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プロフィール

百海

Author:百海
百海(ももみ)と申します。ホミンペンです

憧憬〜あとがき〜



お話を読んでくださった皆様へ


今回の「憧憬」いかがだったでしょうか。

このお話に最後までついてきてくださって、本当にありがとうございます。

新年早々、ドラッグというタブーなモチーフを使い
ご気分を害された方もいらっしゃることと思います。
そこまでではない方もキツかったのではないでしょうか。

ホントにごめんなさい、です💦

自分との闘いを強いられ、
そこに誰かのために闘えるか?というチャンミンの試練があって。

そして、そんな弱さや強さを受け止めるユノの愛、
というところも私にとってはツボというか、
お話として、読んでみたかったのです。

少数の方にしか受け入れていただけないだろうな
というのは覚悟して書き始めたのですが、

せっかくいただけるようになった拍手などが
なくなってしまったらどーしよ?💦などという
不安も正直ありました💦

それでも拍手や温かいコメントいただけて
ホッとしたというか、それがなければ最後まで書けなかったと思います。

心より感謝しております✨

そしていつもながら、拍手コメの未公開コメには
お返事ができない設定で申し訳ないです。

ここでお礼をさせてください。
いつもありがとうございます✨

途中で「魂削って書いていませんか?」とコメントをいただいたのですが、思わず泣けてしまいました。うれしかったです。はい、削ってました(T ^ T)



強引で自信家、でも寛大でどこまでも深い愛を与えてくれるユノと、
そんなユノに小さい頃から憧憬を抱き、認めてもらいたくてがんばるチャンミン。

そして全力を尽くした結果、悲劇に見舞われてしまったチャンミン。

しかもそこからチャンミンは試練と闘い
ユノはあきらめずにチャンミンを守ろうとする。

だれもが認める美しい2人…


小さな頃の「大好き」が大人になって形を変えても
根っこの部分は全然変わってない

そんな2人を書きたかったのです。


いつもお話を書くときは、
思い浮かんだシーンがいくつかあって
それをどこかに入れ込みたくて頑張るのですが

大人になった2人が
自転車2人乗りで夕陽の中を走り抜けるシーン。
ここはもう最初からラストにすると決めていました。

そんな2人に、本来はライバルになるであろう
カイとテミンに登場してもらったのですが
結局は2人ともチャンミンの手助けをすることになります。

ユノに一時期は愛され
その深い愛情を受け止めるテミンが
自分の死を悟り、犠牲的愛情でユノを裏切る。

そして、チャンミンに自分の愛を託すという。

今回、自分で書いていてテミンには結構泣かされていたのです。
自分で書いてるのに、変ですよね(~_~;)

そして、同じようにユノに救われ、
恩返しとはいいながらも、実はユノに恋愛対象でみてもらいたかったカイ。

カイはチャンミンと通ずる心があります。

子供の頃からの絆って、お互いの素を知ってるだけに、
恋愛に発展したら、やっぱり強いですよね?

そんなこんなで、かなりハードな妄想にお付き合いいただいてありがとうございました。


次回は少しゆったりとしたお話になります。
大した事件は起きないと思いますが、
微妙な心の動きで進むお話になるかと思います。

チンピラユノ✖️動物病院のお医者さまチャンミン
です。

どう繋がるんじゃい?(笑)という声が聞こえそうですが
仔猫を拾ったチンピラユノさんが、チャンミンの動物病院を訪れる、というところからはじまります。

ヒチョリヒョンがまたホスト系で登場する予定です。
そしてやっぱり小悪魔テミンがはずせなくて💦
もう大好きなのです。すみません。


もしよろしかったら、続いて読んでいただけると
うれしいです。


かなり寒い毎日が続いています。
インフルエンザも流行っているようで
みなさま、どうぞご自愛くださいね。


百海


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憧憬(完)

〜〜チャンミンside〜〜


「社長!」


「なんだよチャンミン、まだ会社じゃないから
ユノって呼んで」

「今日は会議でしょ?!僕もう行くよ?準備あるから」

「なんで俺が秘書と一緒の時間に行くんだよ
重役出勤てのがあるだろうが」

「だから別々に行けばいいじゃん」

「やだっ!」

ベッドのユノが裸のまま、僕に抱きつく。
クシャクシャの髪と寝起きの顔が妙にセクシーで。

変な気持ちになってくるじゃん…


「あ、お前、シたいだろ?そう思っただろ」

「なに言ってるんですか///////」

「する?」

「昨夜、何回シたと思ってるんですか」

「3回」

「毎晩そんなにしませんよ、ふつー」

「煽られるんだよな、テソンに」

「まったく意味がわかりません。もう行きますよ!」



支度を整えて、着替えると
ユノは見違えて、若きリーダーの顔になる

家にいる時とすごいギャップなんだけど

でも、またそれが、なんとも…



会社に着くとテソンが待っていた

「チ、チャンミン///////おはよう!」
「お前は中学生か?!」

ユノがテソンに何かくだらないことを囁いている



「社長、今日のスケジュールですが…」
僕はユノの第一秘書を務めていた。

「ああ、頼む」

ユノは目を閉じて今日のスケジュールを聞く。
その顔が真剣でメチャクチャかっこいい

僕はたまに見惚れてしまい、言い淀んでしまう

「ほら、見惚れない!」
そう言って片目を開けてニヤッと笑うユノ。

「もう、全然勝てない…」

僕はタブレットを閉じて、ため息をつく。


「あ、そうだ、明日は午後から視察に行くから」

「どこへですか?」

「うん、ある場所。
俺が運転するから、俺とチャンミンと2人だけで」

「はい…」



その夜

ユノの腕の中の僕…

「ねぇ、明日どこへ行くの?」

「うーん、内緒」

「僕の知ってるところ?」

「どうかなー」

「なんで教えてくれないのっ!」

僕はユノに背中を向けた。

「明日になればわかるよ」




翌日、身支度をしていたら
ユノは普段着を着ている

「え?スーツじゃないの?」

「ああ、スーツじゃなくていいよ」

「そうなんだ…」

ユノはボーダーのカットソーに
下はハーフパンツだ。

僕も白いコットンシャツにハーフパンツにした。

ユノのカットソーはボートネックになっていて
その逞しい肩がチラっと見えて、なんともいい感じだ。

黒いレンジローバーに乗り込み
どこへ行くのかわからないままに出発した。


僕は途中眠気に襲われて、
眠ってしまった…



「チャンミン、着いたよ?」


ユノに起こされて、車を降りると


鼻の奥がツーンと痛くなって
涙がとめどもなく溢れてきてしまった



ここはあのジイさんの別荘



小さな僕たちが出会って遊び、
ユノへの憧憬をはぐくみ、
そしてファーストキスを奪われた思い出の場所。


泣きじゃくる僕をユノが抱きしめた

「そんなに泣くとは思わなかったよ
なんだよ、来たかったらいつでも言ってくれれば
よかったのに」

「だってさ…」

「もう泣くなよ、な?」


「あ、視察って、ここの開発?」

「お前さ、そういう流れになると思うか?」

「だって、昨日、視察って言ったじゃん」

「建設会社も呼ばずに、こんな短パンで視察かよ?」

「じゃあ、なんなの?」

「この別荘、メンテナンスしてこのまま俺たちで使おう」

「え?うそっ!いいの?」

「いいよ、俺たちの土地なんだし」

「だったらさ、ワイナリーにしていい?」

「いいけど?この土地でできんのか?」

「ジイちゃんが、ワイナリーにぴったりの土なのに
お父様たちが別のことに利用しようとしているって
怒ってたんだよ。
ジイちゃんの望みのワイナリーにしたい。」

「ああ、いいよ。」



僕はユノに肩を抱かれながら、懐かしい建物を一周した。
僕らの思い出話は尽きることがなかった。


「懐かしいね、なんだかさ。
僕はいっつもユノの後ばっかりくっついてて」

「俺にとって、チャンミンは
いつまでたっても小さなチャンミナなんだ
たぶんそこは一生変わらない」

「だからいっつも保護者みたいな事言うんだね?」

「ハハハ…そうだな、これからもずっとそうだ」

ユノの乾いた笑い声があたりに響く


「僕はいつまでもユノヒョンに憧れるチャンミナだよ」

「憧れてたか?」

「うん、強くて優しくて、カッコよくて
あの頃、みんなユノに憧れてたよ。

僕はユノの一番になりたかったんだ。

憧れのユノに注目してもらいたくて、もがいてた。


そこは小さい頃から変わらない。
子供っぽいけどさ。

それにユノといれば僕はなんの不安もないんだよ」

「カミナリが鳴る夜とか?」

「フフフ…そうだね」



僕がどんな時も、あきらめずに守ってくれた

僕には不安がなくなったわけではないけれど
ユノがいれば、きっと大丈夫。



「あ!チャンミン、自転車!」

ユノが物置に立てかけてある古い自転車を指差した


「2人乗りしようぜ!」

そう言って、自転車を持ってきてしまった。


「やだよ!こんな古い自転車、パンクしてるんじゃない?」

「大丈夫だよ!ほら後ろに乗って!」

「えー大丈夫?」

僕は恐々ユノの後ろに跨った


ユノの背中に掴まると、なんだかあの頃の僕たちに戻ったような気がしてきた



「しっかり掴まれよ、チャンミナ」

「うん!ユノヒョン!」


ユノは僕を乗せて、最初はバランスがとれなくて
ユラユラしていた。

そのうち、あり得ないスピードで自転車を漕ぎだした。

こ、こわい!自転車が壊れる!

「ぎゃー!こわいよ!そんなにスピードださないでぇ!」
「なんだよぉ!昔はもっとスピードだせ!って
言ってたぜ?!」

「だって!」



大男2人を乗せた自転車は悲鳴をあげながら
思い出の丘を猛スピードで走り抜ける



僕たちはずっと変わらない
今までも、そしてこれからも



大人になった僕たちの笑い声は
いつのまにか、甲高い子供のそれになり

丘に沈む夕陽へと吸い込まれていった



(完)



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憧憬(30)

〜〜ユノside〜〜


いよいよ、入札の日がやってきた

これまでの俺たちの力が結集する日だ。

どこの企業が国のだれと繋がっているか
チャンミンの作ったシステムで確認済みだ。

そこはひとつずつ潰してある

ウチを選べばどんな得があるか
念入りな手回しをしてきた




支度を整えていたとき

「社長、パク会長からお電話ですが…
どうされますか?」

「どうって?出るよ」

俺はスマホを受け取った



「ユンホです」

「ああ、パクだ。これから入札か?」

「ええ、そうです」

「忙しい時間に悪いな。礼だけ言いたくて」

「礼…ですか?」

「テミンをムショから出す時、
俺の名前が出ないようにしてくれたな?
あんただろ?」

「テミンに、わたしの伴侶を助けてもらったので」

「そうか。おかげで、俺は今テミンのそばにいれる。ありがとな。」

「テミンは…」

「じきに天国へ召される…かな」

「そうですか…」

「俺はあんたを凄いと思ってるよ」

「そんな…」

「今日はオヤジと一騎打ちだろ?」

「ええ、そうです」

「俺の知ってるチョン・ユンホなら大丈夫だ。
しっかり戦ってこい。いいな?」

「ありがとうございます!」




そして俺は今日のために新調したスーツを着込んだ。

鏡をのぞいて、ネクタイを締めようとしていたら
その向こうに不安そうなチャンミンの姿が映っている。

俺は安心させようと、微笑んでチャンミンを見た。

チャンミンも少し微笑んで、待っていたように俺のところへ走ってきた。


「どうした?ん?」

「あのさ、これプレゼント」


後ろ手にチャンミンが持っていたのは
ミッドナイトブルーの綺麗でシックなネクタイだった。
俺の新調したグレーのスーツにぴったりだ。


「チャンミン…」

「これで、今日は絶対大丈夫だよ?」

「ありがとう、結んでくれるか?」

チャンミンは慣れない手つきで一生懸命にネクタイを結ぶ。

その一途な顔が可愛くて、俺は途中何度もキスをしてしまい、
なかなかネクタイが仕上がらない。


「もう!ちょっとキスするの、やめてよ!」

「もう少し早く結べるようにならないと
毎朝、一戦交えてから出かけなきゃなんないな」

「な///////」

そんな顔も可愛すぎて、
またキスをしてしまう。




〜〜チャンミンside〜〜


なんとかネクタイを結び終わると
家の外には、秘書達が勢揃いしているのが見えた。


ヒョンは外に出る前に僕にもう一度キスをした
「チャンミン、ありがとな。行ってくるよ」

「ヒョン」

「ん?」

「僕はなんにもなくても、ヒョンがなんにも持ってなくても、ついていくから」

ヒョンは一瞬真顔になって、破顔した

「それがね、"お国の事業主"ってデッカい任務を持ってくる予定」

「そっか」

「うん、楽しみにしてろ」

「いってらっしゃい」

「ああ」


玄関を開けると、みんながお辞儀をした

新調したスーツがヒョンを若き王のように見せていた。

その後ろ姿を僕はうっとりと眺めていた。


広い肩幅、細い腰、長めのジャケットから伸びる長い脚。

ヒョンほどのスタイルがなければ
着こなせないデザインの新しいスーツ。

だからこそ、ヒョンが特別に見えた。

そしてその姿勢の良さが
ヒョンをより大きく凛々しく見せていた。


「よし、行くぞ」

みんなが車に乗り込んだ



僕はジテ爺と他の執事と出発を見送る。


ヒョンが最後にちらっと僕を見て、不敵にニヤッと笑った。

「はーーーなんであんなにカッコいいんだろね?」

「そうでございますねぇ」

僕たちは顔を見合わせて笑った



そして家に入り、僕は出かける用意をした。



大学の講堂に行くのだ。

なぜなら今日はバレエの発表会。

カイのバレエを観に。



流れるように、でも力強く踊るカイのバレエは本当に素晴らしい


今日は特別な発表会だ。

オーストリアの有名なバレエ団が研究生のスカウトに来ている。

カイはそのことを直前までヒョンに黙っていたらしい。

なんの口添えもなしで、自分の力でやりたいと。


ヒョンはそういうことに口添えする人ではないけれど
なんとなく僕と通じるものがあって
その気持ちはよくわかった。


ヒョンの入札も気になって仕方ないし
カイの事も気になるし…

僕は落ち着かない


バレエが一通り終わったけど、僕は席に座ったまま
様子を伺っていた。


前方に座っていた数人の外国人に呼ばれ
カイが客席に降りてきた。

もしかして?!

照れくさそうに、嬉しそうに笑うカイ。

選ばれたかな?!

カイは僕の方を見て、うなずいた

やった!

やったね!カイ!



ふと人の気配を感じて後ろを振り返ると

講堂の入り口にヒョンがいた


僕は一瞬不安になり、ヒョンを見つめた

ヒョンは僕を真顔で見つめている…

ダメ…だったのかな…


いきなりヒョンは頭の上で両手で丸を作り
僕をみてニヤッと笑った

「ヒョン!!!」

僕はヒョンに駆け寄り、抱きつき、
その小さな顔を押さえつけてキスをした

「やったんだね!」

「当たり前だろうが!
それよりお前、ずいぶん大胆だな」

「まわりヨーロッパの人達ばかりだから
大丈夫だよっ」


「カイはどうした?」

「ほら、あそこ」


客席ではまだ外国人に囲まれているカイが
ヒョンのマネをして、アタマの上で丸をつくった

「やったな!」

ヒョンはガッツポーズを見せた。


「よかったよね!
でもさ、渡航準備は僕たちでやってあげようね」

「ああ、お前、同じ大学なんだから頼むよ」

「うん、わかった。」




その夜は秘書と僕たちだけでパーティが開かれた。


パク・テソンが申し訳なさそうに
僕のところへやってきた。

「湖での一件は本当に…」

「もういいんですよ。僕のほうこそ勝手な行動とっちゃって」
僕は安心してもらおうと、ニッコリと微笑んだ。

パク・テソンの頬がボッと音がするかと思うくらい
紅くなった。

「テソン?」

「あ!…いや…あの…なんていうか…」

「飲みすぎましたか?真っ赤ですよ?」

「いえ!いえ…そうじゃなくて」


「はい!そこまで!」
突然ユノヒョンがグラス片手に僕とテソンの間に入ってきた。

「なんなの?!突然」

「し、失礼します!」テソンは逃げるようにその場を去っていった。


「あーー!先が思いやられるな」

「なに?」

「なんでもない。でもお前は大学卒業しても
他の企業にはやらないことにした。」

「んー行くつもりはないけど?」

「どんな輩に目をつけられるかわかりゃしない」

「ヤキモチ?」

「だったら、悪いか?」

「いいよ!大歓迎!」

僕はまたヒョンにキスをした

「最近、ほんとに大胆だな」


パーティの夜は楽しく過ぎていった。



ヒョンはこれから、国の大きな事業を任されて
きっとすごく忙しくなる


僕も一生懸命勉強して、ヒョンの右腕になるんだ




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明日が最終回となります

憧憬(29)

〜〜チャンミンside〜〜



ヒョンのせいで///////

ほとんど眠れず朝を迎えた

こんなんで大学行ってもなぁ、
講義なんて耳にはいらないよ

どうしてくれるの?


ヒョンの寝顔を上から見下ろすと

グッスリと眠ってる。

口が半開きになって、かなりマヌケな顔だけど

その顔立ちはやっぱり整っていて…

熟睡してのけぞっている首から顎にかけて
なんとも言えず色気がある…


なんだか、ズルいよ…
ズルい、という言葉がぴったりだ。



僕はそんなヒョンの頬にそっとキスをしたら

ピクリと眉をひそめたヒョン。


なんだ、本当に寝てるの?


僕がキスしたら、いきなり飛び起きて
僕を組み敷いたりするのかと思ったのに…


少し拗ねた僕はヒョンに背を向けて
また布団に潜った

すると、ゆっくりとヒョンも身体の向きを変えて
僕を後ろからだきしめた。

「ヒョン?起きてるの?」

「ん…」

「今日は休み?」

「ん…仕事…」

「なーんだ」

「休みなんて…何かないと….とれないよ」



そうだよね…誰もが知ってる企業の社長だもんね

それなのに、僕に何ヶ月も付き合わしちゃって。


そういえば…

「ねぇ、ヒョン」

「ん?」

「テミンは…どうなったんだろ」

「ああ、テミンは…とっくに釈放されたよ」

「え?!うそ?!」

僕は起き上がってヒョンを見た


「あいつには、保釈金を支払って
身元を引き受けてくれるヤツなんていっぱいいるんだよ」

「…そうなんだ……でも….どうしてるんだろ」

「そんなに気になるか?」

「結局、テミンには助けてもらっちゃってさ」

「ああ…だけど、会いに行っても断られるぜ」

「なんで?」

「そういうやつだよ…いろんな意味で」

「好きだったんでしょ?テミンのこと」

「ああ、助けてるうちにね…一時期本気になった」


本気か…本気って聞くと、やっぱりちょっと嫉妬するな。


「最後まで、俺にはあいつが理解できなかった。
ダメになった理由はたぶん…それだな。」


「わかりやすいのがいいの?」


目を閉じたまま、フフッとヒョンが笑った。

そのうち、かなり笑い出して
布団の中でエビのように身体をくねらせて笑い出した。

「なんなんだよ!そんなに笑うことないのに」


「あーあ、可笑しい…ごめんごめん」

「なんだよ」

何がそんなにおかしいんだ!

「おまえ、ほんとに可愛いな」

「意味わかんないし!」

ヒョンは寝たまま腕を伸ばし、
僕の肩をつかんで布団に引き込んだ

「イタっ!痛いよ!」

僕はまた後ろから抱きしめられた


「わかりやすいのがいいよ」

「バカにされてる気がする」

「悲しいのかシアワセなのか、ストレートなのがいいよ。
昔っから、おまえはわかりやすくて可愛い」

「んもう!また小さい頃の話をだす」

「おまえが、俺のこと大好きなのは
小さい頃から知ってたよ。
顔に " ユノヒョン、だいすき" って、いつも書いてあった」

「ふん!」

僕は鼻の奥がツンとして、朝の空気が目にしみたのか…なんだか目尻に涙がにじんだ…




〜〜イ・テミンside〜〜





長い眠りばかり続いて…

起きている時間はほんのすこし…



誰かの話し声が聞こえる

「内臓の各器官はもうかなり…脳も…」


僕の身体が、ボロボロだって

また眠気が襲ってきて…



次に目覚めたら、僕は窓辺のベランダで
車椅子に乗っていた…



「気分はどうだ?」

「….だれ?」

かすんで目が見えない


「アジョシだよ」

「会長?」

「そうだよ」

「パク会長?」

「そうだよ、テミン」

「あ…」



「今日は考えがまとまってる?
バラバラにならない?」

「うん、大丈夫かも…」

「それはよかった」




「アジョシ…ごめんね」

「なにが…?」

「ぼく、こんなんでさ?助けてくれたんでしょ?」

「どのみち、出られたさ」

「もう、死んじゃうから?」

「…………そんなこと言うな」


「でも…」


「テミンはいい子だから、出られたんだよ」

「いい子?そんなわけない…」


「がんばって生きてきたじゃないか。
誰かを精一杯愛したりも、しただろ?」

「うん…愛した…」

「じゃあ、それで十分だ」



「アジョシはいい人だね」

「アハハ…ヤクザになに言ってんだか」


「大好きだよ、アジョシ…
僕、最後までアジョシのそばにいたい」


「ずっとそばにいるよ…安心しな」

「うん…なんかさ…でも…たくさん起きていられない」

「いいよ、もう寝な。おやすみテミン」

「次に起きても…僕のそばにいる?」

「大丈夫だ。そばにいるよ」

「ありがとう…」

僕はまた眠りについた…

「ずっとずっと…お前のそばにいるから」


そういえば…


あのチャンミンはどうしたのかな?

僕は手錠をはずしてあげたんだっけ?



ユノヒョン…あなたが幸せでありますように…

あなたと過ごしたほんの3ヶ月が…

僕の人生のすべてだって、思ってる…

そう思うと…僕はほんとうに幸せに…

眠れるんだよ…



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☆テミンのそばにいてくれるパク会長は
ユノとチャンミンの披露宴にテミンを同伴してきた
大物です。

憧憬(28)

〜〜チャンミンside〜〜


僕はユノヒョンがどうしても行けと言うので
定期的に医者に通うことにした。

ヒョンの息のかかった医者なので
なんでも相談できる。


「フラッシュバックは何年も続くかもしれませんが
やり過ごす方法を自分で工夫してみてください。
今のところは特に問題ないですね?
誘惑には負けていませんね?」

「はい、大丈夫です」


医者の説明をヒョンは一緒に聞いてくれる

帰り道、やっぱりヒョンは気になったみたいで。

「フラッシュバックが….まだあるのか?」

「すごくたまに…ね。でもほんと一瞬」

「先生の言ってた やり過ごす方法ってのは
なにかあるのか?」

「あるよ、たとえばこうやって」

僕はヒョンの手をギュッと握ってみた。

「あー、お前たまにやるね、それ」

「やるでしょ?」

「俺がいない時はどうするんだ」

「今夜会える、って思うから大丈夫」

「そうか…でもさ、ダメな時は電話しろよ。」

「わかった」


「そういえば、新しい家行ってみるか?」

「いいの?!行きたい!!」




僕たちはもうすぐ引っ越しをする。

あのタワーマンションからヒョンが選んでくれた
郊外の一戸建てへ。

いくつかの荷物はもう新居に運んでいるようで
僕は今日はじめて訪れた


「どうだ?」

「いいね!静かだし、木造っていうのが
あの湖畔の家みたいでさ。今度は庭もあるし」

「だろ?離れにジテ達が住むんだ。」


「ねぇ…」

「なんだ?」


「前のマンションと違ってさ、
寝室がひとつだけど…」

「…なんだよ、不満か?」


「別に?どっちでもいいけどね」

「なんだよ、どっちでもいいのか。
すげぇいいベッド入れたのに
だったら俺の寝室にするからいいよ」

「うそだよっ!一緒の寝室がいいに決まってるじゃん」

「無理すんな!」

僕は拗ねてるヒョンの首に、甘えて抱きついた

「そんないいベッドいれたの?」

「そうだよ。船便だっていうから早めさせた。
布団もそろそろいいのが届くはずだ」

「見てもいい?」

「いいよ、そのかわり今そのベッドで襲うかもだけど」

僕は照れ臭くて、身を捩って笑った

ヒョンが眩しげに僕を見る

「お前さ」

「え?」

「お前の笑顔は本当に…」

ヒョンが優しく僕を包み込むように微笑む

その優しく弧を描く綺麗な目が
溢れるような白い歯が

僕はたまらなく大好きだ

「あなたの笑顔も本当に…」

僕はヒョンの頬にキスをした

ヒョンはそのまま僕の頭を押さえて
深くくちづけてきた…


「コホン」

僕たちはバッと離れた

「爺!なんだよ!ノックしろよ!」

「申し訳ございません、ユンホ様。
ドアが開いておりまして。
終わるのをお待ちしていたのですが、
なにやら始まってしまいそうでしたので、
失礼ながら合図をさせていただきました。」

「だから、なに?」

「イタリアからお布団と枕が届いております」

「チャンミン、完璧だな?」
ユノヒョンがニヤッと笑った

「なにがだよっ!恥ずかしいなぁもう!」

ジテ爺のその笑顔がさらに恥ずかしいんだけど。


お布団と枕はそのまま開梱せずに
ベッドの上に置いておくことにした。

執事がいろいろ動き回ってる時に
ユノがはじまってしまうと困るからね



お茶を飲みながら、ヒョンが言った

「大学は留年だな。すぐウチにくるか?
あんなシステム作って貢献したんだから
みんな大歓迎だぞ?」

「だけど、あれは…」

「大丈夫だよ。徹底的に調べた。
お前が心血注いだだけあって、ほぼ完璧だ。」

「違法…なんだよ?」

僕は声をひそめた。

「あのな…これだけの企業になったら
もう何が違法かもわからない世界だよ」

「そうなの?!」

「でも、お前があそこまでしてくれなかったら
俺は今度の入札には参加できなかったかもしれない。
大抵はあそこまでくるのに、どこからか情報が漏れて、おジャンになるケースが多い。
お前が1人でやってくれたのが大きかったよ」

「ほんと?!そう言ってもらえると、すごく嬉しいよ」

「あれはすごいぞ。よくやったな」

褒められて、僕は嬉しくてたまらなかった


「だけどチャンミン…お前はそのために」

「大丈夫….ヒョンは責任感じることないんだよ」

「あー?俺は責任感じたいね
責任とって、お前をずっと側に置いて
面倒みさせてもらうよ」

「なんだよー窮屈だな」

「悪いがもう決めた」

「でも、僕はちゃんと大学は卒業したい。いい?」

「もちろん、いいよ」


「ねぇ、ヒョン」

「なんだ?」

「僕ね、籍はこのまま、入籍し直さなくてもいい」

「え?なんで?やり直そうぜ?」

「いろんな事あったけど…
ツライことや、誤解してたこと、
始まりも最悪だったしね、入札された僕、なんて」

「だからさ…」

「でもさ、それもこれも僕たちの歴史かな?なんて
そう思うんだよ。
そこを無しにしなくたっていいじゃん。」

「チャンミン…」

「ってか、離婚するのが…
ちょっとの期間でもやだ!なーんて」

いきなりヒョンが立ち上がった

「な、なに?」

「お前、そんなこと今言っちゃダメだったな」
言うやいなや、僕の手を取り無理やり寝室へ向かった

「ちょっと!ヒョン!」


「あのーユンホ様」

「だから、なんだよ!爺!」

「お布団と枕は開梱してセットしておきました」

「おー!そうか!ありがとな」

「ヒョン!////////」



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