・」

「少し寝ろ・・・ここでいいから・・・」

ひとしきり泣いて・・・チャンミンは俺の肩にもたれてウトウトしはじめた


ユノ・・・てめえのチャンミナが他のオトコの肩借りて寝てるぞ・・・

いいのか?

ダメだろうが・・・・

早く起きて・・・コイツを引っ剥がしに来いよ・・・ユノ・・・











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