プロフィール

百海

Author:百海
百海(ももみ)と申します。ホミンペンです

はじめまして

はじめまして。

ここに書かれているお話しはすべて百海のアタマの中の空想・妄想からなるお話です。

主人公はアジアのスター、韓国の人気男性デュオのお2人ですが

名前とイメージのみで実在の人物とはまったく関係ございません。

そんな2人が愛し合うという、BL小説です。

お2人のイメージが崩れる、BLがわからない、嫌い、許せないと嫌悪される方、
または18歳以下の方は閲覧されないようお願いします。

他にも同事務所のアーティスト様や韓国の俳優さん、女優さんのお名前が出てきますが
同じくご本人とはまったく関係ない空想・妄想の人物になります。

キャラ設定もお話しによってさまざまです。

ご自身が傷つきそうであれば、閲覧されないようお願いいたします。


世知辛い世の中、辛い現実、刺激のない毎日、
そんな日々をこの美しいお2人で癒されたい、と私と同じようにお考えの皆さま、
私、百海の妄想にお付き合いいただければ幸いです。

しつこいようですが、百海固有の空想・妄想のお話しです。
お話しの内容にクレームをつける、誹謗・中傷はご遠慮願います。

性描写が描かれる場合はパスワードによる閲覧となります.
パスワードに関するお問い合わせもご遠慮ください。





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イ・テミンの恋(完)



いつまでも機嫌の悪そうなテミンをユノが構う

「俺のために怒ってくれてるのか?」

「…だって…せっかくユノヒョンが…」

ユノはうれしそうに目を細めて微笑む

「うれしいなぁ、お前はほんとに可愛いよ」

ユノがせっかく作ったデザートを冷蔵庫からひとつ取って、生クリームで飾り付けを始めた

「テミンには特別にデコレーションしてやるから」

「え?」

僕に?特別?

「ああ、飴細工もつけてやるからね」

ユノはその綺麗な手で、あっという間にシンプルなデザートにデコレーションを施した。

キレイな飴細工と、カラフルなチョコチップも。

皿を移し替えて、チョコでTAEMINと文字も書いてくれた。

うれしかった

大好きなユノが、僕にだけ特別に作ってくれた
デザート。

僕の名前を描いてくれて…

なんだかたまらない気持ちがこみあげてきて
テミンは喉の奥にツンとした痛みを感じた。

「とてもじゃないけど…食べれませんよ」

「なんでだよぉ、味もいいんだぞ?」

「わかってますけど…なんか、うれしすぎて」

「可愛い事言うなぁ、テミンは」

そう言ってユノはテミンの柔らかい髪をクシャクシャと撫でた。

その豪華なデザートを前にして
気づけば涙で滲んで、せっかく描いてくれた自分の名前がよく見えない。

テミンは目をこすった。

ユノがその様子を見て、テミンの肩を抱いた

「なんだよ、テミン、泣いてんのか?」

「へへっ」
照れたように泣きながら笑うテミン

「そんなにうれしいか?じゃあ、また作ってやるから。今度のお前の誕生日にはもっと豪華なやつ」

「はい」

肩を抱くユノの大きな手が温かい

このパーティが終わったら、この店を辞めようと
ユノに言おうかとも思っていた。


でも…僕はやっぱりあなたから離れられない


たとえ、弟でも構わない
いや、弟なら一生側にいていいかな。

恋人なら別れることがあっても
僕は弟としてなら側にいられる

望んだカタチではなくても、ユノの中に僕の居場所がある限り側にいたい


「ユノヒョン、ありがとう」

「いいよ、今日はほんとにありがとな」


「キャンドルもつけていい?」

「ああ、いいよ」

テミンがそのデザートにキャンドルをさして
火を灯した。

柔らかなキャンドルの灯りが薄暗い店内を優しく灯す。

残っていた女の子たちも帰って行き
店は静かになった。

「ヒョン…」

「ん?」

「僕…もっとがんばります。
精進して、もっとこの店が繁盛するように」

ユノの優しい笑顔がキャンドルの光に揺れる

「もう、たくさん頑張ってくれてる」

「へへっ」


「ゆっくり食べな、味わうんだぞ?」

「はい」

厨房の作業用の椅子に座って
テミンはそのデザートにスプーンを入れた

甘いだけではない、しっかりとカカオの苦さも効いた
なかなかのデザートだった。

「うーん!美味しい!」

「だろ?見た目だけじゃないんだよ」

「これは特別だしね?」

「そうだよ、特別なテミンバージョンだ」


穏やかな時間が流れた


今まで、どうにかしてこのキレイな人を自分のものにしたくて、もがいていた自分が滑稽に思えてきた。

もう十分、僕のヒョンだ。

ろうそくの柔らかな光を見つめている
そのユノの横顔が美しすぎて、目眩がしそう

「ねぇ、ヒョン」

「ん?」

テミンを見るユノの瞳に、揺れるろうそくの灯が映る

「この間言ってたこと、ほんと?」

「お前と夢を叶えるって話?」

「あ、すごい、覚えてた?」

「なんの話?って聞くと思っただろ?」

「うん。」

「適当にそんな話をしないよ。
いつもそう思ってるし」

「じゃあ、僕もユノヒョンとこの店をがんばる」

「そうか?うれしいな、そう思ってくれると」

「でも、なんで僕なの?」

「まず、センスがあるし、腕もいい」

「うん…」

「あとは、やっぱり」

「やっぱり?」

「あの捨て猫みたいだったテミンが
俺についてきてくれて、ここまで成長したっていうのが
なんていうか…」

「フフ…なんかくすぐったいけど、めちゃくちゃ嬉しいよ」

「そう?」



ふと、店に誰かが入ってきた気配がする

鍵閉めたはずだけど?

立ち上がろうとしたテミンをユノが制した

「ここで食べてて、見てくるから」


ユノが店内に出ていくと店内から「ユノヒョン!」
と、チャンミンの声がした

テミンはふと、スプーンを持つ手が止まったけれど
フッと微笑んでまたデザートを食べ始めた


「チャンミン、どうしたの?みんなは?」

「抜けてきたんだよ」

「なんで?」

「え?なんでって、ユノがいないから」

「俺?」


テミンはそんな2人の会話を聞きながら、チャンミンの苛立ちが手に取るようにわかった。

まったく…あなたって人はほんとに…

どうしてチャンミンがひとり抜けて帰ってきたのか
わからないんですか?

テミンはひとり苦笑した


「いやだった?僕が帰ってきたら」

「何言ってるんだよ、そんなことあるばすない」


チャンミンがユノに飛びついたのだろうか
なにやら、ガタッと音がした。

「うわっ、重いよチャンミン
イタリアで太った?」

「ユノがひ弱になったんじゃないですか?お?」

「アハハハ…」

「ユノ…」

「ん?」


「ただいま」

「うん、おかえり」


「それだけ?」

「他に何か?」

「浮気とかしてないよね?」

「はぁ?するわけないだろ」

「僕に…会いたかった?」

「会いたかったよ」

「ほんと??」

「なんで浮気するんだよ」

「もう離れないからね」

「ああ、もうどこへも行くな」


甘えるチャンミン

なんだ、あんなにクールに振舞って
もう落ち着いたカップル感かもしだしてたけど

全然違うじゃないか

テミンはデザートを食べながら
もう可笑しくて仕方ない

甘えて、グズって、ベタベタじゃないか

ヤキモチも丸出しで、
結局、早く会いたくて帰ってきたんじゃないか

テミンは笑い声が出そうになるのを抑えた。


そのうちに、リップ音が聞こえてきた


「ちょっとチャンミン…」

「あ、なんで拒否するのっ?」

「違う、テミンが…」

ユノの声がだんだん小さくなる

「え?テミンがいるの?」

「そうだよ」

「早く言ってよ!」


お邪魔かな?僕。

テミンはデザートを冷蔵庫にいれようかと
皿を探した。

その時、ひょっこりとチャンミンが厨房を覗いた

「テミン!」

「あ、はい」

「よかった、今日渡したいものがあってさ」

「え?僕に?」

驚くテミンにチャンミンが茶色の紙袋を渡した。

「なんですか?これ」

「お土産」

「え?僕に?」

「そうだよ」

「あ、ありがとうございます。
開けても?」

「開けてみて」

チャンミンが笑顔だ。

袋から出てきたのは、黒いカフェエプロンだった。

シンプルだけど、なんともいえない上品な黒。

腰に巻いて見た。

「うん、テミンは肌が白いからよく似合う」
チャンミンが満足そうに腕組みをする。

ユノが店から厨房に入ってきた

「お?似合うね、テミン」

「ユノにもお揃いで買ったんだよ」


え?僕と…ユノにお揃いで?


「うん、2人がお似合いで
嫉妬しないわけじゃないけどさ」

チャンミンが口をとがらす

「今、抜けてきた飲み会でも、テミンを紹介してくれって、すこい騒ぎ」

「え?僕?」

「すごい人気だよ?店のお客さんの間でも今、大人気だって」

「アハハ…まさか。この店はユノヒョンの人気でもってるようなもので…」

「え?俺の作った料理が人気なんじゃないのか?」

ユノが不服そうに口をはさむ

「とにかく!」

チャンミンがユノの肩を叩く

「2人の人気が店の魅力なのは間違いないから
これからもがんばって」

テミンは黒いカフェエプロンを撫でた

「チャンミンさん」

「ん?」

「ほんとにありがとうございます」

テミンはにっこりと微笑んだ

「ユノヒョンがあなたにデザートを考えたんですよ、
スペシャルです」

「えー!そうだったんだ、さっきはバタバタと店でちゃったからな。見せて!」

ユノが満足そうに、デザートをチャンミンに出してやった

「お前のために考えたんだ」

「……」

チャンミンが黙り込んでしまう

「気に入らないか?」

「なんで?」

「なにが?」

「テミンのほうが豪華だけど…」

「あ…」

テミンもユノも固まった

チャンミンの顔がみるみるスネていく

「わかったから、お前のも同じにしてやるから」

ユノの慌てた顔とムッとするチャンミン


テミンは笑いを抑えながら席を立った

「僕はもう帰りますね。ヒョンはデザートを豪華にしてあげてくださいね」

「もう帰るのか?」

不思議そうな顔をしているユノ。
どうしてこうも状況が読めないのか

「はい、それじゃチャンミンさん、おやすみなさい」

チャンミンはニヤッとテミンに笑いかけた

「おやすみ、テミン、ありがと」


お幸せに…

可愛くて…幸せな2人


テミンは寒くなった夜空を見上げた

そこにはまあるくて白い月が微笑む

明日もがんばろう

ユノヒョンのために

そして僕のために




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イ・テミンの恋(4/5)




ガチャと厨房のドアが音を立てて
テミンはハッと我に返った。


「テミン、おはよう!早くから悪いね」

ユノが爽やかに入ってきた

厨房の空気が途端にカラッと明るくなるようだ


「おはようございます。」

心なしか、ユノの表情が明るい

チャンミンが帰ってくるのが
そんなに嬉しい?


「まずは開店準備を済ませてから
ちょっと相談したいんだ」

「もう準備は半分くらい済ませました」

「え?」

ユノは冷蔵庫の中を確認した。

「ほんとだ。テミンはいつから来てたの」

「なんか、眠れなくて…」

「そうなんだ、大丈夫か?」


「大丈夫です。話を聞きますよ、
チャンミ二ヒョンが帰ってくるのは来週ですよね」

「ああ、空港からここへ直行する予定なんだ」

「家に戻らず?」

「そう、だからほんとにウェルカムパーティーなんだよ」

「わかりました。
じゃあ、メニューはなにが一番いいか
ユノヒョンが決めてください」

「えーっと、まずね」

チャンミンの好みを把握しているユノが、
次々とアイデアを出して
あっという間に当日のメニューは決まった。


ユノはデザートに工夫を凝らした。
チャンミンのために特別なデザートを用意していた。

きっと、ずっと前から考えていたに違いない
そんな様子がうかがえる凝ったデザートだった。

何事もなく、いつものような1日だったけれど
明らかにユノのテンションは上がっていた。

そしてチャンミンを迎える為のいろいろな事がバタバタと決まっていく。


翌日には、ユノの古くからの友達が飾り付けの打ち合わせに来た。

その1人が、ヒチョルさん。

その辺の女性より綺麗な人だけど、
その中身はとても男らしい

ユノはヒチョルさんに出すワインの用意を忘れ
止めるのも聞かずに買いに行ってしまった。

誰もいない店内でテミンはヒチョルと2人きりになってしまい、少し緊張していた


以前からなんとなく…

テミンはこのヒチョルに、自分の気持ちを見透かされているような、そんな気がしてならなかった。

案の定、ヒチョルの方から軽くジャブが放たれた


「テミナ」

「はい」

「ユノ店長最愛のチャンミンが帰ってくるよな?」

「…はい」


「この2年間、お前なにをやってたんだよ」

「え…」

「ユノを寝取るんじゃなかったのか」

「ね、寝とるなんて…なんてこと言うんですか」

直接的すぎる物言いにテミンは焦ったけれど
そんなことお構いなしのヒチョルだった。


「ん?違ったか?
そんな覚悟を決めた顔していたけど」


「いつですか?
して…ませんよ…そんな顔」

「俺はお前の活躍を楽しみにしてたんだぞ?」

「寝取るとか、そんなガツガツしてませんよ」

「なんだ、そんな中途半端な気持ちだったのか」

テミンはムッとした

中途半端な気持ちで、2年間もそばに居ないよ…

「だったら、さっさと別のヤツ見つけた方がいいんじゃないか」

「僕は…別に…だれかそういう相手が必要ってわけじゃないんですよ」

「ユノだから…ってわけ?」

「……」

「ま、チャンミンがいるからな」

ニヤリとヒチョルが笑う

直球だなぁ…
その言葉には思いやりのかけらもない
あるのは…事実だけ

テミンはため息をついた

そんなテミンを横目で見ながら
ヒチョルは言い聞かせるともなしに話し出した

「残念ながら、あの2人は離れないだろうね」

「どうしてですか」

「あいつらは、2人で地獄から抜け出てきたんだよ
それこそ、手に手をとって」

「地獄?なんですか、それ」

「俺が話すことじゃないから、言わないけどさ」

「何かあったんですね、2人」

「まあね。俺たちはどうすることもできなくてさ。
でも、あいつらは抜け出したんだよ。2人の力で。」

その時、ヒチョルの心には、
あの頃のユノとチャンミンがぼんやりと浮かんでいた

やせ細ってその窪んだ大きな目でまわりを睨みつけていたチャンミンと、
全てを飲み込もうと、もがき苦しんで耐えていたユノ

ヒチョルはかぶりを振って、その残像を払いのけた
今はもう、幸せなんだから…いいんだ。


そんな苦い思いをしているヒチョルをテミンはじっと見つめていた。

いったい…何があったと言うのだろう…

以前にチラッと誰かもそんなことを言っていた。

たしか、誰かがチャンミンを慕っていると言った時、やめておけ、と言う感じで諭されていた。

「あの2人をだれも引き離せないよ。
いろいろあったからね。そう簡単に解ける絆じゃない」

そんな風に言われていた


テミンはぐっと奥歯を噛み締めた

仕方ないよ…僕より先に知り合った2人なんだから。

そんなテミンをよそに、ヒチョルはいつの間にか1人仕事モードになり、店の中をくまなく観察して、あれこれアイデアを練っていた。

飾り付けのおおまかな計画と、
それまでに片付けておいてほしい家具の話。
パッパッと決めて、メモにしてテミンに渡した。


「これで、やっと2人は落ち着いて暮らせるってわけだ」

「……」

ヒチョルはそう言いながらチラッとテミンを見やった。

「後は、じゃあ来週に」

「はい」

後ろ手にヒラヒラと手を振りながらヒチョルは帰っていった。

結局あの人は僕をからかいに来ただけじゃないか。


ヒチョルの去ったドアを見つめ
テミンはため息をついた。


また、2人は一緒に暮らすんだ

そりゃそうだけど…
毎朝、甘い余韻を纏ったユノなんてゴメンだ。

これから先の事を思い、テミンは憂鬱になっていた。


そこへやっとユノが帰ってきた


「お帰りなさい。
ヒチョルさん、さっき帰っちゃいましたよ
どこまで買いに行ってたんですか?」

「アイツの好きなワイン、どこにも置いてなくてさ」

「どこにでもあるようなモノじゃないですよ」

「でも見つかったんだよ、今そこで会ったから渡してきた」

子供のように嬉しそうなユノ

「あ、そう…なんですか…それはよかった」

浮かれるユノに言いたいことはいろいろあったけれど
何を言っても、自分をかまって欲しいと結局はそんな意味の話になってしまいそうで。

テミンはそのイライラを自分で収めるしかなかった。


そうして、いつもの忙しい時間が訪れ
あっという間に1週間が過ぎていった。


そして、いよいよチャンミンが帰国する日になった。
天気が良くなりそうなそんな朝。

テミンはいつもより、早く店に来たのに
ユノはもっと早くから来ていた

「すみません、僕の方が遅くて」

「おはよう、テミン。
いいんだよ、俺昨夜からここにいるんだ」

「え?寝てないんですか?」

「さっき、椅子でウトウトしたから大丈夫」

「そんな…」

「いや、ほんと」


そりゃね?嬉しいだろうけど
寝ずに迎える準備をするなんて、どれだけ溺愛なんだよ…


押さえているはずの気持ちがモヤモヤと黒い霧を纏ってテミンに湧き上がる

やがてヒチョルもやって来て
貸切の店内の装飾がはじまった


テミンはそんな朝からの様子を冷めた目で見ていた

まるで子供の誕生日会みたいだ

バカみたい


やがて、チャンミンを迎えるために友人達も集まって来た。

ユノもチャンミンもそれぞれの友達の他に
共通の友達もいて、かなりの人数になった。

椅子やテーブルを足したのにまだ足りない。


ユノもテミンも大忙しで
いつチャンミンが入って来たのかテミンは気づかなかったくらいだ。


チャンミンがてんてこ舞いの厨房をひょっこりと覗いた。

「ヒョン?」

あ、チャンミンさん…


ユノはソースを温めていた鍋を止め、
グリルした鶏肉にかけるところだった。

ユノは大して驚いた風でもなく…

「チャンミン、早かったね」

「うん、あ…今、忙しいよね」

誰のためにこんなに忙しいと思ってるんだよ

チャンミンはテミンに笑みを向けた

「テミン、元気そうだね」

「おかげさまで。お帰りなさい、チャンミンさん」

テミンは更に忙しそうなフリをして、
少しだけ微笑み、カタチだけの挨拶をした。

「邪魔になりそうだから、後でね」

そう言って、チャンミンは店内に戻って行った。

大きな笑い声や、グラスや皿の音
チャンミンが面白可笑しくイタリアの話をしている

そんな様子がこちらの厨房からはまるでテレビを観ているように別世界に感じる。


ユノもみんなの輪に入ればいいのに。

っていうか、ユノも参加できるように
最初から、別の店にすればいいのに

なんでそんな気遣いがチャンミンはできないのだろう

僕だったら…まずは2人で過ごしたいと思う。

まるで熟年夫婦のような落ち着きぶりに
少し興醒めだ。

付き合いが長いとこんな風になるものか

そんな2人なら、刺激的な誰かが登場したら
あっという間に持って行かれてしまうだろう

たとえば、僕がユノを…

いつまでもそんな思いが消えない自分にも嫌気が差すけれど、

あまりにユノの存在がおざなりにされていて
なんだかこっちまで腹がたつ。

やっとデザートまでこぎ着けて
なんとか先が見えて来た

「ユノヒョン、みんなのところに行ってください」

「え?なんで?」

「なんでって、今日はチャンミンさんの帰国パーティなんですよ?ユノヒョンが側に行かなくてどうするんです?」

「いいんだよ、そんなの」
ユノは微笑んだ

「厨房は僕はひとりで大丈夫です」

「ありがとな。でもテミンひとりじゃ量が多すぎる。
一緒にやろう」

一緒に…という言葉が心に染みる

テミンはそのまま下を向いてしまった。
もう…ほんとうに大好きだよ…ユノヒョン

今日から…ユノはチャンミンの待つ部屋へと帰るんだ。

僕の期待や願いは見事にやぶれて
結果的に…失恋なんだ

わかっているけど

これからも、こんな気持ちを持ち続けたまま、
ここで、この人の側で仕事なんかできるのだろうか。

テミンは自分の気持ちが持ちこたえられるか不安になった。

今まで、まったく考えられなかった、あるひとつの考えが少しだけ影を落とす


店を辞めて、ユノから離れようか…

その方が、少しは気持ちが楽になれるかもしれない


そんな風に考えたら、涙がでそうだった。

テミンはくちびるを噛んだ


ふと気づくと、店内がガヤガヤと騒がしくなった。

店のフロアを覗いてみると、チャンミンが何人かの男女に取り囲まれて、外ヘ連れ出されようとしている。

みんな、ゲラゲラと笑いながら、
当のチャンミンもとても楽しそうだ


え?

どこへ行くの?

これからデザートなのに


ひとりの女性が笑いながら、厨房までフラフラとやってきた。

酔っ払ってるのだろうか。


「ユノオッパー!チャンミン誘拐してくぅー!」

連れ出すの?

「あ、あの…」

そう僕が言いかけると

「はーい、お手柔らかにね」

そう言って、ヒラヒラと手を振る笑顔のユノ

テミンは驚いてユノを見た

「これから、あのデザートなんですよ?」

「タイミングが合わなかったな」

そう言ってバツが悪そうに微笑むユノ。


「チャンミンさんのための…特別なデザートなのに。
引き止めないと!」

「テミン、店側の都合で料理を出したらダメだよ。
客を引き留めたりしちゃダメだ。」

「だって…客っていっても、チャンミンさんじゃないですか」

「チャンミン以外の人はみんなお客様だろ?」

「だけど…」


納得がいかないテミン

ユノは忙しくてみんなの輪に入れず
挙げ句の果てに、チャンミンはあっさりとみんなと
次の店に行ってしまった

せっかく、チャンミンのためにデザートを用意していたというのに。

騒がしい団体が店を出て行って
店内は一気に静かになった


「ユノさん」

「ん?」

ユノは自分で作ったデザートにスプーンを入れようとしていた。

「なんか、僕、よくわかりません」

「なにが?」

「好きな人ってもっと特別じゃないですか?」

「俺にとっての…チャンミン?」

「そうです」

「特別だよ」

「ユノヒョンとチャンミンさん、お互いに信頼してるとか言ってカッコつけてるけど、ユノヒョンばっかりムリしてる」

「お互いにって…チャンミンも俺を信頼してるって、そう言ったのか?いつ?」

しまった…

テミンは、かつてユノのことで、チャンミンと少し険悪になったことを話してない

「いや、そんな気がしただけ」

「そう…」

ユノは冷蔵庫からデザートをいくつか出して、
2次会へは行かずまだ店内にいる女の子たちに持っていった。

きゃあ、という歓声と共に
女子たちがデザートに喜んでいる。

優しい笑顔で、ひとつどうですか?なんて。
これだから、ユノは本当にモテる

こんなステキな人を置いて2次会へ行くなんて
信じられない。

テミンは空いた皿を片付け始めた

心はずーっとモヤモヤとしたたままだった



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イ・テミンの恋(3/5)



ユノはふんわりとテミンを抱きしめた

可愛いテミン

野良猫のように街を徘徊して、自暴自棄になっていたテミンがいつのまにか自分に懐いてくれている

慕われている、という自覚もあった。

そしてその思慕には、単純な兄へのものだけではないことも、薄々と感じてはいた。

ユノはトントンとやさしくテミンの背中をたたく

抱きしめるにしても、弟へのそれと、愛する者へのそれと、一線を画すという抱きしめ方をユノは知っていた。

もちろん、テミンには弟への愛情で抱きしめた


「なんかあったか?」

「はい」

「つらいこと?」

「はい」

「俺に話して、気持ちが軽くなるなら話して?」

「いや、もっと辛くなるから」

「…テミン」


テミンは顔をあげて、切なくユノを見つめた

透き通る肌に大きな瞳
その瞳は一途で切なく輝いている


「ひとつ教えてください」

「なに?」


「あなたの中に僕の居場所ってありますか?」

切羽詰まったように、懇願するように
可愛そうなくらい真剣なテミン。


ユノは愛しそうにテミンを見つめ
その頬に流れる涙をきれいな指先ですくう

「あるよ」

「ほんと?」

「ああ、ほんとだ」

「それは…どんな場所?」

「俺はテミンがいないと、夢を叶えるのが難しい」

「夢?」

「この店はお前がいないと、やっていけない。」


そういうこと…


テミンは大きくため息をついて、ユノから身体を離した

「従業員として…今、辞められたら困るってこと」

「そんなドライには考えてないよ」


テミンの眼差しは真剣だった

「僕はあなたの心の中に少しは存在してるんでしょうか?」

「………」

「何かの時に…たとえば雨が降って憂鬱な時とか
仕事で疲れて…帰る時とか…
そういう時に、僕を思い出すことなんてないですか?」

「テミン…」

「はい…」

「俺はそういう時、チャンミンを想うんだよ」


やさしく、はっきりと、ユノは言った。

「わかって…ます…
でも、たまには、すこしだけでも僕を…」

「テミン」

ユノはテミンの両肩をつかんで
言い聞かせるようにやさしい声で話しかける

「俺は、ここまでテミンを育ててきたつもりだ。
荒れ果ててたお前を少しは立派に更生させた自負もある。」

「……」

「そんなテミンと店をやれて、嬉しいし、楽しい。
俺の夢はテミンと共にあるんだよ。他の奴とこの店をやるつもりはない」

「ユノヒョン…」

「だけど…」

「……」

「俺がそう思うことが、お前にツライ思いをさせるなら、俺は自分のそんな我儘を押さえないとな。」

「ヒョンは我儘でいいから!」


「だけど…俺の中にお前が住んでいるとしたら、
俺の可愛い弟、頼もしい後輩としてだ。
そんな存在のテミンが大好きだ」

大好きだ…というユノの言葉を噛み締めて
テミンはぎゅっと目を閉じた


「それ以外の居場所は、俺は与えてやれない」


「チャンミンがいるから?」

「そうだよ」

「…ユノヒョンを…置いて…勝手にどこかへ行っちゃうような人…」

「テミン…」

「僕はそんなことしない。
あなたに寂しい思いなんかさせないよ」

「そんなこと言われたら
俺はお前を手放さなきゃいけないね」

「ユノ…」

「これ以上一緒にいるのはよくない」

「ここを…出て行かないとダメ?」

「そんなことして…お前、どこに行くんだよ」

ユノの瞳は本当に弟を心配して
どこまでも優しい…

でも、テミンに勘違いをさせないような強さもあった。


離れたくない…
そうテミンは強く思う

弟なら、後輩なら
愛してもらえるんだろうか…

それがいつしか、チャンミンへのそれと代わったりしないだろうか。


あるかもしれない…


テミンの瞳に色が宿る


「………ごめんなさい」

「テミン…」

「勝手なこと言って困らせてる」

ユノはうつむくテミンの顔を下から覗きこむ

「わかってくれた?」

「うん…」

「いい子だね…」

ユノはテミンの柔らかい髪を撫でる


今は…今は可愛い弟でいてあげる

だけど…



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イ・テミンの恋 (2/5)




テミンはまだユノが来ていない店にひとりやってきて、ひととおり開店準備を終えた。


銀色の大きなシンクで手を洗っていると
ユノとの数少ないスキンシップのひとつを思い出す


テミンの手に残る、薄茶色の痣


あれはいつの頃だっただろうか

料理をするテミンの手に高温の油がかかった

「痛いっ!」

熱い、というより痛かった

「テミン!!!」

ユノの行動は素早かった

後ろからテミンを抱きかかえると、押し倒すようにこのシンクに引っ張り込んだユノ。

蛇口から激しく水を出し、赤くなったその手を流水に晒す

ユノが後ろからテミンの耳元に言葉をかける


「大丈夫だから、心配するな」


痛いか?とか平気か?とかではなく
大丈夫だから、と、まずはテミンを安心させてくれた。

ユノの優しい声がテミンの耳に甘く響く

状況はどうであれ、ユノに後ろから包み込むように抱かれ

背中に感じるユノの温かさに
テミンは手の痛みが鈍って行くように感じた


この手の痣がどうか消えませんように
あの背中に感じたユノを忘れたくない


テミンはそっと、その痣を撫でた。
その長いまつげが寂しげに伏せられる



2年前のその頃、チャンミンはイタリアに発って、
すぐに最初の休暇をとって帰って来た。

普段はいろいろとテミンをかまってくれるユノが
チャンミンが帰ってくると、心ここにあらず…

テミンと2人でいても、ユノの心はチャンミンに奪われて帰ってこない

わかってる、わかってるけど…

テミンはそんな状況に我慢ならなくなってきた

そしてとうとうユノがチャンミンに気を取られすぎて
食材の発注をミスしてしまった。


「ひとつ言っていいですか?」

「うん…」


テミンの怒りはユノに伝わっている

「恋人が帰ってきているということで浮かれるのはわかります」

その男らしく美しいユノが歳に合わないバツの悪そうな顔をする。
まるで叱られた仔犬のようだ。

「でも、仕事はきちんとしてください。
材料の受注はヒョンが責任を持つってことでしたよね?
それが何もされてなくて…今日はどうするの?」

「ごめん…何かメニューを考えるから」

「………」

ユノの襟元から、紅く甘い痕が覗いている

コックスカーフで隠すから構わない、とユノがチャンミンに言ったのだろうか。

その長い首すじに紅い花がいくつも咲いている

それは昨夜、愛するチャンミンとどれだけ濃厚な時間を過ごしたのかを物語る

その行為でこの綺麗なユノはどれだけの色香を発するのだろう

その引き締まった凛とした身体は
どのように動いて相手を責め上げるのだろう

どんな吐息で

どんな声で

どんな瞳で…

きっと眉をしかめ、苦しげな表情で快感に耐えるのだろう

その対象が自分ではない、という事実が、
ガラスの破片となってテミンの心にグサリと突き刺さる


チャンミンなんか、早くイタリアに帰ればいいのに


食材を工夫して、なんとかその日のメニューをしきり直して
その間中、テミンはユノに文句を言っていた

明らかに…八つ当たりだった
どうにもならない嫉妬からの…八つ当たり


そんなテミンの思いが通じたのかは定かではないけれど


急にチャンミンがイタリアに戻らなくてはならなくなった。

落胆しているユノ

客の前ではいつも通りのさわやかな笑顔で
テミンへの優しい眼差しもいつも通り

でも、ふとした時につく大きなため息
ユノは…寂しいのだ

わかりやすすぎて、嫌になる

どうして?

どうして僕ではダメなの?

僕なら、どこへも行かずにずっとあなたの側にいるのに


出発の日、チャンミンは空港に行く前、
開店前の店に寄った。

店にはテミン1人

ユノはチャンミンを見送るために空港に行ってしまったのだ。

2人はすれ違ってしまった


「あれ?ユノヒョンは空港に行きましたよ。
あなたを見送るために」

「あ…そうなんだ、入れ違っちゃった。
ちゃんと連絡すればよかったなー」


テミンの心に少し意地悪なキモチが生まれる


「お二人、通じ合ってませんね、なんか」

「え?」


テミンの笑顔は、どれだけ意地悪くチャンミンの瞳に映っているだろうか



「恋人だったら、見送りに行く段取りとか
普通、ちゃんとしときますよね」

チャンミンは最初驚いたような表情でテミンを見つめていたけれど

やがて穏やかに微笑んだ

「ほんとテミンの言う通り。
こう言う事、つきあいが長くなったからって
ちゃんとしないとダメだね」

「油断しないほうがいいですよ」

テミンは自分が止められない
意地悪な気持ちがどんどん溢れてくる

「油断?」

いぶかしげにチャンミンが聞く


「そうです、ユノヒョンってモテますよね?」

「ああ、そうだね、嫌になるくらいね」

「油断してると誰かにさらわれちゃいますよ」

チャンミンは笑った

特に勝ち誇るような感じでもなく
ただおかしくて笑っている、そんな感じだ。


「信じているから大丈夫」


「は?」

信じているって?

何を言っているのか
ありきたりすぎて、可笑しいくらいだ


「ユノヒョンを信じているって…
そんな不確かなもの…よく信じられますね」

「僕がユノを信じているって、ユノはわかってくれているんだよ」

「信じてるって、しつこく言うのは束縛ですよ。
目に見えない縛り?
それとも根拠のない、あなたの自信?」

「違うよ、テミン。信じてくれているっていうのは安心感だよ。束縛じゃない。それに…僕に自信なんか、ないよ」

「僕みたいなのがユノヒョンの側に毎日いて心配じゃないですか?もし何も心配してないなら、それは油断ですよ」

「テミンは…自分に自信があるんだね、それは素晴らしいことだ」

あくまでも余裕を見せるチャンミンが憎らしかった

「……」

呆れたようにテミンは笑ってみせた
できる限り、嫌味ったらしく…

そんなテミンを穏やかにチャンミンが見つめる


「テミン…」

「なんですか?」

「ユノのことが…好き?」

「……」

一瞬、テミンは言葉に詰まった


「ええ、好きですよ。
今すぐにでもあなたから奪いたいくらい。」


テミンの声が開店前の静かな店内に凛と響く


「あなたはユノを置いてふらふらとイタリアなんか行って…油断してますよ。
覚悟しておいてくださいね。信じるのは勝手ですけど、次に帰国したとき現実はどうなっているかわかりませんよ」

チャンミンは黙ったまま、テーブルの端を指先ですーっと撫でている


「…それじゃ、どうしたらいいのかな、僕は」

「は?」


何を寝ぼけたことを…



「ユノの首に縄でもつけておく?
それでずーっと監視する?怖い顔で」

椅子に座っているチャンミンは上目遣いでテミンを見た。

テミンは戸惑いながらも、正直な気持ちがそのまま言葉になってしまう

「僕なら…離れたりせず、身体と心で、精一杯愛します。出来ることなら、あなたから奪って、ずっと一緒にいて、誰かが入り込む隙間なんて与えない」

少し興奮気味のテミンに対して
チャンミンはふーっとため息をついた

「奪う、か…
あの人、あっさりそういう事態になりそうだよな」

「……」

「お酒弱いしねー」


テミンは自分に言い聞かせるようにつぶやく
その声が思わず震える

「…きっかけはどうであれ、抱いたという事実があれば
あの人は相手を見捨てたりしない」


「それがテミンの縛り?」

「縛り?」

「ユノとテミンがはずみでそうなったら、
きっとユノは苦しむよね。
自分を責めて辛い思いをする。
罪の意識に苦しむ」

「罪の意識って…誰に対して?」

「テミンと僕に対して」

そこではじめてチャンミンはキッとテミンを睨むように見つめた

テミンは余裕の笑みだった

「あなたに対してだけでしょう?
僕への心変わりをあなたに申し訳なく思って
ユノヒョンは苦しむことになるよ」

今度はチャンミンの声が凛として響く

「君がいくらユノを好きでも構わない。
ユノを狙っているのは、悪いけど君だけじゃないしね」

「知ってますよ、そんなこと」


「でも、どんな理由にしろ、ユノを苦しめるヤツは僕が許さない」


チャンミンが凄んだように見えたのは
ほんの一瞬だったか…


「ユノが心変わりしたなら仕方がない。
僕は身を引いてあげる。
でも誰かがあの人を苦しめたら、僕はそいつになにをするかわからないよ?」

テミンはごくりと唾を飲み込んだ

「たとえ、それが君でもね、絶対に許さない」


2人の間に緊張を帯びた静けさがあった


チャンミンは破顔して、また笑顔になった。

「なーんてね、僕も精進してもっと魅力あるヤツにならないと、ほんとに誰かにとられちゃうね」

へへっと笑うその笑顔が可愛い

下がった眉毛は段違いになって
人懐っこくなる


ユノはチャンミンのこの笑顔が大好きだと、いつか言っていた…

僕だって…ユノの笑顔が大好きなんだ

弓なりに細められる瞳と切れ上がる綺麗な目尻


どうして…そんなに信頼しあって、自分の好きなことなんてできるの

僕なら心配で…きっとユノをどこかに閉じ込めてしまうかもしれない

なにやら自信たっぷりなチャンミンに腹がたつ

その自信はどこからくるの?
ユノに愛されているから?

その余裕の微笑みをぶち壊したくなる

僕だって…

僕が本気になれば、きっとユノは僕を見てくれる


そんな事を考えるテミンの手が震えている

チャンミンはその震える手をそっと握った


「ユノを…よろしくね。
この店はあの人の夢で、生き甲斐なんだ」


テミンは思わずチャンミンの手を払いのけた

「そんなこと…あなたより、僕の方が知ってる」

「それは…よかった」

チャンミンはにっこりと微笑んで店を後にした


1人残されたテミンは手の震えが止まらない


僕の…ユノ…


やがて…どれくらい時間がたっただろう


カチャリと音がして、店の厨房のドアが開き
愛しい顔が現れた


ユノの疲れたような顔


「会えましたか?」

知ってるくせに僕は聞く


「いや、会えなかった。なんか行き違いになっちゃってさ」


寂しそうなその笑顔

どうしてそんな顔するの?

僕なら…あなたにそんな顔させない

必要な時にはいつも側にいてあげる

あなたに微笑んで、あなたを癒す

あなたの夢を一緒に手伝ってあげる


「テミン…」


気づけば、テミンはユノの首に腕を回して
その長い首筋に顔を埋めていた


大好きなんだ…

僕だって…ユノが大好きなんだ


「どうした?テミン」

「ちょっとだけ、こうしていてください」


テミンの白い頬にきれいな涙がひとすじ流れた





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